孤独・社会的孤立のデメリットとそのポイントの話、その1その2その3その4その5の続きです。
今回は孤独になると運動量が減るのか、また減る場合、具体的にどのぐらい減るのか見ていきたいと思います。



孤独で運動量が65%減少、2年以内に運動量が61%減少・運動しなくなる可能性が158%増加する…!

2009年のシカゴ大学の研究によると、孤独と普段の運動量について横断研究・縦断研究を行ってみたそうです。
この研究は、スタート時の年齢が50~68歳であり、且つイリノイ州クック郡に住んでいる方を対象に行われたそうで、サンプル数は229人だったとのこと。
調査は3年連続で行われたそうで内容は、

  • 過去14日間で、14種類のエクササイズ又はスポーツ、体を動かす趣味のどれかを行ったか…?
  • 過去14日間で、上記のそれぞれをどれぐらいの頻度で行ったか…?
  • 過去14日間で、上記のそれぞれをどれぐらいの時間(分単位)行ったか…?

といった運動量についてから、

  • 孤独感:R-UCLAと言われる孤独感スケールを用いてチェック。例えば、友人が少ない、周囲の人たちと仲良くできている、といった全20項目の項目を1(全くない)、2(めったにない)、3(たまにある)、4(良くある)の4段階から評価するもの。合計スコアが高い程孤独感も高いとなる。
  • 社会的なつながり:結婚しているやパートナーと同居と別居、離婚、死別、未婚と比較。他にも最低2週間ごとに話をする親しい友人や親戚の数、市民グループやご近所さんグループ(町内会とか)、スポーツクラブなどに所属しているかなどをチェックした。
  • 感情コントロール:気分が良い時を想像してもらいつつその際の感情コントロールについて答えてもらう、気分が悪い時を想像してもらいつつその際の感情コントロールについて答えてもらう、みたいな感じのアンケート34項目を行った。
  • うつ病スケール:過去1週間に体験した憂鬱な感情と行動に関する20項目のアンケートに答えてもらった。
  • ストレススケール:過去1週間のストレスに関する感情や思考についてチェック。例えば、どれくらいの頻度で予期せぬことが起こったためにパニックになりましたか…?のような質問に対して4段階から評価する全10項目のアンケートに答えてもらった。
  • クック・メドレーの敵意スケール:相手をどれぐらい敵だ…!と思うかチェックした。
  • 社会資源利用可能性チェックリスト:社会的つながり支援をどれぐらい利用する可能性があるかチェックする。4段階から評価する全12項目のアンケートに答えてもらった。
  • 自己評価による健康チェック:健康状態は、孤独と運動量の両方に影響を与える可能性があるので、自己評価アンケートに答えてもらった。

といった様々な要因まで幅広くチェックしたみたい。
最後に集まったデータを統計処理した結果がこちら。

  • 横断研究により、年齢や性別、人種、教育、年収、抑うつ症状、ストレス、敵意、社会的支援、自己評価による健康状態といった変数を調整しても、孤独で運動量が65%も減少することが分かった…!
  • 縦断研究により、孤独な場合、2年以内に運動量が61%減少、運動しなくなる可能性が158%も増加することが分かった…!

とのこと。
この結果に研究者も中高年の孤独は、運動不足になる危険な要素だから注意してね…!とおっしゃっておりました。



個人的考察

習慣化には仲間の存在が大事…!って話は良い習慣悪い習慣を問わずポイントなんで、逆に言えば、孤独によりこのような結果が出るのも納得かと思います。
こちらもぜひ気を付けていきたいポイントですね…!



参考文献