この記事は、当事業所の社内研修で行いたかったが時間の都合上出来なかった内容を載せている物になります。
具体的には認知行動療法マップ(CBTマップ)の「認知行動療法の共通基盤マニュアル」を私なりにまとめたものです。
それでは続きをどうぞー。



認知再構成・認知再構成法

認知再構成(認知再構成法)とは、非機能的な(意味のない)自動思考を客観的に捉え直すことで、気分の改善を図る方法のことを言う。
認知再構成は大きく分けて2つのステップからなる。

  • ステップ1:自動思考に気付けるようになる。自動思考は、ある状況で、その時々の様々な影響を受けて自然にわきおこってくる思考、イメージ、記憶などの事を言う。自動思考に素早く気付けるとネガティブに捕われないで済む可能性が高い。
  • ステップ2:自動思考の検証(と修正)を行う。気付いた自動思考が過度に悲観的、非機能的になっていないかを検証し、別の見方ができないか、別の見方をすると気分がどう変化するか、などをみていく(つまりリアプレイジングをするってことですね)。因みに自動思考そのものを出ないようにしたり、変えたりするのは非常に難しく、それを踏まえた治療法がメタ認知療法などの第三世代の認知行動療法となる。



認知再構成をしやすくする自動思考記録表

自動思考記録表とは、認知再構成を行っていく作業を視覚化(見える化)して取り組みやすくするものである。具体的には以下のような用紙を使う。


特に、厚生労働省が提供している自動思考記録表は、各項目の説明があって使いやすいのでおすすめ(以下からPDFをダウンロード可能)


自動思考記録表は認知再構成の「手段」であり、その運用においては、「自動思考記録表を順番通りキレイに書く」ことが主目的とならないよう注意する(つまり誤字脱字などOK)
また、思いついた考えは、一見ばかばかしいと感じるようなものであっても書いておくとよい。
書いた内容を客観的に捉え直すコツは、以下のような質問を自分自身に行うか、支援者から聞いてみると良い。

【質問:例】
  • 第三者の立場に立ってみる:もし友人が同じような考え方をしていたら、なんと声をかけますか…?
  • 過去や未来の自分だったらどう考えていたか問いかける:元気なときの自分であれば、違う見方をしていたでしょうか…?
  • 以前の経験を踏まえる:以前にも似たような経験はなかったでしょうか…?そのときはどのように対応しましたか…?

また、SFA(ソリューションフォーカストアプローチ)の質問の仕方もコツとして使える。
最後に代表的な認知のゆがみ(ネガティブな思考の偏り)を以下に挙げておく。

  • 感情的決めつけ・恣意的(自分勝手な)推論:自分が「そう感じる」からそれが事実であると思い込み、証拠が少ないのに思いつきを信じ込むこと。例としては、「仕事が忙しいため恋人から数日連絡がない場合にも、「もう嫌われてしまった」と思い込む」のようなパターン。「そう考える根拠はどこにあるのか…?」と考えるなど促し、具体的な証拠に目を向けてもらうようにすると良い。
  • 選択的抽出・心のフィルター:自分が関心のある事柄にばかり目を向けて抽象的に結論づけること。例としては、「健康状態が気になる場合に、身体の不調ばかりに目を向けてしまう」のようなパターン。他に見逃している事実がないかどうかを調べてみるようにすすめると良い。
  • 過度の一般化:ごくわずかな事実を取り上げて、何事も同様に決めつけてしまうこと。例としては、「一度でも失敗すると「何をやってもだめだ」と結論づける」のようなパターン。どういった基準で判断をしているのかを書き出してみると良い。
  • 拡大解釈と過小評価:自分の関心があることは大きく捉え、反対に自分の考えや予測に合わない部分はことさらに小さく見ること。例としては、「気持ちが沈んでいる時にうまく行かなかったことばかりが気になり、成功したことはすぐに忘れてしまう」のようなパターン。「本当にそうだろうか…?」と考えるなど促し、大きく捉えた物を小さく、小さく捉えた物を大きくなるようにすると良い。
  • 自己関連付け:本来自分と関連していないことも、自分が悪いと何でも自分を責めるようなこと。例としては、「チームの仕事がうまく行かなかった時に、本来自分と関わりのない同僚のミスまで自分のせいと思いこむ」のようなパターン。情報を整理し、自分と自分以外の出来事を区別できるよう促していくと良い。
  • 全か無か思考(白黒思考、二分割思考、ゼロイチ思考):物事が曖昧な状態に耐えられず、いつも白黒をつけていないといられないこと。例としては、「わずかなミスがあっただけで物事全てを失敗と捉える」のようなパターン。物事を連続的に捉えるようにし、できていること、できていないことの両方に目を向けるように促すと良い。
  • 自分で実現してしまう予言:自分が否定的な予測を行うことにより行動が制限され、その結果予測が実現すること。さらに予測が革新に発展していくこと。例としては、「誰も話しかけてくれないと引っ込み思案になり他者と距離をとることで、ますます声をかけてもらえなくなる」のようなパターン。やってみてそれから考えるよう促し、まずは行動を促すと良い。
  • レッテル貼り:より合理的な証拠を考慮せず、自分や他者に対して固定的で包括的なレッテルをはり、否定的な結論を出すこと。例としては、「○○はああいう性格だからこうに違いない」のようなパターン。客観的な視点を持てるよう促していくと良い。



個人的考察

以上「認知再構成・認知再構成法」でした。
次回は「スキーマ」をご紹介します…!



参考文献

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/03.pdf