【加筆内容】線維筋痛症の症状改善に役立ちそうな方法を見ていくよー その10「アプローチまとめ編2」
線維筋痛症における薬物治療以外のポイント
続いて薬物治療以外の方法のポイントを見ていきます。
- 運動(エクササイズ):線維筋痛症の患者さん2,494人を対象に様々な運動方法での効果を調べた系統的レビューによると、どのような運動でも痛みや痛みに関係する線維筋痛症の症状が顕著に改善したとのこと。
- 認知行動療法:効果にばらつきはあるものの症状改善が期待できる。認知療法的な認知行動療法の一つであるマインドフルネスストレス低減法(MBSR)を行った研究によると、線維筋痛症の痛みや症状が大幅に軽減された。但し、その後のMBSR・薬物治療・コントロール群を比べた研究では症状軽減の効果に有意差はなかったらしい。しかし、この研究ではMBSRを行った患者さんのみQOLがある程度改善したそうで全く無駄といったこともなさそう。またマインドフルネストレーニングを評価した別のRCTによると、社会的機能と感情的機能が大幅に改善したらしく、確実に痛みが軽減する…!とは言えないものの、線維筋痛症患者さんが抱えるいくつかの重要な問題に対してプラスの影響がありそうな感じ。行動療法的な認知行動療法は痛み(疼痛問題・慢性疼痛・慢性痛)の治療に於いて最も受け入れられている治療法。複数の研究で、認知の歪みや気分、QOLの改善に効果があると示されている。但し、認知面と感情面には効果があるものの、痛みの軽減については効果がない可能性がある。
- 集学的治療:複数の治療法を組み合わせて治療することを言う。線維筋痛症は複雑で様々な原因が考えられる為、複数の治療アプローチを採用することが重要だとしている。アプローチのバリエーションにはいろんなものがあるが、オーソドックスな物としては、適切な線維筋痛症の教育、運動、心理療法(主に認知行動療法)をコンビネーションで行う。教育については、通常、単独での治療方法として使うことはないが、自己管理の促進や他の治療アプローチの効果を高める上で重要な役割を果たすとのこと。また、線維筋痛症に対する誤解を解くにも有効で、適切な期待と正確な情報の取得が期待できるんだとか。
個人的考察
ということで今回はここまで。
次回はその他のアプローチについてみてみますので来週の月曜日までお待ちください。