【加筆内容】地中海式ダイエットの質の高い研究を見ていく!41「認知的健康の関係」
これまで、地中海式ダイエットの系統的レビューやメタ分析、アンブレラレビューを40回にわたってみてきました。
んで今回は、健康な成人を対象にした地中海式ダイエットと認知的健康の系統的レビュー・メタ分析を見てみます。
軽度認知障害リスク低下とアルツハイマー病リスク低下には効果がありそう…!認知機能(全般的な認知機能、ワーキングメモリ、エピソード記憶)はよく分からん…!
2022年の中央大学校の研究によると、健康な成人を対象に地中海式ダイエットと認知的健康の関係を系統的レビューとメタ分析で調べてみたそうです。最初に研究者たちは、2021年6月までに発表された該当する先行研究をPubMed、Web of Science、PsycINFO、Scopus、Cochraneで検索してみたそうな。またこの時、コホート研究とランダム化比較試験(RCT)に的を絞って探してみたらしい。
すると合計で1,687件の研究が見つかったとのこと。続いてこれらの中で、重複している物、関係ない研究、質の低い研究なんかを除外していったそうな。
最終的に基準を満たした研究は、コホート研究31件とRCT5件だったそうで、これらを用いて系統的レビューを行ってみたそうです。因みにメタ分析はここからコホート研究5件とRCT3件を削った、コホート研究26件とRCT2件で行ったんだとか。
では、結果の前にコホート研究31件の特徴を見ておきましょう。
では、結果の前にコホート研究31件の特徴を見ておきましょう。
- サンプル数:200人~27,842人
- 追跡期間の中央値又は平均値:2.2年~26年の範囲
- スタート時の年齢:45歳~92歳までの範囲(ほとんどの研究は65歳以上だった)
- 食事のチェック:FFQを使用
次にRCT5件の特徴も見ておきます。
- 5件中2件はオーストラリアで行われていた。追跡期間はわずか半年で、参加者の平均年齢は70歳を超えていた。
- 5件中3件はスペインで行われていた。追跡期間は3~6.5年で、参加者の平均年齢は67歳だった。
- 5件のRCTの介入グループは883人、コントロールグループは396人だった。
では結果を見てみましょう。
まずはコホート研究の方からですねー。
地中海式ダイエットを最も忠実に実践していたグループとそうでないグループを比較してみると、
- 全般的な認知機能に有意差はなかった(SMD=0.03)
- エピソード記憶に有意差はなかった(SMD=0.02)
- ワーキングメモリに有意差はなかった(SMD=0.05)
- 軽度認知障害リスクが25%(RR=0.75)減少していた…!
- 認知症リスクは関係なかった(RR=0.85)
- アルツハイマー病リスクが29%(RR=0.71)減少していた…!
とのこと。
コホート研究をまとめると、軽度認知障害リスクとアルツハイマー病リスクにだけ効果があったみたいですね。
続いてRCTの結果です。
地中海式ダイエットグループはコントロールグループに比べて、
- ワーキングメモリが高かった(SMD=0.17)
- エピソード記憶が高かった(SMD=0.20)
- 全般的な認知機能が高かった(SMD=0.19)
- 注意力は逆に低かった(SMD=-0.41)
- 実行機能は関係なかった
- 脳の処理スピードは関係なかった
とのこと。
RCTだと一転して、ワーキングメモリ、エピソード記憶、全般的な認知機能が高かったみたいですな。あと何故か注意力は逆に悪くなっていたと…。謎ですね~。
ということで上記をまとめると、
- 軽度認知障害リスク低下とアルツハイマー病リスク低下には効果がありそう…!
- 認知機能(全般的な認知機能、ワーキングメモリ、エピソード記憶)とその他の物はよく分からん…!
って感じ。
個人的考察
全体的に見れば、認知障害の予防や停滞は出来そうなんで、やっぱ脳機能保護にも地中海式ダイエットは使えそうですね。