線維筋痛症の話の続きです
今回は、発症率についてかなり詳しく調べた研究をご紹介しておきます。



系統的レビュー・メタ分析で調べた線維筋痛症の発症率

2017年のマザンダラン医科大学の研究によると、線維筋痛症の発症率について系統的レビュー・メタ分析で調べてみたそうです。
まず研究者たちは、線維筋痛症の発症率に関する先行研究をデータベースで検索し、次に質の高い研究をピックアップしていったそうな。結果、65件の研究が選ばれたとのこと。
65件の研究の総サンプル数は3,609,810名だったそうで、この中で線維筋痛症の発症率に関する証拠は81件あったそうな。
それらから発症率に関する共通点などをまとめていった結果、以下のようになったそうです。

  • 一般的な方が発症する可能性は1.78%(1.65~1.92)だった。
  • 女性の方が発症する可能性は3.98%(2.80~5.20)だった。
  • 男性の方が発症する可能性は0.01%(-0.04~0.06)だった。
  • リウマチ科や内科を受診する患者さんが発症する可能性は15.2%(13.6~16.90)だった。
  • 過敏性腸症候群(IBS)の患者さんが発症する可能性は12.9%(12.70~13.10)だった。
  • 透析を行っている方が発症する可能性は6.30%(4.60~7.90)だった。
  • 2型糖尿病患者さんが発症する可能性は14.80%(11.10~18.40)だった。

つまりここから何が分かるのかと言いますと、

  • やはり女性の方が男性よりも発症率が高い(およそ400倍)
  • インスリンに問題がありHbA1c(血糖値)が高めだと発症率も高まる
  • 腸内環境が悪くても発症率は高まりそう
  • リウマチとの関連性も高そう

って感じではないでしょうか。



個人的考察

ということで従来から言われておりました、女性に多い病気・発症率は世界で約0.5~2%ってのはやはり正しそうな感じです。



参考文献