【加筆内容】ナッツ研究のアンブレラレビューを見てみよう! 後編
1日に一握り(1日28g)のナッツを食べると、心血管疾患リスクと死亡リスクが5分の1に、がんによる死亡リスクが10分の1に減少する…!
2022年のベルゲン大学の研究によると、ナッツ類の摂取と健康リスクの関係についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。具体的には、ナッツ類の摂取と心血管疾患(CVD)、糖尿病、肥満、代謝性疾患、がん、死亡リスク、アレルギーについてチェックしたとのこと。
まず研究者たちは2021年5月27日までに発表された該当研究をMEDLINE、Embase、Cochrane、Epistemonikosで検索してみたそうな。続いて検索にヒットした1,546件の研究から、重複しているものや質の低い物を排除していったらしい。
最終的には、98件の研究がピックアップ出来まして、内訳は、
- 疾患や疾患死亡リスクの研究:23件
- 疾患のバイオマーカーの研究:66件
- アレルギーや副作用の研究:9件
のようになっておりました。
これらのデータをまとめてみた結果、以下のようになったそうです。
【心血管疾患】
- ナッツの摂取量と心血管疾患は逆相関していた…!
- ナッツを1日28g摂取すると、心血管疾患(CVD)リスクが21%(RR0.79)、冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが25%(RR0.75)、心血管疾患・冠状動脈性心疾患の死亡リスクが22%(RR0.78)も減っていた…!
- ナッツの最適な摂取量は1日約15~20gだと思われ、1日28gを超えるとメリットが少なくなりそうだった…!
【糖尿病・肥満・代謝性疾患】
- ナッツの摂取量と糖尿病、肥満、代謝性疾患との関係は微妙だった。
- ナッツを1日28g摂取すると、2型糖尿病リスクが11%(RR0.89)、糖尿病関係の死亡リスクが39%(RR0.61)、減っていた。
- 肥満については有意差はなかった(RR0.81)が、肥満・過体重では有意差があった(RR0.89)
- ナッツの摂取と糖尿病の間に有意な非線形の用量反応関係はなかった。
- ナッツ類単独では糖尿病による死亡リスクに有意差はなかった。
- ほとんどのメタ分析ではBMIが調整されており、これらの結果は過剰に調整されている可能性があった。
- BMIを調整しなかった場合、ナッツの摂取で糖尿病リスクが20%(RR0.80)低くなっていた。
- つまり体重減少が糖尿病リスクと関係している可能性があった。
【がん】
- ナッツの摂取量とがん死亡リスクは逆相関していた…!
- ナッツを1日28g摂取すると、がん死亡リスクが11%(RR0.89)も減っていた…!
- ナッツの摂取量とがん死亡リスクにおいての最適な摂取量は1日28gだった…!
【全死亡リスク】
- ナッツの摂取量と全死亡リスクは逆相関していた…!
- ナッツを1日28g摂取すると、全死亡リスクが22%(RR0.78)も減っていた…!
- ナッツの摂取量が1日20gを超えると、効果が横ばいになっていた…!
【その他の死亡リスク】
- ナッツの摂取量と呼吸器疾患死亡リスクは逆相関していた(RR0.48)
- ナッツの摂取量と感染症死亡リスクは逆相関していた(RR0.25)
- ナッツの摂取量と神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病など)の死亡リスクは有意ではないが逆相関していた(RR0.65)
- ナッツの摂取量と腎臓疾患死亡リスクは関係なかった。
【アレルギー】
- ピーナッツアレルギーの発症率は0%~2.8%の範囲で、年齢や環境によってばらつきがあった。
- ナッツアレルギーの発症率は0~6歳が0.03~0.2%、6~18歳が0.2~2.3%、成人が0.4~1.4%だった。
- アナフィラキシー反応は稀だが、その中でもピーナッツは注意が必要だった。
まとめると、
- 1日に一握り(1日28g)のナッツを食べると、心血管疾患リスクと死亡リスクが5分の1に、がんによる死亡リスクが10分の1に減少する…!
となりましょう。
すばらしい効果ですね…!
個人的考察
ということでアレルギーの方を除き、1日一握りのナッツを食べて健康効果を最大限受けると良さそうです。