【加筆内容】運動は不安対策になるのか? その3「不安障害の患者さんに運動効果はあるのか編」
これまで定期的な運動で不安予防ができるぞ…!ってのを確認してきました。
しかし、実際に不安障害とかの診断を受けてしまっていた場合はどうなのかという問題がございます。
薬物療法には劣るかもだけど運動は不安障害の方の症状改善に効果がありそう…!
2013年のリーズ大学の系統的レビューによると、不安障害の方を対象にした一般的な治療法と運動効果を比較してみたそうです。
そもそも不安障害の患者さんは通常、抗うつ薬と心理療法で治療するのが一般的です。しかし代替的なアプローチとして運動なんかの方法を取り入れることもあるんですよね。じゃあ効果はどうなのか…?ってことで今回チェックしてみることにしたんだとか。
最初に2011年7月までに発表された先行研究を6つのデータベースを用いて検索してみたそうな。併せて多くの学術誌も手作業でチェックしてみたらしい。因みにこの時、ランダム化比較試験(RCT)の研究に絞って探したそうです。
その結果、良い感じのRCTが8件見つかったそうな。それらを見てみると以下のことが分かったそうです。
- 1件のRCTからパニック障害の場合、運動により不安症状は改善するが、抗うつ薬ほどの効果はなかった…!
- 1件のRCTから抗うつ薬+運動で不安症状が改善していた…!
- 1件のRCTから作業療法+ライフスタイルの変更+運動でベック不安尺度(Beck Anxiety Inventory:BAI:21問からなる自己記入式の不安評価尺度)が減少した…!
- 1件のRCTから認知行動療法(CBT)+運動で社交恐怖症が改善した…!
- 1件のRCTから有酸素運動と無酸素運動のどちらを行っても不安症状が改善していた…!
- 2件のRCTから中~高強度の運動と非常に軽度~軽度の運動のどちらが不安軽減に効果的なのかは不明だった…!
つまり、薬物療法には劣るかもだけど、運動は不安障害の方の症状改善に効果がありそう…!ってことですね。薬物療法は副作用などデメリットが気になりますが、運動はデメリットを気にする必要がなかったり費用をかけずに始められるんで気軽さが良い感じかと思います。