今回も引き続き、アダム・グラント教授がLinked inで紹介していた研究を見ていきます。



絵を描いて防衛的悲観主義と戦略的楽観主義を調べてみた…!

1986年のジュリー・ノレム博士の研究によると、防衛的悲観主義と戦略的楽観主義について調べてみたそうです。
この研究は、参加者全員に絵を描いてもらう(集中力と正確さが必要な作業をしてもらう)ようお願いしたんですが、その際、以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. (研究者が参加者の大学の成績を見て)あなたは成績が良いから、今回、良い絵が描けますね…!
  2. 何も言わない(コントロール群)

これを絵を描くという課題の直前に伝えてパフォーマンスに違いが出るのか見てみたとのこと。
結果、上記の声掛けで

  • 戦略的楽観主義の人は14%もパフォーマンスが上がった…!
  • 防衛的悲観主義の人は29%もパフォーマンスが下がった…!

そうです。
防衛的悲観主義の人にとって、この声掛けは、変なプレッシャーになっちゃったって感じですな。自信を高めるどころか逆に不安度がアップし、結果、ボロボロの結果が出てしまったと。分かるな~。



暗算テストで防衛的悲観主義と戦略的楽観主義を調べてみた…!

1993年のジュリー・ノレム博士の研究によると、防衛的悲観主義と戦略的楽観主義における振り返りの効果について調べてみたそうです。
そもそもなぜノレム博士がこのような事を調べてみよう…!となったのかと言いますと、

  • 防衛的悲観主義の人に復習や反省を促したり、自分の目標や進歩状況を振り返るよう伝えるとパフォーマンスとモチベーションがアップするのではないか…?
  • 逆に戦略的楽観主義の人がこれらを行うとパフォーマンスとモチベーションが下がるのではないか…?

って仮説があったからみたいです。
では具体的にどんな感じで調べたのかと言いますと、まず参加者全員に自分が防衛的悲観主義と戦略的楽観主義のどちらに該当するのかアンケートに回答してもらったそうです。
次に暗算テストを受けてもらったそうな。暗算テストは2ケタの数字の足し引きをしていくもので、例えば、15+47–73みたいな問題を頭の中で考えてもらったらしい。
また、じっくり考える機会を与えてみたり、暗算テストの直前に別の課題で気分転換をさせてみたり、暗算テストで起こり得る最悪の結果とそれに対してどう思うかを書いてもらったりもしてもらったそうな。
結果、

  • じっくり考えさせても戦略的楽観主義の人は特にメリットがなかった…。
  • しかし、防衛的悲観主義の人にじっくり考えてもらうとメリットがあった…!
  • 防衛的悲観主義の人に暗算テストの直前に別の課題で気分転換をさせてみるとテストの結果が悪くなった…!
  • 防衛的悲観主義の人に暗算テストで起こり得る最悪の結果とそれに対してどう思うかを書いてもらうとテストの結果が良くなった…!
  • 防衛的悲観主義の人における暗算テストの直前に別の課題で気分転換をさせてみた場合と、暗算テストで起こり得る最悪の結果とそれに対してどう思うかを書いてもらった場合とでは、テストの結果が約25%も違っていた(気分転換の方が約25%も低かった)…!

とのこと。
やはり、防衛的悲観主義の人には不安のメリットを感じられるようにしてあげた方が良さそうですね~。



個人的考察

ということでやはり自分に合った戦略で行った方が良さげですねー。



参考文献

https://psycnet.apa.org/record/1987-13154-001
https://psycnet.apa.org/record/1994-33493-001