今回は、気分障害とADHDの併存性(併存リスク・二次障害・併存疾患・重複障害)を調べた系統的レビューとメタ分析を見てみましょう。



気分障害(双極性障害又はうつ病)を持つ人におけるADHDの有病率についての系統的レビューとメタ分析

2021年のダルハウジー大学の研究によると、気分障害(双極性障害又はうつ病)を持つ人におけるADHDの有病率について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
まず研究者たちは、2020年9月21日までに発表された該当研究をPsycInfoとPubMedで検索してみたそうな。次に検索にヒットした研究の中で被っている物を除外しつつ、適格基準と除外基準に照らし合わせて精査していったらしい。
最終的に基準を満たした研究と総サンプル数は、

  • 双極性障害:92件、総サンプル数17,089人
  • うつ病:52件、総サンプル数16,897人

って感じでして、これらを基にデータをまとめてみたんだとか。
結果、

  • 双極性障害を持つ人におけるADHDの有病率は、小児期73%、青年期43%、成人期17%だった…!
  • うつ病を持つ人におけるADHDの有病率は、小児期28%、青年期17%、成人期7%だった…!
  • 気分障害を持つ人は、そうでない人に比べて、ADHDの有病率が3倍多かった…!
  • 双極性障害を持つ人は、うつ病を持つ人に比べて、ADHDの有病率が1.7倍多かった…!

とのこと。
どうやら双極性障害やうつ病を持っている人はADHDの併存性(併存リスク・二次障害・併存疾患・重複障害)が高いみたいですね。
この結果に研究者も、双極性障害やうつ病を持っている人はADHDかどうか調べたり、治療したりすることが必要かもしれないねーとおっしゃっておりました。