【加筆内容】塩分を抑えて自己免疫疾患の予防と症状緩和を考える3
塩分と自己免疫疾患のお話の続きです。
これまでの復習を軽くしておきますと、
って感じ。どうやら塩の摂りすぎは体内炎症からの自己免疫疾患リスクをアップさせてしまうみたいなんですよね。
1日12gの塩分で体内炎症増加→自己免疫疾患リスクアップ…!理想は1日6g…!
2015年のミュンヘン大学病院などの縦断研究によると、様々な塩分量を摂取してもらい免疫にどのような影響を及ぼすのか長期にわたって調べてみたそうです。
この研究は平均年齢33±6歳の健康な6名の方が参加したそうで、なぜこんなに参加者が少ないのかと申しますと、6名全員が宇宙飛行士であり、宇宙飛行士訓練の枠内で実験を行ったからです。そのためサンプル数は少ないものの、厳重管理された閉鎖環境で生活して長期間調べたのでデータの質は非常に高い物となっております。
んで実験は全部で205日間行われたそうで、1日当たりの塩分を12g→9g→6g→12gの順番で試していったそうな。因みに各塩分摂取期間は50±10日間継続したとのこと。
食事の栄養素については、ヨーロッパの様々な食品メーカーが作っている200種類以上の食べ物を一つ一つ、栄養素含有量を分析し、実験期間全体を通して一定になるようにしたんだとか。
また参加者6名の毎日の食事メニューもしっかり計画され、個別化も図られていたらしい。実際の食事についてはナトリウム摂取量のみを変えて、それ以外は実験全体を通して全ての栄養素が一定レベルになるようにしたそうです。参加者6名が自由に飲食できたのは水のみで、ソフトドリンクなどのカロリーの高い飲み物は制限されたとのことでした。
上記期間中は採血も行っておりまして、12g終了時点、9g終了時点、6g終了時点、2回目の12g終了時点の午前7~8時の間の起床時に行ったとのこと。最後に集まったデータをいろんな免疫分析にかけつつ、統計処理したみたいです。
結果、以下のようになったみたい。
- 塩分を1日12g摂取したときは、塩分を1日9g、6g摂取したときよりも、免疫細胞の数が明らかに多くなっていた…!
- 上記は参加者6名全てで観察された…!
- つまり塩分摂取量と免疫の暴走には強い正の相関関係があることが明らかになった…!
やっぱり塩分摂取量で免疫系は暴走してしまうみたいですね~。
また、この実験では体内炎症についてもチェックしておりまして、指標として炎症性サイトカインは、IL-6(インターロイキン6)、IL-23(インターロイキン23)、TNF-α(腫瘍壊死因子)をチェック、抗炎症性サイトカインはIL-10(インターロイキン10)をチェックしたんですが、結果、
- 塩分摂取量を減らすと、炎症性サイトカイン(IL-6・IL-23)の産生が明らかに減少していた…!
- 塩分を1日6g摂取したときは、塩分を1日12g摂取したときよりも、IL-6(インターロイキン6)が30%以上も減少…!IL-23(インターロイキン23)も90%近く減少していた…!
- 塩分摂取量とTNF-α(腫瘍壊死因子)の関係は見当たらなかった。
- 塩分摂取量を減らすと、抗炎症性サイトカイン(IL-10)の産生が大幅に増加していた…!
- 塩分を1日6g摂取したときは、塩分を1日12g摂取したときよりも、IL-10(インターロイキン10)が約3倍も増加していた…!
そうです。
どうやら塩分は1日6gにしておくと良さそうです。また、今まで塩分をたくさん摂ってきた人も1日6gにすれば免疫系が正常になっていくみたいですね。
個人的考察
ということで、自己免疫疾患の観点から見た塩分摂取量は1日6gが理想ということになります。んがしかし1日6gはかな~り難しくて加工食品とか食っちまうとあっという間にオーバーしちゃうんですよね。
なんで、その辺を避けるのはもちろんですがプラスしてカリウム(カリウムはナトリウムの吸収を防いでくれたり、余分な塩分を尿として排出する機能がある)が多い食品を積極的に摂取していくとよろしいのかな~と思います(葉物野菜とか)