じゃあ、ヘム鉄はレッドミートに多く含まれる鉄分だからレッドミートでがんリスクはアップするの…?って疑問が生じます。
ここんところを調べた研究を今回みていきたいと思います。



赤身肉とガンの種類別の関係を見てみた…!

2000年のマリオネグリ薬理学研究所の研究によると、赤身肉の摂取とガンの関係について調べてみたそうです。
この研究はイタリア北部で行われたデータセットを用いたもので、期間は1983年~1985年にスタートし、1996年6月まで(乳がんと結腸・直腸がんは1991年まで)だったとのこと。
データは教育や病歴、喫煙の有無、アルコールやコーヒーの消費量などの変数は調整済みだそうで、参加者にはアンケートを用いて食生活を回答してもらったそうな。
アンケートは、各食品の週の消費量を答えてもらう物だったらしく、約40種類の食品から選択して選んでもらったらしい。その中には、1週間当たりの赤身肉(牛肉・豚肉)の消費量を答えてもらう質問もあったそうです。因みに缶詰のお肉と保存肉は省かれていたそう。
んで、まず種類別のガン発症数についてチェックすると、

  • 口腔がん・咽頭がん・食道がん:497人
  • 胃がん:745人
  • 結腸がん:828人
  • 直腸がん:498人
  • 肝臓がん:428人
  • 胆のうがん:60人
  • 膵臓がん:362人
  • 喉頭がん:242人
  • 乳がん:3,412人
  • 子宮体がん:750人
  • 卵巣がん:971人
  • 前立腺がん:127人
  • 膀胱がん:431人
  • 腎臓がん:190人
  • 甲状腺がん:208人
  • ホジキンリンパ腫:80人
  • 非ホジキンリンパ腫:200人
  • 多発性骨髄腫:120人

だったそうです。
ここから、赤身肉の摂取量が最も多い週7回以上食べる人のグループと、最も少ない週3回以下しか食べない人のグループを比べてみると、ガンとのオッズ比が、

  • 胃がん:1.6
  • 結腸がん:1.9
  • 直腸がん:1.7
  • 膵臓がん:1.6
  • 膀胱がん:1.6
  • 乳がん:1.2
  • 子宮体がん:1.5
  • 卵巣がん:1.3

って感じだったらしい。因みに診断時の年齢や性別に有意差はなかったそうです。
逆に赤身肉と関係なかったガンは、

  • 口腔がん・咽頭がん・食道がん
  • 肝臓がん
  • 胆のうがん
  • 喉頭がん
  • 前立腺がん
  • 腎臓がん
  • 甲状腺がん
  • ホジキンリンパ腫
  • 非ホジキンリンパ腫
  • 多発性骨髄腫

だったそうです。



個人的考察

これらをみると、赤身肉とガンは種類によってリスクがかなり違いそうな感じ。どう捉えるかはかなり難しいんですが、個人的にはたまに食べるぐらいなら良いんじゃないかな~と思う次第です。



参考文献