最近の若者は~って話の続きです。
今回は、なんでこう言った事を言うのか…?そもそもいつの時代から言われてきたのか…?なんかを見ていきつつ、そのメカニズムについて考えていきたいと思います。


最近の若者は…のメカニズムは、現在の秀でた能力と過去の偏った記憶で比較しちゃうから…!

2019年のカリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究によると、最近の若者は…となぜ言いたくなるのか調べてみたそうです。
そもそも最近の若者は…ってのを言い出したのがどれぐらい前かといいますと、例えば、イギリスのロンドンにある聖マーガレット教会の牧師が1624年に、昔の若者はこんなに生意気ではなかった。高齢者は軽蔑され、名誉ある者は非難され、判事を恐れていない…と言っているそうな。んで、研究者によれば、少なくとも紀元前624年以降、最近の若者は…と嘆いていたらしく、つまり何千年にもわたって続く普遍的な不満みたいです。
じゃあ、なんで最近の若者は…ってのがずーっと起こり続けているのか…?そのメカニズムを調べたのが今回の研究になります。実験は全部で5つ行われておりますので、一つずつチェックしていきましょう。



実験1

実験1では、子どもの頃と比べて今の若者は、年上を尊敬していると思うか参加者に聞いてみたそうです。併せて回答者の年齢も聞いてみたとのこと。
1,824人に聞いてみた結果、

  • 今の若者は昔よりも年上を尊敬していないという回答が多かった…!
  • 年配者を敬うべきだ…!と思っている人ほど、今の若者は昔よりも年上を尊敬していないと答えていた…!
  • 年配の参加者は、最近の若者は年長者をあまり尊重しなくなっていると思っていた…!

とのこと。
やはり今の若者は…って思っているみたいですな。



実験2

実験2では最近の若者の知能について聞いてみたそうです。そもそも数十年にわたって知能は向上し続けているそうで、それを踏まえると今の若者は昔の若者よりも頭が良いことになります。では実際皆はどう思っているかということで、参加者134人に聞いてみたそうな。
質問例としては、あなたが子供の頃と比べて、今の若者は昔よりも賢くなっていると思いますか…?みたいな感じ。
結果、

  • 昔も今も頭の良さは変わらん…!って答えた人が多かった…!
  • んがしかし、より知的な人の場合、今の若者は昔よりも頭が悪いと思っていた…!

とのこと。
因みに研究者曰く、上記結果により実験1の結果が単に子どもや社会に対する不満の結果ではないことを意味しているそうな。



実験3

実験3では、最近の若者たちは読書をしていると思うかを調べてみたそうです。
この実験は成人1,500人を対象に行ったそうで、子供の頃と比べて今の若者はどの程度、読書を楽しんでいるか、どれぐらい読んでいるかを参加者に聞いてみたらしい。
結果、

  • 人々は、最近の若者は以前ほど読書を楽しんでいないと思っていた…!
  • また普段から本をよく読む人ほど、今の若者は読書が好きではなくなっていると思っていた…!

とのこと。
実験1~3をみてみると、3つのうち2つで最近の若者は…と思っていたみたいです。そして知能では思わなかったのを踏まえると、単なる幻想や優越感からきているのではないと言えるそうな。
また注目すべきは、質問の内容により長けている人や行っている人ほど、そのことについて、最近の若者は…となりがちだったこと。つまり、自分が今の若者と比べて優れているところに今の若者は…と感じやすいってことですね。