【加筆内容】線維筋痛症の症状改善に役立ちそうな方法を見ていくよー その11「アプローチまとめ編3」
引き続き2016年のユタ大学の研究に載っている様々な線維筋痛症の治療アプローチについて見ていきます。今回はその他のアプローチについてです。
線維筋痛症におけるその他のアプローチのポイント
最後はその他のアプローチを見てみましょう。
- 後頭神経刺激(ONC):頭に皮下電極を埋め込み、電気で脳を刺激する。線維筋痛症患者さんを対象にした実験によると、線維筋痛症の症状が大幅に改善(頭痛の痛みが少なくとも50%減少)した。但し、まだまだ今後の研究に期待といったところ。
- リドカイン点滴:痛みの症状改善の為のリドカイン点滴には長い歴史があるそうで、線維筋痛症患者さんに投与した結果、痛みが軽減したとのこと。但し、リドカインは低血圧や頭痛、めまい、眠気、唇のしびれ、視野が狭くなるなどの副作用も報告されている。他の研究を見ても、リドカインの効果は線維筋痛症患者さんの痛みのわずかな軽減にしかつながらないようで、現時点では、利用可能レベルではない。
- 高気圧酸素治療(HBOT):大気圧よりもはるかに高い圧力で純粋な100%酸素を吸入する治療法のこと。2004年の最初の研究によれば、線維筋痛症の痛みが大幅に軽減したらしい。但し、酸素中毒やその他の副作用のデメリットがあり、安全性と有効性が確立するにはまだまだ時間がかかりそう。
- 経頭蓋刺激:経頭蓋磁気刺激治療(TMS)と経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)という2種類の方法を使って磁気で頭部(脳)に電気を流し、刺激して活性化させる。主にうつ病など認知障害や感情障害の治療で使われており、日本でも2019年以降、保険診療が認可された。線維筋痛症の症状の改善に効果があるかは今後の研究に期待。
個人的考察
これらを見ると、やっぱり線維筋痛症の症状改善には、
- 薬物治療(薬物療法)…!
- 運動(エクササイズ)…!
- 認知行動療法…!
- 適切な線維筋痛症の教育…!
- 上記を併用して治療(集学的治療)する…!
が良さそうな感じですね。