【まとめ】発達障がいの方のパニック防止に役立つ問題解決技法「SOCCSS(ソックス)法」の使い方
SOCCSS(ソックス)法ってなに…?
SOCCSS(ソックス)法は1995年にJan Roosaが考案した方法をもとにカンザス大学ブレンダ・スミス・マイルズ(Brenda smith myles)が開発した方法です。教育場面におけるアスペルガー症候群の子どもたちのパニック防止を目的に開発したそうですが、問題解決技法(問題解決療法)としては子どもやアスペルガー症候群、今でいう自閉症スペクトラム障がいの方以外でも問題があれば普通に効果がある方法だと思います。
SOCCSS(ソックス)法の手順
ソックス法は以下の手順で行っていきます。S(Situation)状況把握
5W1Hで問題の明確化を行います。パニックになっているときは、時系列や順序がごちゃごちゃになっている場合が多く、まずは状況を整理していかないと問題の対策を考えられませんし、パニック側と支援者側で情報にズレがでてしまう場合もあります。
O(Options)選択肢
今日からできる解決法をばかばかしいものを含めて出していきます。まずは数をたくさんだしてもらうことです。できないことできることなんでもいいし、どんな小さなことでもOKです。もしこの方法を大人に使う場合はプライドなどが邪魔してかっこいい選択肢だけを挙げるときがあるので支援者側から先にハードルを下げた選択肢をだしてあげるのが良いと思います。
C(Consequences)結果予測
上記で挙げた選択肢の中から達成できるものかリスクはどうかを考えていきます。この時選択肢の数が少ないと困るのでいっぱい挙げておきましょう。もし、少ない場合は選択肢を考え直すのもありです。
C(Choices)選択判断
解決方法に順位をつけていきます。生まれ変わったり、一発逆転を狙ってハイリスク・ハイリターンを選ぼうとする場合もありますが、まずは手堅く、ローリスクで達成できるものを選ぶことをオススメします。
S(Strategies)段取り
具体的な実行計画を立てます。計画は完璧なものをつくるのではなく達成しやすいものでリカバリーのきくものを作るのがポイントです。
S(Simulation)事前試行
再考したり、他者の意見を聞いたり、ロールプレイを行ったり、イメージトレーニングをしたりしてお試ししてみます。実際やってあれ違うとなったら修正です。特に他者の意見は参考になるため、本人のこだわりと調整しながら取り入れ修正するといいものができると思います。
もしExcelやPDFでみられない方は下記の画像をご覧ください(クリック又はタップで拡大されます)
http://www.nivr.jeed.or.jp/center/report/list.html
http://www.nivr.jeed.or.jp/download/center/support08.pdf
http://www.nivr.jeed.or.jp/download/center/practice17.pdf
まとめ
SOCCSS法は認知機能(情報の受信→判断→送信の機能)を言語化(見える化)することで処理過程を理解し、問題解決に係るスキル向上を目指せるといった形です。つまり、簡単にまとめると、問題が起きたら整理して簡単に達成できてリスクの少ない方法を計画にのっとって行いつつ、事前・事後に他人から見てどうだったかアドバイスをもらうといった感じですね。「今日からできる解決法をばかばかしいものを含めて出す」というのはハードルが低い感じがしてかなりいいのではないかと思います。SOCCSS(ソックス)法を使って問題解決技能トレーニング(問題解決技能訓練)を行ってみよう…!
それではSOCCSS(ソックス)法を使って問題解決技能トレーニング(問題解決技能訓練)を行ってみましょうか。
SOCCSS(ソックス)法を実践・トレーニングしたい場合は、障害者職業総合センターの「発達障害者のための問題解決技能トレーニング」のシートがオススメです。
上記のリンクからダウンロードもできるんですが、メンドイ…!って方は下記からどうぞ。
但し、こちらのワークシートは一つ難点がありまして、結構書くのが大変なんですよね。
本格的に行うならまずこちらを使った方が良いのは間違いないんですが、慣れないと結局やらなくなってしまうんですよ…。つまり支援で行う分には良いんですが、実際に自主的に行うとなると面倒でやらなくなってしまうみたいな感じです。
その為、私は上記を簡略化したバージョンを作って使っております。お使いになりたい方は下記からどうぞ。
PDFでみられない方は下記の画像をお使いください(クリック又はタップで拡大されます)
それでは最後に書き方例をバーッとご紹介しておきます(以下全てクリック又はタップで拡大されます)
例1:ICカードのチャージを忘れた…!
例2:朝起きられない…!
例3:初めての作業で困った…!
例4:何度もミスしてしまう…!
例5:失敗した気持ちを引きずってしまう…!
例6:携帯電話がない…!
例7:勝手な行動で怒られた…!
例8:あいさつ出来ない…!
個人的考察
パニック防止を事前に防ぐ方法としてはなかなかいいのではないかと思います。但し、いったん問題が発生したりパニックになってしまうと始めのS(状況把握)はなかなか難しいように感じます。というのも、状況の把握をして問題の明確化をするにはメタ認知(客観視)ができていないと難しいと思うので…。対策としては落ち着いてから振り返って行うか、冷静な他者に協力してもらうのがいいのではないかと思います。また、今後詳しく書きたいと思いますが、問題が発生しそうなところを事前に把握しておいてSOCCSS法で防止し、実際にネガティブなことなどが起きてしまった時は別の方法・対策をしておくと効果的なのではないかと思いました。参考文献
https://books.google.co.jp/books?id=PKx3vHJY8Y0C&pg=PA108&lpg=PA108&dq=brenda+smith+myles+soccss&source=bl&ots=GPtebpAv1l&sig=ACfU3U3t50OxavSbH5eyI4tPpQrkW-losg&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwi_j5SJos_lAhW9xosBHZ-FBecQ6AEwAXoECAYQAQ#v=onepage&q=brenda%20smith%20myles%20soccss&f=falsehttp://www.nivr.jeed.or.jp/center/report/list.html
http://www.nivr.jeed.or.jp/download/center/support08.pdf
http://www.nivr.jeed.or.jp/download/center/practice17.pdf
https://www.nivr.jeed.go.jp/center/report/list_support.html
https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/index.html
https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/index.html
リンク