今回は以前に紹介したイギリスの研究よりも規模が大きい物をご紹介。



イングランド公衆衛生サービスが知的障害のある方の平均寿命について調べてみた…!

2017年のイングランド公衆衛生サービスの研究によると、イギリスにおける知的障害のある方の平均寿命について調べてみたそうです。
なんでも、これまで知的障害を持つ方の寿命研究はされていたんですが、イギリスの全国的な調査がなかったんでこの度行ってみることにしたとのこと。
研究は、2010年4月~2014年3月までのCPRD(Clinical Practice Research Datalink)っていうデータベースを用いたそうで、対象期間におけるイングランドの人口のおよそ5%をカバーしているんだとか。
このCPRDによって知的障害の有無に関わらず、全死亡リスク、原因別の死亡リスクといったデータを出して見たらしい。また、医師により知的障害と診断された人も特定し知的障害を持っていない人と比べてみたそうです。
その結果、

  • 知的障害を持つ人の死亡リスクは、知的障害を持っていない人よりも有意に高かった
  • 知的障害を持つ人の全死亡リスクは3.18倍だった
  • 知的障害を持つ人の出生時の平均寿命は、持たない人よりも19.7年も短かった
  • 知的障害を持つ人の主な死亡原因は、循環器疾患、呼吸器疾患、ガンだった
  • 知的障害を持つ人は、脳血管疾患、血栓静脈炎、肺塞栓症の死亡リスクが3倍を超えていた(つまり血の塊で血管が詰まる形の病気による死亡リスクが高い)
  • 知的障害を持つ人の回避可能な死亡原因には、てんかん(死亡の3.9%)、誤嚥性肺炎(死亡の3.6%)、結腸直腸ガン(死亡の2.4%)があった

とのこと。
う~ん。イギリスで大規模に調べてみるとやはり知的障がいをお持ちの方の平均寿命は短い傾向にあったみたいですね。特に出生時や血栓系の病気は注意が必要だと。



個人的考察

いくつかの国の研究を見てきましたが、やはり全体的にみた場合と知的障害の重症度別にみた場合での違いに共通点がありますよね。



参考文献