説得や交渉、助けを呼ぶって皆さん得意ですか…?
始めに申しますと私は超苦手です(笑)
なんで少しでもマシなレベルになれるよう、いろんなテクニックを見たり使ったりしております。
そのため当ブログでも、


って感じで、かな~りいろんな方向から使えそうなテクニックをご紹介してきたわけですよ。
んで、今回は、説得力のそもそも論みたいな話です。というのも実は自分が思っている以上に説得力ってのはあるらしいんですよね。
ということでまずはそこの部分を説明しつつ、後半は説得する際のポイントを3つご紹介しておきます。



自分が思っている以上に説得力はあるんだよ~って話と相談するときのコツ3つ

2015年のハーバードビジネスレビューによると、自分が思っている以上に説得力ってのはあるらしい。そう言われましても…って感じは致しますが、果たして本当ですかね~?
なんでも私たちは、

  • 上司は何を言っても聞いてくれないだろうから、代替案も言わないでおこう…。
  • アイディアを出しても喧嘩になったら嫌だから言うのをやめておこう…。

って感じで、否定されることを恐れて言うのを避けてしまうらしい。分かりますねー。
んがしかし、研究者によれば上司や同僚なんかは、私たちが思っている以上に、意見を聞いてくれるし、受け入れてくれるそうな。しかもそこには難しいテクニックは必要なく、多くの場合はあっさり言うだけでOKということです。
このバイアスが働く為に、自分自身の説得力を疑っていて言うのをためらい、結果チャンスを逃してしまっているんだそうな。

んでここからこのレビューでは、以前に紹介した研究がいくつか取り上げられていきます(今回と著者が同じの為)
まず最初は2008年のコロンビアビジネススクールの研究のご紹介がされておりました。
詳しくは上記の記事をご参照いただければと思うのですが、ざっくりポイントをまとめてみますと、

  • 私たちは常に自分の影響力を過小評価している
  • 見知らぬ人に携帯電話を貸してくださいと言うと、参加者が予想していたよりもOKという人が2倍も高かった
  • しかも携帯電話を貸してくれた人は快くOKと言っていた

って感じです。
次に2003年のニューヨーク大学の研究がご紹介されておりました。
こちらも詳しくは上記の記事をご参照いただければと思うのですが、ざっくりポイントをまとめておきます。

  • 従業員は会社のルールや働き方などの問題について意見があるが、実際に上司に報告していないことが多い。
  • 3番目に多く挙げられた理由として、問題を報告しても何も変わらないと思っているから。

しかし著者によれば、これは大事なポイントが抜けているとのこと。
それは、

  • 相談される側(上司側)の気持ちを考えていない…!

ということです。
上司はOKというよりも嫌だという方が難しいということですね。言われてみれば上司だって嫌だと断ったら部下に尊敬されなくなったりしないか…とか気になっちゃいますよね。
つまり、相談する側・相談される側とお互い同じ理由で、相談しづらい・断りづらいって状況が起きるんですよ。だけど、人間はどうしてもバイアスによって相手の視点が抜けてしまうんで、結果、自分が相談して嫌な顔をされたらどうしよう…ってのだけが先行してしまい相談できずみたいな状況が生まれちゃうみたいですな。
更に抜けているのが、相談された方(上司)が、罪悪感や恥ずかしさから怒るかって問題です。一般的にはむしろ逆で、相談されたってことは信頼されているに違いない…!って思考が無意識に働くんですよ。つまり、相談に応じた人は恨むんじゃなくて相談者に好感を抱くんですよね。
なんで、私たちは助けや相談をするとき、つい自分の感情に集中しすぎる傾向がありますが、他人が私たちをどのように認識しているかについて合理的に判断できていないと思った方が良さそうです。合わせて、人を説得すると敵意が生じるという思い込みも同時に持っているのも意識した方が良さそうですね。

以上から自分が思っている以上に説得力はあるってが理解できたのではないでしょうか…?
そしてこのレビューでは最後に相談するときのコツってのが3つ挙げられていたんですよ。
これを最後にご紹介しておきますね。


相談するときのコツ1:ストレートに言う

相談するときの一つ目のコツは、回りくどい言い方はしないでストレートに言うです。
例えばヒントを省略して間接的に尋ねるなんかはダメとのこと。
どんな感じかと申しますと、

  • ○○さん、この週末の予定はありますか…?私は大きな仕事に取り組む予定なんですよね。あ~あ、誰か助けてくれたらいいのに…。

って感じですね。確かにこれは遠回りに、手伝おうか…?って言わせようとしている感がありますねー。ちょっと嫌だな…。
著者によれば、こういった言い方をする理由は礼儀正しくしつつ相談に同意してくれる可能性が高くなると考えているからとのこと。
しかし実際は、

  • ○○さん、時間があれば週末に私の大きな仕事を手伝ってくれませんか…?

みたいな感じで、ストレートに言った方が良いよ…!ということが多いそうな。
んなこと言ったって難しいよ…って方は一次的サイコパスの能力を身に付けていくとよろしいかと思います。


相談するときのコツ2:繰り返し言う

相談するときの二つ目のコツは、何度も繰り返し言うことだそうな。
例えば以前に相談して、ノーと言った人にももう一回相談してみるって感じですね。
一度ノーって言われて、もう一回聞いてもまたノーと言われる気がしますよねー。それどころか、しつこいな~とか思われて嫌われたらどうしようとか思っちゃいますよね…?
しかし著者の実験によれば、必ずしもそうではないとのこと。
実際に一度目でノーと言うと、その時の断ってしまったという罪悪感が本人に残るそうです。そのため、二度目の相談に対してはイエスという可能性が高まるんだそうな。
確かにこれも言われてみれば、何度も自分を頼って相談にきているのに、にもかかわらず何度も断ったら、嫌われるんじゃないか…とか思っちゃいますよね。やはり他人視点が抜けているんですねー。
因みに無限に言い続ければ良いって訳でもないので、そこんところはご注意を。目安としては4回までですかね。


相談するときのコツ3:ギブアンドテイクを考える必要はない

相談するときの三つ目のコツは、ギブアンドテイクを考える必要はないということです。
私たちは誰かに何かを求める時、代わりに何かを提供しなければならないとつい考えがちですが、著者の調査によれば、人々は無償での要求に応じることが多いとのこと。
なんでかと言いますと、助けるという行為そのものが、もうギブアンドテイクになっているかららしい。では何がギブされているかというと、誰かを助けると人は気分が良くなるというところです。この効果を私たちはかなり過小評価しているそうなんですが、実際はすごいんだそうな。確かに親切の効果はハンパじゃないから納得ですね。



個人的考察

他人視点で物事を考えるってのは、ソロモンのパラドックスを代表するようにネガティブ対策にも超有効な戦法となっております。メタ認知もそうですが、このテクニックは汎用性が非常に高いんで常に意識して使っていきたいですね~。



参考文献