【まとめ】タバコって結局どのようなデメリットがあるの?
しかし、その後、タバコは体に悪い…!ってのがどんどん分かってきて、今、健康の為にたばこを吸う人はいないんじゃないでしょうかね…。
ところで、悪い悪いと聞くタバコなんですが、何がそんなに悪いのか…?
タバコとガンの関係
2015年のアメリカ癌協会の研究によると、2011年に行われた国民の健康調査を使って、アメリカで喫煙によって引き起こされた12種類のガンと喫煙による死亡者数についての割合を調べてみたそうです。
具体的には、喫煙についての質問票を回答してもらい、そのデータを基に全員の喫煙習慣をチェック、更に年齢、人種、教育レベル、およびアルコールの摂取量について変数を調整したそうです。
具体的には、喫煙についての質問票を回答してもらい、そのデータを基に全員の喫煙習慣をチェック、更に年齢、人種、教育レベル、およびアルコールの摂取量について変数を調整したそうです。
2011年に亡くなった方は345,962人いたそうで、そのうちの167,805人(48.5%)の方が喫煙によってガンを発症していたとのこと。つまり、ざっくりガンの発症、死亡の半分はタバコが原因ってことですね。
更にタバコが原因のガン死亡者は、男性が51.5%、女性が44.5%だったそうです。若干男性の方が死亡率が多い結果となっておりました。
更にガンの種類別に見てみると、
- 1位:肺ガン→約80%がタバコが原因
- 2位:喉頭ガン→約77%がタバコが原因
- 3位:食道ガン→約50%がタバコが原因
- 4位:膀胱ガン→約45%がタバコが原因
- 5位:肝臓ガン→約24%がタバコが原因
- 6位:子宮頸ガン→約22%がタバコが原因
- 7位:胃ガン→約20%がタバコが原因
- 8位:腎臓ガン→約17%がタバコが原因
ってことで、他のガンとも関係があり、最終的には11種類のガンの原因にタバコはなっていたそうです。これほど具体的な数値を出されてしまうと、怖いですね~。
喫煙者がいる家庭の室内はPM2.5が10倍…!
2015年のアバディーン大学の研究によると、家族に喫煙習慣のある人がいる家庭93軒に協力をお願いし、PM2.5の摂取量なんかを調べたそうです。早速結論を書くと、
- 喫煙者がいる家庭の室内は、喫煙者がいない室内より10倍もPM2.5が多かった…!
- 喫煙者がいる家庭の室内は、1日に298μgのPM2.5を吸い込んでいた…!
ということです。
PM2.5を1日298μg吸い込むとなると、肺のダメージが結構ヤバい感じ。喘息や肺がん発症には十分な量みたいです。
研究者も、喫煙者がいる室内は、北京のような高度汚染都市に住むのと同等の量のPM2.5を吸い込むことになるよ…!と申されており、大変恐ろしい感じとなっております。
因みに家庭内で禁煙した場合は、1日のPM2.5を吸い込む量が70%以上減少するそうなんで、是非とも禁煙をおすすめしたいですね~。
テロメアが短くなる…!
タバコの煙にはカドミウムが大量に含まれておりまして、これがテロメアの短くなるスピードをアップさせるんですよね。テロメアが短くなりすぎると、細胞は分裂できなくなり、慢性疾患が発生する可能性もあるらしいので、ぜひ注意しておきたいところ…。
現在タバコを吸っている人は今まで吸ったことがない人に比べ認知症リスク・認知機能低下リスクが40~80%も高い…!
2007年のオーストラリア国立大学の研究によると、タバコと認知症・認知機能低下の関係を前向きコホート研究のメタ分析で調べてみたそうです。まず研究者たちは、該当する先行研究を以下の3つのデータベースで検索してみたそうな。
- 1950年~2005年6月までの範囲でPubMedで検索
- 1872年~2005年6月までの範囲でPsycINFOで検索
- 1800年~2005年6月までの範囲でCochrane Central Register of Controlled Trialsで検索
併せて実験期間が最低でも12ヶ月のものをピックアップしていったらしい。すると6,455件もの前向きコホート研究が見つかったそうです。その後、ここから質の高い研究を精査していったそうで、最終的に基準を満たした研究は19件だったとのことでした。因みに日本の研究も1件入っておりました(1995年の九州大学の研究)
これらの研究のサンプル数と期間は、
- 認知症:総サンプル数26,374人。実験期間2~30年
- 認知機能低下:総サンプル数17,023人。実験期間2~7年
って感じで、参加者の平均年齢は74歳だったそうです。
この19件の研究をメタ分析にかけてみた結果、以下のことが分かったんだとか。
- 現在タバコを吸っている人は今まで吸ったことがない人に比べ、アルツハイマー病の発症リスク(1.79)や血管性認知症の発症リスク(1.78)が80%程高かった…!
- また全ての認知症の発症リスクは27%(1.27)高かった…!
- 現在タバコを吸っている人は今まで吸ったことがない人に比べ、時間の経過とともに認知テストの結果が悪くなっていた…!
- 過去タバコを吸っていた人と今まで吸ったことがない人は、アルツハイマー病や認知症、認知障害リスクが変わらなかった。但し、過去タバコを吸っていた人は認知機能低下率が高かった…!
- 現在タバコを吸っている人は過去タバコを吸っていた人に比べ、アルツハイマー病リスクが70%(1.70)高く、時間の経過とともに認知テストの結果も悪くなっていた…!
- 現在タバコを吸っている人と過去タバコを吸っていた人の血管性認知症の発症リスクやその他の認知症リスクに差はなかった。
この結果をざっくりまとめると、
- 現在タバコを吸っている人は今まで吸ったことがない人に比べ認知症リスク・認知機能低下リスクが40~80%も高い…!
ってことになります。嫌ですね~。
救いなのが禁煙に成功した元喫煙者は、一度も吸ったことがない人と認知症リスクが変わらなかったことですかね。まぁ、それでも認知機能低下スピードは高いみたいですが、被害を最小限に食い止めることはできるみたいです。
ということで、現在タバコを吸っている方も禁煙に成功すれば脳のダメージを最小限に食い止められそうな感じ。
誰しも認知症にはなりたくないと思いますんで、是非禁煙をおすすめ致します。
多発性硬化症と環境要因の関係についてアンブレラレビューを行ってみた…!
2015年のヨアニナ大学の研究によると、多発性硬化症と環境要因の関係について系統的レビューとメタ分析のアンブレラレビューを行ってみたそうです。
多発性硬化症は指定難病にも選ばれている病気で、脳や脊髄、目の神経に異常が出てしまいます。その結果、視力や視野に問題が起きたり、歩く、話す、食べるなどが上手くできなくなってしまったりするんですよね。そして免疫システムの異常(自己免疫疾患)の一つと考えられているんですよね。
そんな多発性硬化症の原因の一つとして環境要因の可能性があるんですな。そこで研究者たちは、アンブレラレビューを用いて本当かどうか調べてみることにしたらしい。
まず最初に2014年11月22日までに発表された該当する観察研究の系統的レビューとメタ分析をPubMedで検索してみたそうな。すると416件の研究が見つかったらしい。続いてこの中から質の高い研究をピックアップ、最終的に44件の研究が基準を満たしていたそうです。
これらのデータを基にアンブレラレビューを行ってみた結果、
- 多発性硬化症に関係していそう…!と言われていた環境要因の多くの研究は、エビデンスがあやしかった…!
- EBウイルス抗体検査、伝染性単核球症、喫煙の3つは最も強力で一貫したエビデンスを示していた…!
とのこと。
多発性硬化症と環境要因の関係って意外とあやしい感じだったんですねー。
まぁ、ウイルス感染やタバコが良くないのはなんとなく分かりますんで、ここは納得できますが…。
個人的考察
禁煙から10年で肺がんの発症率が半分になるって話もありますんで、是非とも取り組んでもらいたいですね~。