先週の続きです。
前回前々回の研究から、運動しても痩せられるかについて個人差がかなりあったり、運動した油断からカロリー摂取量が多くなってしまい良くて維持、悪いと体重が逆に増えてしまうってことがわかりました。
んで、今回からなぜこのように上手くいかないのか、その可能性について見ていきたいと思います。
まず一つ目の可能性が、

  • 期間が短いと運動しても効果がないんじゃないか…?

ってこと。
つまり、運動を数回行っただけでは意味がなく、かなり長期間に亘って行わないとダイエット効果は得られないんじゃないかと言うことです。
ではどうなのか見ていきますかー。



期間が短いと運動しても効果がない可能性がある…!

1997年のリーズ大学の研究によると、食欲制御と運動効果についてレビューしてみたそうです。
皆さんご存知の通り、ダイエットには食事の摂取量と運動量は重要なポイントとなります。この2つの行動によって体重が増えるか減るかが決まるからですね。しかし、運動によって健康的になるのは間違いないものの、運動とカロリー摂取量の関係については未だ謎が多いんですな。そこで今回既存の研究結果を見直ししてみたそうです。
まずは運動による短期的な影響について、いくつか研究を見ていきましょう。

  • 1990年のコロンビア大学の研究:肥満女性と非肥満女性が高強度又は中程度のエアロバイクを漕ぐことを40分間行った。運動終了15分後にストロベリーヨーグルトを食べてもらった結果、非肥満女性の場合、中程度よりも高強度の方が運動後のカロリー摂取量が減っていた肥満女性の場合、強度の間でカロリー摂取量に差がなかった
  • 1988年のクイーンズ大学の研究:スリムな男性を対象に運動強度とカロリー摂取量の関係を調べた。運動終了1時間後に食事を行った結果、食欲は変わらなかった。但し、高強度の運動後の主観的な空腹感は短時間だけ抑制された様子。つまり、運動直後の空腹感の抑制効果は短期間限定で運動終了1時間後にはなくなってしまった
  • 1994年のリーズ大学の研究1995年のリーズ大学の研究:やはり高強度の運動の直後に空腹感が減っていた

因みになんで高強度の運動だけ空腹感を抑えることが出来るのかそのメカニズムは不明とのこと。仮説としては、体温の上昇、乳酸レベルの増加、TNF-αの増加かもって感じ。兎に角、運動で空腹感は抑制できるのは間違いないものの、効果は短期的であり、カロリー摂取量に重大な影響を与える可能性は低いそうです。

次に横断研究を見ていきましょう。
横断研究は日ごろの活動量によってグループ分けして身体活動量とカロリー摂取量の関係をチェックしております。

  • 1956年の研究:頻繁に引用される古典的研究。仕事の身体活動量(座りがち・中度の活動量、高度の活動量)でカロリー摂取量をチェックした。結果、座りがちな労働者は、適度な身体活動をしている労働者よりも多くの食事を摂取し、そして体重も増えていた。但しデータの解釈には批判もあり、適度な活動では肥満を防ぐことはできないとしている
  • 1981年の研究1976年の研究1984年の研究1982年の研究身体活動量が非常に多い人は座りがちな人よりもカロリー摂取量が多かった。そのため、高レベルの身体活動を行う人はカロリー消費量に合わせてカロリー摂取量も調節されている模様

横断研究では時間経過を伴わないので一部の切り取りでの結果とのこと。そのため、習慣的な行動による正確なカロリー摂取量とカロリー消費量を調べるのは難しいそうです。

最後に運動による長期的な影響について、いくつか研究を見ていきましょう。


これらの結果をまとめると、以下のようになります。

  • 短期的(24時間以内)な運動では、カロリー摂取量に大きな影響は及ぼさない可能性が高い。
  • 運動によるカロリー消費量の変化でカロリー摂取量も変化しない可能性が高い。
  • 長期的な運動による、カロリー摂取量に及ぼす影響はよく分からない。

期間が短いと運動しても効果がない可能性があるみたいですね。じゃあ、長いとどうなのかってのもよく分からないみたい…。結局、この時点ではよく分からなかったみたいですな。



個人的考察

その後も、期間が短いと運動しても効果がないんじゃないか説を調べた研究はいくつかありまして、例えば、


なんかがございます。
結果を一言でまとめると、やっぱりあやしいな~って感じですね。



参考文献