【加筆内容】線維筋痛症の症状改善に役立ちそうな方法を見ていくよー その9「アプローチまとめ編1」
2016年時点の線維筋痛症の治療アプローチをまとめてみた…!
2016年のユタ大学の研究によると、様々な線維筋痛症の治療アプローチについて2016年時点での証拠をレビューしてみたそうです。
ということで、各治療法のポイントを押さえておきましょう。
線維筋痛症における薬物治療(薬物療法)のポイント
まずは薬物治療(薬物療法)からポイントを見ていきましょう。
- プレガバリン:抗てんかん薬として有名であり、2007年にFDA(アメリカ食品医薬品局)によって承認された最初の薬。750人の線維筋痛症患者さんを対象としたRCTの二重盲検によると、1日300~600mgのプレガバリンかプラセボを14週間飲んでもらった結果、プレガバリンを服薬している患者さんは痛みや機能的能力が大幅に改善したそうな。
- デュロキセチン:抗うつ薬として有名であり、FDA(アメリカ食品医薬品局)によって承認されているSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)。1日60〜120mgのデュロキセチンを服薬してもらったRCTの二重盲検によると、痛みや機能的能力が大幅に改善したそうな。またこの効果は長期間の維持が期待できるとのこと。
- ミルナシプラン:抗うつ薬として有名であり、FDA(アメリカ食品医薬品局)によって承認されているSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)。1日100~200mgのミルナシプランを服薬してもらったRCTの二重盲検によると、プラセボグループと比較して、痛みの報告が減り、痛み関連の症状が大幅に改善したそう。
- オピオイド:線維筋痛症の患者さん1,700人を対象に行った観察研究によると、習慣的にオピオイドを使用していた人はそうでない人に比べて、症状の改善の度合いが著しく低かったらしい。その他の研究をみてみても、全体的に線維筋痛症を改善する為に、習慣的にオピオイドを使用した方が良いという証拠はなかったそうな。
- トラマドール:オピオイド系の鎮痛剤の1つであり、SNRIの効果を持つ。300人を超える線維筋痛症患者さんを対象にしたRCTによれば、1日300mgから2600mgまでの範囲でトラマドール&アセトアミノフェンを服薬してもらうと、プラセボよりも線維筋痛症の症状や睡眠症状が明らかに改善したらしい。但し、まだまだ今後の研究に期待って感じ。
- ドーパミン作動薬:ドーパミン受容体を活性化する薬。線維筋痛症の患者さんにロピニロールを使ってもらった研究によると、74%の患者さんが、痛みが50%以上減った…!と答えていたそうな。またプラミペキソールを用いたRCTの二重盲検でも、プラセボを服薬した患者さんは痛みが15%減ったと言ったのに対し、プラミペキソールを服薬した患者さんは痛みが42%も減ったと言った。これは痛みが少なくとも50%減ったことを示している。しかし、追試では同様の結果は得られなかったらしい。そのため、2016年時点ではまだ線維筋痛症治療に役立つという確立した証拠はないみたい。
- カンナビノイド:痛みの症状に対して効果が期待されている。最初のRCT・二重盲検法を用いた研究によると、線維筋痛症患者さん40名を対象に1日2回1mgの合成カンナビノイド(ナビロン)を4週間にわたって服薬してみたそう。結果、プラセボよりも痛みやその他の症状が大幅に軽減されていたとのこと。但しこのメリットは長続きしなかったらしい。更に線維筋痛症に対する長期的なカンナビノイドの服用のメリットとデメリットも謎ってことでまだまだ今後の研究に期待といった感じ。
- オキシベートナトリウム:ナルコレプシーの治療で承認されている薬。寝る前にオキシベートナトリウムを1日6g摂取してもらったら、4週間後、プラセボよりも痛みや疲労感、睡眠問題が大幅に改善されていた。しかし、オキシベートナトリウムは乱用の可能性に伴うデメリットが高く、2010年には線維筋痛症治療の為のオキシベートナトリウムの承認をFDAは却下してしまった。
個人的考察
長くなったので今回はここまで。
次回は薬物治療以外の方法のポイントをみますので来週の月曜日までお待ちください。