親切の代表的な例としてボランティア活動がございます。
今回はボランティア活動から親切のメリットを見ていきたいと思います。



親切(ボランティア活動)で寿命が延びる…!但し動機が大事…!

2012年のミシガン大学の研究によると、高齢者のボランティア活動と動機、その効果について調べてみたそうです。
この研究は、普段からボランティア活動をしている高齢者約1万人を対象にした縦断研究でして、ボランティア活動をする動機とその後の死亡リスクの変化についてチェックしてみたとのこと。因みにボランティア活動の動機についてはアンケートでチェックしたそうな。
実験期間は4年間で、集められたデータは年齢や性別、経済状況、身体的・精神的・認知的健康状態、健康リスク行動、性格、受けた社会的サポート、実際のボランティア活動の内容などの変数を調整しつつ、統計処理したそうです。
結果、

  • 先行研究同様、やはりボランティア活動をしていた人は、そうでない人に比べて、4年後の死亡リスクが低かった…!その差は約2.5倍…!
  • 特に定期的且つ頻繁にボランティア活動を行っていた人ははっきりと死亡リスクが低かった…!
  • んがしかし、自己中心的な理由でボランティアをしていた人は、ボランティアをしていない人と同様の死亡リスクがあった…!
  • 他の理由でボランティアをした人は死亡リスクが減少していた…!

とのこと。
つまり、ボランティア活動は確かに寿命を延ばすけど、そこには動機が大事で、自己中じゃダメ…!他人の為にしたいという気持ちが大事…!ってことですね。



親切(ボランティア活動)は寿命が延びるだけでなく、加齢による機能低下の減少やうつ病の改善、認知症リスクの低下など心身+脳にも良さそう…!

2014年のロットマン研究所などレビュー論文によると、高齢者がボランティア活動を行うことにより、加齢による機能低下や認知症リスクを軽減できるのか調べてみたそうです。
まず研究者たちは、データベースを用いて高齢者のボランティア活動におけるメリットを調べた先行研究をチェック。結果、113件の研究がヒットし、そのうちの73件をピックアップされたとのこと。
その研究の中の横断研究や縦断研究、RCTのデータを見てみると、一貫して、

  • ボランティア活動は、うつ病の症状の改善、自己申告による健康状態の改善、機能低下の減少、死亡リスクの低下と関係していた…!

とのこと。
やっぱり親切は心身ともに健康になり、寿命も延びるみたいですな。
その理由は、ボランティア活動を行うと社会的関係や身体活動、認知活動が増加するからみたい。確かにボランティア活動は集団でやるのが普通ですし、ゴミ拾いとか歩いたり体を動かしますもんね。また、ボランティア活動の予定を覚えたり、手順やルールなんかを聞いたり覚えたり、理解したり、実際行ったりするんで認知機能も使うでしょうな。
そのため、研究者曰く、

  • ボランティア活動の機能改善効果は、認知症リスクの低下と関係しているだろう

としており、なかなか期待して良さそうな感じです。



個人的考察

やっぱり親切は他人の為にも自分の為にもした方が良さそうです。
但し、注意点もありますんでその辺を詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。




参考文献