【加筆内容】乳製品で太るのか? その3
乳製品で太るのかは結局よく分からない
そもそも子どもの肥満は世界でも大きな問題となっております。んで乳製品の影響はあんまり分かっていなかったんですよね。
そこで今回、横断研究の系統的レビュー・メタ分析と縦断研究の系統的レビュー・メタ分析を行ってみることにしたらしい。
まず研究者たちは、2021年10月18日までに発表された該当研究をMedline(PUBMED)とコクランで検索してみたそうな。また検索にヒットした研究の参考文献もチェックしたとのこと。すると4,367件の研究が見つかったんだとか。
続いて重複している物や質の低い研究を除いていったそうで、最終的に24件の研究を選ぶことが出来たそうです。この24件の研究の特徴は以下な感じでした。
- 総サンプル数101,330人
- 国:アメリカ10件、ヨーロッパ6件、アジア7件、オセアニア1件(日本の研究は0件)
- 平均追跡期間:1年~3.2年
- 乳製品のチェック法:食事摂取頻度調査票(FFQ)、24時間の食事を思い出してもらう。
それでは結果です。
まずは横断研究の系統的レビュー・メタ分析から見てみましょう。
- 乳製品の総摂取量は肥満リスクを34%(OR0.66)も有意に下げていた…!
- 乳製品の総摂取量は過体重リスクを4%(OR1.04)と有意ではないが上げていた。
- 乳製品の総摂取量は過体重と肥満を合わせたリスクを10%(OR0.90)と有意ではないが下げていた。
- 牛乳の総摂取量は肥満リスクを10%(OR0.90)と有意ではないが下げていた。
- 牛乳の総摂取量は過体重リスクを5%(OR1.05)と有意ではないが上げていた。
- 牛乳の総摂取量は過体重と肥満を合わせたリスクを6%(OR0.94)と有意ではないが下げていた。
- ヨーグルトの総摂取量は肥満リスクを6%(OR0.94)と有意ではないが下げていた。
- ヨーグルトの総摂取量は過体重リスクを10%(OR1.10)と有意ではないが上げていた。
- ヨーグルトの総摂取量は過体重と肥満を合わせたリスクを12%(OR1.12)と有意ではないが上げていた。
- チーズの総摂取量は過体重と肥満を合わせたリスクを14%(OR0.86)と有意ではないが下げていた。
まとめると、全体的にみたら乳製品の総摂取量は肥満リスクを下げるけど、後は有意差がなくてよく分からん…!って感じですね。
次に縦断研究の系統的レビュー・メタ分析の結果です。
- そもそも質の高い縦断研究が少ない為、乳製品の総摂取量、全脂肪乳製品の摂取量、低脂肪乳製品の摂取量と肥満リスク、過体重リスク、過体重と肥満を合わせたリスクのメタ分析が出来なかった。
- 一応、乳製品の総摂取量は過体重リスクを44%(RR0.56)、全脂肪乳製品の摂取量は過体重リスクを43%(RR0.57)、低脂肪乳製品の摂取量は過体重リスクを26%(RR0.74)低下させたという研究が1件のみあった。
- また、乳製品の総摂取量は過体重リスクと関係ない(RR1.01)という研究も1件あった。
- 牛乳の総摂取量は過体重リスクを17%(RR1.17)も有意に上げていた…!
- しかし、他の研究では、牛乳の総摂取量は肥満リスク(RR1.05)も過体重と肥満を合わせたリスク(RR0.91)も関係がないと出ていた。
まとめると、縦断研究は研究数が少ないのでよく分からん…!って感じですね。
個人的考察
ということで、結局よく分からないってのが結論になってしまいました。
今後の研究に期待するところは大きいですが、太りもしないし痩せもしないって中立な立場でいるのが良いのかもしれません。