前にも書きましたが、過去の支援の経緯から完全に個人的興味で線維筋痛症を定期的に調べております私。
同じ症状の方をまた支援する可能性もありますし、当ブログをお読みの方で線維筋痛症の方がいるかもしれませんので、ちょこちょこチェックしている内容をご紹介しておきます。



線維筋痛症の症状改善には野菜メインの食事が良さそう…!

2021年のエルチェ・ミゲル・エルナンデス大学など系統的レビューによると、線維筋痛症にベジタリアンやビーガンが有効なのか調べてみたそうです。
そもそも線維筋痛症ってのは、慢性疼痛の一種で生活の質に悪影響を及ぼす病気であり、発症者のほとんどが女性となっております。そして現時点では、有効な治療法は見つかっていないといった感じです。
そんな難しい病気である線維筋痛症なんですが、実は体内炎症と強い相関関係があることが分かっております。
そのため、グルタミン酸(例:味の素)などの炎症を誘発する栄養素を多く含む西洋スタイルの食事を食べると線維筋痛症の症状が悪化してしまうんですよね。それに対してベジタリアンやビーガンなどの野菜メインの食事は抗酸化物質・抗炎症物質が豊富に含まれていますんで、線維筋痛症の症状を改善するのに役立つ可能性があるんですよ。
ってことで、実際どうなのか…?を研究者は調べてみたのが今回の研究になります。

まず研究者たちは、2021年1月20日までに発表されている線維筋痛症とベジタリアン・ビーガンの研究を検索して見たそうな。因みに今回使用したデータベースはPubMed、Scopus、Web of Scienceだったとのこと。
結果、88件の研究がヒットしたそうで、そのうちの33件が重複しており除外、また残りの56件の研究のうちの38件は要件を満たしていなかった(関係ない研究27件、線維筋痛症以外の疾患6件、書籍や章に記載2件、特許1件、議事録2件)ので更に除外したんだとか。
結局残ったのが18件の研究だったんですが、そこから全文をチェックしたところ、12件がベジタリアン・ビーガン以外の食事介入だったためこれらも除外。
最終的には6件の研究がピックアップされたそうです。6件の研究の内訳は臨床試験4件、コホート研究2件だったそうで、介入群と​​対照群の両方に157人の線維筋痛症患者さんがいたとのことでした。因みに女性は117人以上だったということでやはりほとんどが女性だった様子。
追跡期間3週間~7か月の範囲だったそうで、ビーガン食やラクト・ベジタリアン・ダイエット(ベジタリアン向けに改良された地中海式ダイエット)なんかが実践されていたらしい。また2件の臨床試験では食事介入にプラスして理学療法もやっていたそうな。
これらをまとめてみた結果、ベジタリアン・ビーガンを実践すると、

  • 線維筋痛症の症状が改善した…!
  • 安静時の痛みが減った…!
  • コレステロールが改善した…!
  • 体内炎症が改善した…!
  • 体重(体組成)が健康的になった…!
  • 睡眠の質が上がった…!
  • うつ病が改善した…!
  • QOL(生活の質)が改善した…!

とのこと。良い感じですね~。
因みに研究者によれば、食事介入だけでなく他の治療と組み合わせると、もっと良いと思うよ…!ってことでした。

ではなぜベジタリアン・ビーガンといった野菜メインの食事が効果があったのかですが、やはり、高い栄養素のおかげっぽいです。ご存知の通り野菜には豊富な食物繊維やビタミン(ビタミンCやビタミンEなど)、ミネラル、レスベラトロール、ポリフェノールが入っており、たくさんの抗酸化物質・抗炎症物質も入っております。それらが線維筋痛症の症状改善に役立ったみたいです。
またBMIが高い程、線維筋痛症の痛みが強くなるみたいでして、体重と体脂肪を減らすことが非常に重要になってくるみたいなんですよ。そしてそこにも野菜が一役買っているのが線維筋痛症の症状改善の理由みたいです。
つまり野菜メインの食事により、体内炎症の改善と体重減少のダブル効果が働き、結果として線維筋痛症の症状が改善したみたいなんですよね。

但し、この研究には弱点もございまして、

  • 研究が6件しかない…!
  • 6件の研究のうち、3件しか対照群を設置していない…!
  • 二重盲検で行った研究がない…!
  • 1件ずつの研究の線維筋痛症患者さんは10~35人しかいなく、サンプル数が少ない…!

って感じで、まだまだ今後の研究に期待…!といったところです。



個人的考察

ベジタリアン・ビーガン食は野菜果物ナッツ類、きのこ類、豆類、全粒穀物を食べておりますんで、今後動物性の物は一切食わん…!とまでは行かずとも、腸内環境を意識していくことはしておいて損はないのかな~と思います。



参考文献