前回は、運動が不安に効くのかRCTの系統的レビューを見てみました。今回は、運動が不安に効くのかRCTのメタ分析を見てみたいと思います。



運動は不安に効く…!その効果は不安軽減治療よりも上で認知行動療法と同程度…!

2008年のアリゾナ州立大学の研究によると、運動が不安の改善に効くのか調べてみたそうです。
同様の研究はいくつもあるんですが、今回の研究のポイントはランダム化比較試験(RCT)のみを使ったメタ分析というところ。つまり質の高い研究ってことですな。
んで、今回使われたRCTは全部で49件だったそうで、それらをメタ分析にかけてみた結果、以下のようになったんだとか。

  • 運動グループは、コントロールグループに比べて、不安が大幅に軽減(効果量=-0.48)されていた…!
  • 運動グループは、他の不安軽減治療グループに比べて、不安が軽減(効果量=-0.19)されていた…!

つまり、何もしないよりも運動した方が不安感が少ないし、不安治療よりも運動の方がちょっとだけど効果的だった…!ってことですね。因みにここでの不安軽減治療は、ストレッチやヨガ、グループセラピー、リラクゼーションや瞑想だったらしく、これよりも運動の方が良かったみたい。恐るべし、運動…。
更に余談ですが、運動は認知行動療法と効果が同じくらい、薬物療法のみは運動よりわずかに大きな効果があったそうです。
なんで効果の高い順にまとめると、

  1. 薬物療法
  2. 認知行動療法・運動
  3. 不安軽減治療(ストレッチ・ヨガ・グループセラピー・リラクゼーション・瞑想)
  4. 何もしない

って感じ。



個人的考察

薬物治療が基本なのは変わりませんが、金がかからず気軽にできる運動が2位につけているのは素晴らしいですよね。



参考文献