前回前々回と、2020年にラクイラ大学が発表した、片頭痛と睡眠障害の関係についての系統的レビューを見ています。
では最終回です。早速見ていきますかー。



過眠と片頭痛

過眠は、夜間の睡眠障害や概日リズムの異常によって引き起こされるのではなく、つまり夜、問題なく寝れているのに日中過度の眠気があるのが特徴です。日中の過度の眠気という主観的な訴えであり、抑えきれない睡眠欲求を毎日感じる、または実際に日中に眠ってしまうことと定義されているんだとか。
代表的な障がいはナルコレプシーでして、その推定有病率は0.025%~0.05%とのこと。発症年齢は幼少期から50代までと幅広く、最初のピークは15歳、次のピークは35歳らしい。
そんなナルコレプシーですが片頭痛との併存疾患は割とよく知られているそうな。そして既存のエビデンスによると、その関連性や因果関係はまだ不明みたい。但し、なんとなく可能性として考えられるのはオレキシン系なんだとか。


概日リズムの乱れによる睡眠障害と片頭痛

概日リズム(体内時計)の乱れによる睡眠障害は、言葉の通りでして、その主な原因は内因性によるものと社会的・物理的環境によって起こるケースが多いそうな。そして睡眠覚醒リズムの乱れの慢性や再発の状態になるものを言うとのこと。因みに代表的な仕事はシフト制による勤務や夜勤、徹夜がある仕事ですな。
そんな概日リズムの乱れによる睡眠障害と片頭痛は関係がありそうでして、例えばノルウェーで行われた横断研究によると、交代制勤務のある看護師とそうでない看護師を比べてみた結果、交代制勤務のある看護師は、月1日以上の頭痛、片頭痛、慢性頭痛の有病率が高かったそうな。またそれぞれのリスクは、月1日以上の頭痛が2.04倍、片頭痛が1.60倍、慢性頭痛が2.45倍って感じだったらしい。
但し、研究数自体が少ないことや定義や方法論が様々ある事から、まだまだ片頭痛との関係はよく分からないんだとか。


睡眠時随伴症と片頭痛

睡眠時随伴症は、睡眠に入るとき、睡眠中、または睡眠から覚醒するときに起こる、望ましくない複雑な動きや知覚、行動、感情、夢、自律神経系の活動を特徴とする睡眠障害の一種とのこと。これは本人や一緒に寝ている家族の睡眠の質を下げる可能性があるそうな。
代表的なものとしては、夢遊病(睡眠時遊行症)でして、これは寝ている最中に無意識に歩き回ったりするのを特徴としております。そして夢遊病と片頭痛の関係は割と一致しておりまして、関係性は高そうな感じなんだとか。
但し、睡眠時随伴症も研究数が少ない為、特に成人における関係性の強さと種類は良く分からないみたい。



個人的考察

以上、様々な睡眠障害と片頭痛の関係でした。
もう一度、ちゃんと見たい…!って方は以下のまとめ記事からご覧ください。




参考文献