睡眠対策で最強と謳われる方法「刺激制御療法(刺激制限療法)」のやり方とコツ
寝れない…!って人は意外と多いようで、事業所の利用者さんの話を聞いていてもなかなか大変そうでございます。
そのため、当ブログでは、睡眠について色々な事を書いてきましたが、今回ご紹介するのは、睡眠対策に於いて最強の方法と言われるやり方です。
刺激制御療法(刺激制限療法)ってなに…?
睡眠対策として非常に有効だと言われている方法がありまして、それが刺激制御療法(刺激制限療法)であります。これがどういったものかと言いますと、ベッドは寝るとき以外に絶対使わないという方法になります。
例えば、ベッドの上でスマホを弄ったり、テレビを見たりするのは当然NGですし、ゲームや読書、音楽を聴くなんて行為もご法度。他にも休日にもう目が覚めているのにダラダラ布団にいたり、逆に夜、なかなか寝付けないのに布団の中にずっといるのもダメですね。
つまり、眠たいときに寝るためだけにベッドは使うというのを徹底するのがポイントになります。
寝れないときは具体的にどうすべきか…?
ベッドの上で余計な事をしない、目が覚めているのにダラダラ過ごさないってことを実践するのはそんなに難しくないと思いますが、難しいのが寝れなくても寝なければいけない時です。
例えば、明日は仕事や学校だから絶対寝ないと…なんて時があると思います。
では、そういった際はどうすれば良いのでしょうか…?そんな時の方法をステップごとに解説していきます。
- まずは余計な事を考えず布団に入って寝てみましょう。もちろん先ほど言った通り、スマホなどは一切しないようにしましょう。
- 眠れない…!って時はベッドから出ましょう。また、寝室以外の部屋があれば別の部屋に移動しましょう。
- テレビやスマホなどは絶対見ずにボーっと過ごしましょう。普段瞑想して眠くなりやすい人は瞑想するのもアリです。他にも呼吸法や漸進的筋弛緩法などを行ってリラックスして過ごしましょう。時計は絶対に見ないようにしましょう。
- 眠くなってきたら素早く寝室に行き、ベッドにダイブしましょう。そして寝ましょう。その際にも時計は絶対見ないようにしましょう。
- 自分の感覚で10分ぐらい経っても寝られないときは、またすぐベッドから出ましょう。そして、寝室以外の部屋があれば別の部屋に再度、移動しましょう。
- 寝れないときはベット→別室→眠気が来る→ベッド…をひたすら繰り返しましょう。
- 上記を続けて結局3時間しか寝られなくても、仮に一睡もできなくても、朝は必ず決まった時間に起きましょう。ここは死守しましょう。
- 上記を毎日続けていきましょう。
兎に角、寝れないときはダラダラベットにいないで別室などに移動し体が眠りたいと思ったらベッドに入るを繰り返すってことですね。
なぜ、刺激制御療法(刺激制限療法)が不眠に効果があるのか…?
なぜ、刺激制御療法(刺激制限療法)がそんなに不眠に効くのかと言うと、
- 概日リズム(体内時計)を正常に戻し、睡眠リズムを体に覚え直すことができる。つまり、狂った睡眠リズムをリセットできる
- ベッド=寝る場所を脳に再認識してもらう
- ベッドの正しい使い方を体に覚え直すことができる
からです。
実は睡眠障害や不眠症で寝れない原因は、主に不安感からきているみたいです。
これは別に睡眠に困っていない人でも一度は体験したことがあることで、
- 明日は仕事(学校)だから寝ないと…!と焦る→寝られなかったらどうしようと不安になる
- もうベッドに入ってから30分も経ったのに寝られない…!と焦る→寝られなかったらどうしようと不安になる
- 朝7時に起きるからあと5時間しか寝られない…!と焦る→寝られなかったらどうしようと不安になる
って感じですね。兎に角、寝られない→焦る→不安になる→もっと寝られなくなる…!って感じで、沼にハマっていくんですよ。
それに反して体は、リズムが狂っていたり、普段ベッドでスマホを弄っているとベッドはスマホを弄って楽しむ場所という学習をしていますんでその習慣で眠る場所という認識が薄れ、結果、寝るという行為に入ってくれないんですよね。
そして、これが中長期化すると今度は脳が「ベッドで横になる=寝れなくて焦って不安になる場所」という学習をしてしまいます(この辺を詳しく知りたい方はレスポンデント学習やオペランド学習、臨床行動分析をご覧ください)。そうなるといよいよ本格的に泥沼になって眠れなくなるって感じですね。
そのため、この認知のズレを正すために認知行動療法を使った睡眠対策法である刺激制御療法(刺激制限療法)が非常に効果的だと言えます。
脳に「ベッドで横になる≠寝れなくて焦って不安になる場所」と「ベッドに横になる=寝ること」を覚え直してもらうって感じですね。
最後に、刺激制御療法(刺激制限療法)は2011年のアリゾナ大学の研究によると、たくさんある睡眠対策の中でベストな方法だったってことなんで、睡眠に困っている方は一度試す価値アリだと思います。