ブレナー仮説について考えてみる!の続きです。
前回前々回の結果、健康な人の場合、高タンパク質食は問題ない…!ということでした。
ではなぜ腎臓はオーバーヒートを起こさないのか…?今回はその理由を考えていきます。



腎臓がオーバーヒートを起こさないのはプロテインレバレッジのおかげ…!

2012年のペニントン生物医学研究センターの研究によると、タンパク質摂取における生体恒常性(環境の変化があっても生理機能が一定に保たれること)についてレビューしてみたそうです。
このレビュー論文によれば、高タンパク質食と低タンパク質食の摂取を行うと以下の状況が起きるそうな。


高タンパク質食の影響

  • 高タンパク質食が、短期的に食欲を抑制する働きがあることは、ヒトの実験でも動物実験でも何度も報告されている。
  • その理由は、タンパク質がカロリー当たりで最も満腹感のある主要栄養素だから。
  • その結果、高タンパク質食は低タンパク質食よりも、空腹感とカロリー摂取量の両方を大幅に減少させる。
  • ヒトを対象とした研究では、高タンパク質食が体重と体脂肪の減少に役立つことが、かなりの数で証明されている。
  • その理由は、カロリー摂取量の減少、筋肉量(≒除脂肪体重)の維持、カロリー消費量の増加によるものと考えられる。
  • 上記データはヒトを含む動物は、一般的に過剰なタンパク質の摂取を避けるようなメカニズムが備わっていることを示唆している。つまりプロテインレバレッジですな。


低タンパク質食の影響

  • 高タンパク質食は食欲や体重などに影響を及ぼすという研究は数多く存在するが、その逆、つまり低タンパク質食が及ぼす影響についての研究はほとんどない。
  • 但しデータによると、ラットに低タンパク質食を与えると、タンパク質摂取量を増やそうとして、カロリー摂取量が増える傾向にある。
  • カロリー摂取量を同じにして、低タンパク質プラス脂肪又は炭水化物の量を増やしてみた研究では、脂肪や炭水化物のバランスに関係なく、一貫してカロリー摂取量が多くなっていた。
  • 中程度の低タンパク質食まで減らすとカロリー摂取量は増えたが、更に減らして超低タンパク質食にすると、カロリー摂取量が減少した。


以上をまとめると、

  • タンパク質量によるカロリー摂取量は、超少ないと減る…!低タンパク質だと増える…!高タンパク質だと減る…!
  • 高タンパク質だと、満腹感アップ…!空腹感ダウン…!カロリー摂取量ダウン…!カロリー消費量アップ…!体重ダウン…!体脂肪ダウン…!筋肉量アップ…!
  • 理由は、過剰なタンパク質の摂取を避けるメカニズム=プロテインレバレッジ)があるから…!

って感じです。



個人的考察

全てのまとめとして、

  • ブレナー仮説は確かに存在するが、腎臓病の人・腎臓病予備軍の人・腎臓病が併発しそうな人など腎臓機能に問題がある、ありそうな人に限った話みたい…!
  • つまり、正常な腎臓機能を持つ健康な人であれば高タンパク質食は問題なさそう…!
  • 正常な腎臓機能を持つ健康な人が問題ない理由は、そもそも腎臓・GFRは長期間高止まりしてもオーバーヒートしづらいから…!
  • 更に、プロテインレバレッジのおかげでオーバーヒートを予防するメカニズムが人体に備わっているから…!

となりましょう。
なんで、私は安心して高タンパク質食を続けています。



参考文献