今回は精神の方がよく悩む部分である人に好かれる・嫌われるについて考えていきたいと思います。


全員に好かれることはない。全員に嫌われることもない

人に好かれたいかと聞かれるとほとんどの人が「好かれたい」というと思います。また、人に嫌われたいかと聞くとほとんどの人が「嫌われたくない」というと思います。
当たり前だと言えば当たり前ですが、じゃあ、皆が皆、他人に好かれたいと思い、嫌われたくないと思っているのにどうして好かれないことがあるのか?そして、どうして嫌われるのか?としっかり考える人や対策を出している人は少ないのではないでしょうか?
また、嫌われないよう努力しているのになぜか嫌われることはないでしょうか?
まず、結論から書くと、

  • 全員に好かれることはない。全員に嫌われることもない
  • 誰にも嫌われない=誰にも好かれない

ということを、認識するのが第一歩だと思います。
万人に好かれる、全員に好かれるのは理想ですが、理想郷を追い求めすぎると結果、嫌われて悩む原因になります。

うちに通所している利用者、特に精神障がいの方はその傾向が強く、口では嫌われるのが平気だと言っていても実は認識不足で心の中では絶対に嫌われたくないと思っている人が多く、結果、悩んだり、嫌われたくないのに嫌われるような言動や行動をしてしまうなんてことが起こっています。

まずは、全員に好かれることはない、全員に嫌われることもない。そして、誰にも嫌われないということは誰にも好かれないということをしっかり府に落としてみることが必要です。

2000年前の話で今にも伝わるキリスト教の聖書にでてくるあのイエス・キリストですら12使徒ユダに裏切られる、つまり、嫌われていますし、全員に好かれるとは桃源郷で実際は無理なのだと思います。



研究でも嫌われる対策は難しいとでている

これだけだとエビデンスがないので2012年のドレスデン工科大学の研究をみてみると、

  • 皆から好かれる部分は共通していた
  • 皆から嫌われる部分は共通していなくたくさんあった

という結果だったそうです。
このことからも分かる通り、好かれる部分は対策できそうですが、嫌われないように対策するのは理由が多すぎて対処できないと言えると思います。



じゃあどうすべきか?

じゃあ、どうしたらいいの?って声が聞こえてきそうなのでまとめると、共通した好かれることを伸ばすように対策・努力し、嫌われることについては理由が多すぎて対処できないので対策・努力しない(できない)とすることが大事だと思います。
好かれる長所を伸ばそうってことで、なんか身もふたもないような結論ですいません(笑)

とはいえ、嫌われるのはやっぱりつらいのでそういったことをスルーできるスルースキルについて伝えていこうと思っていますが、それはまた別の話で…。


参考文献

https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1948550612462414