引き続き毎週日曜日は牛乳研究を見ていきます。
今回は、2008年にオックスフォード大学から発表された、動物性食品、タンパク質、カルシウムの摂取と前立腺がんリスクの関係についての大規模研究を見てみます。



動物性食品、タンパク質、カルシウムの摂取と前立腺がんリスクの関係について調べてみた…!

2008年のオックスフォード大学の研究によると、動物性食品、タンパク質、カルシウムの摂取と前立腺がんリスクの関係について調べてみたそうです。
そもそも前立腺がんの原因ってのはほとんど分かっていないそうで、

  • 動物性タンパク質の摂取量が多いと前立腺がんリスクが上がる…?
  • 牛乳などの乳タンパク質の摂取量が多いと前立腺がんリスクが上がる…?
  • 乳製品からのカルシウムの摂取量が多いと前立腺がんリスクが上がる…?

っていう可能性があるんだとか。
そこで今回大規模研究で調べてみることにしたみたい。
この研究は、欧州癌・栄養前向き研究コホート(EPIC)っていう有名なデータセットを使ったもので、食事やライフスタイル、環境要因とがんがどう関係しているのか調べたという物。
参加した国は、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、イギリスって感じでして、その中でフランスとノルウェーは女性のみのデータだったそうな。そのため、男性のデータがある残りの8か国(デンマーク、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、イギリス)のデータを使ったらしい。因みに1989年から2004年の間に募集され、募集時の年齢の中央値は52歳だったそうです。
元のデータセットのサンプルは男性148,372人からなりまして、ほぼ全員が白人のヨーロッパ人だったそうな。そしてこのうちの使えるデータは142,520人だったとのこと。また、142,520人の参加者のうち2,727人が前立腺がんと診断されたそうで、前立腺がんの診断時の年齢の中央値は66歳、年齢範囲は44~95歳の間だったんだとか。
因みに平均追跡期間は8.7年ってことでした。
これらのデータを統計処理した結果、以下のことが分かったそうです。

  • 肉や魚、卵のいずれも前立腺がんリスクは関係なかった…!
  • ヨーグルトを最も食べていた人たちは最も食べていなかった人たちに比べて、前立腺がんリスクが17%(HR1.17)高かった…!
  • 牛乳や乳飲料、チーズのいずれも前立腺がんリスクは関係なかった…!
  • 総タンパク質の摂取量は前立腺がんリスクと有意ではないが正の相関関係があった(HR1.17)
  • 乳タンパク質を最も摂取していた人たちは最も摂取していなかった人たちに比べて、前立腺がんリスクが22%(HR1.22)高かった…!
  • 動物性タンパク質や植物性タンパク質のいずれも前立腺がんリスクは関係なかった…!
  • 総食事性カルシウムを最も摂取していた人たちは最も摂取していなかった人たちに比べて、前立腺がんリスクが17%(HR1.17)高かった…!
  • 乳製品由来のカルシウムを最も摂取していた人たちは最も摂取していなかった人たちに比べて、前立腺がんリスクが18%(HR1.18)高かった…!
  • 乳製品以外の食品からのカルシウム摂取と前立腺がんリスクは関係なかった…!

もちろん上記の結果は教育や婚姻状況、アルコール摂取量、身長、体重、カロリー摂取量、喫煙や身体活動といった変数を考慮済みです。
そして、この研究ではどれぐらいの摂取でどれぐらいの影響があるのかもチェックしているんですが、

  • 1日35gの乳タンパク質の摂取増加で前立腺がんリスクが32%(HR1.32)増加した…!
  • 1日0.3gの総食事性カルシウムの摂取増加で前立腺がんリスクが9%(HR1.09)増加した…!
  • 1日0.3gの乳製品由来のカルシウムの摂取増加で前立腺がんリスクが7%(HR1.07)増加した…!

とのこと。
つまりこれらの結果をまとめてみると、

  • 乳製品由来のタンパク質又はカルシウムの摂取量が多いと、前立腺がんリスクがアップする…!
  • 乳タンパク質とカルシウムが合わさると、前立腺がんリスクがアップする…!
  • 乳タンパク質、カルシウムのそれぞれを単独で摂取した場合は前立腺がんリスクとの関連性が弱まる…!

って感じでしょうか。
個々では問題にならなくても合わさるとヤバいってのはなんとも複雑な気持ちになりますね~。



個人的考察

牛乳・乳製品+カルシウムは気を付けた方が良さそうですね。



参考文献