【加筆内容】ゲーム化・ゲーミフィケーションを学ぶ!その3「スクルの輪について専門家はどう思っているのか?」
引き続き2016年のサウサンプトン大学の研究を参考に、慢性疾患の自己管理にゲーム化(ゲーミフィケーション)が有効なのか見ていきます。
ゲーミフィケーションのフレームワーク「スクルの輪(The Wheel of Sukr)」について専門家はどう思っているのか…?
では、このスクルの輪が本当に効果的なのか調べた研究を次にチェックしていきます。この研究では、スクルの輪について専門家のインタビューと患者さんへのアンケートを行ってみたそうで、2つの概要は以下な感じ。
- 専門家のインタビュー:糖尿病の医師や精神科医、心理学者、ゲームの専門家など8名に聞き取りしてみた。
- 患者さんへのアンケート:18~40歳までのサウジアラビア(糖尿病が非常に多い国)の糖尿病患者さん42名にアンケートを行ってみた。
んで、専門家インタビューの結果は以下のようになったそうです。
- 社交:ある専門家は「今日の世界では、SNSが思春期などの若者に与える影響は非常に大きい。実際、医者よりも強い影響力を持っている可能性がある」と述べていた。そのため、社交は他の全ての項目を結び付ける上で不可欠な可能性が高い。
- 自己表現:ある専門家は「自分がやっていることをコントロールしているという感覚(=自己コントロール感)があれば、自分が主体であると感じることができる」と述べていた。そのため、自己表現は自己コントロール感と目標、達成できることと深いつながりがある。
- 楽しさ:糖尿病患者さんに楽しさを提供するというアイディアは専門家から強く歓迎された。ゲームのように楽しみながら進めていくことは自己管理の改善に良い影響があると思われる。
- 自尊心:自尊心は糖尿病の自己管理に関する行動にポジティブな変化をもたらす可能性がある。
- 成長:専門家によれば、フィードバックなどは糖尿病の自己管理に不可欠であると述べていた。そのため、成長は重要な項目であり、全ての項目を組み合わせて使うことによって新しい習慣や一貫性を生み出すのに役立つ可能性があるとのこと。
- 持続可能性:持続可能性は成功には必要不可欠とのこと。またちょうどよいレベルの難易度を維持することで糖尿病の自己管理における行動にプラスの影響をもたらす可能性があると述べている。
- モチベーション:専門家は「患者さんの中には自分の病気について学んだり、自己管理スキルを学ぶ意欲がない人もいる」と述べていた。また「ゲームの要素や報酬がモチベーションの解決策になる可能性がある」とも述べており、これは「楽しさ」の項目を裏付けている。
- 自己管理:ゲーム化された自己管理ツールを使うと、患者さんが恥ずかしがったり治療が遅れたりすることなく、簡単かつ自信を持って自己管理ができるようになる。
専門家のインタビューをみていると良いんじゃないかな~って感じですね。