【まとめ】何も考えないと脳がフルスロットルで動くという不思議なお話「デフォルトモードネットワーク」入門
今回はこの何も考えないメリットについてご紹介します。
これを読んだあなたはきっと何も考えない時間を欲するはず…!(笑)
何も考えないと脳がフルスロットルで動く…!
2001年のワシントン大学の研究によると何も考えないでいるとデフォルトモードネットワーク(DMN)が起動し脳がフルスロットルで動くんだとか。逆に何かを考えている時は脳の特定の部位しか動かないみたいでこのような現象は起きないみたい。つまり、何も考えていないときは脳全体が一番活動していることになります。これは目から鱗なお話し…!
因みに何も考えないでデフォルトモードネットワークが起動すると、
- 問題解決能力がアップ…!
- 記憶の定着がアップ…!
- 価値判断がアップ…!
- 正しい判断をする確率がアップ…!
- 良いアイディアを作れる可能性がアップ…!
というすさまじい効果のオンパレードがあったそうな。
こりゃ意識的に何も考えない時間を作らにゃ損ですぜ…。
休憩中も脳はバックグラウンドで続きを勝手にしてくれる…!
2013年のカーネギーメロン大学の研究によると、まず初めに、33名の参加者を集めまして、意識的や無意識など色々なパターンで意思決定をしてもらったそうです。また、その際の脳の様子をfMRIで確認したそうな。
結果、分かったこととしては、人の脳は無意識時にも情報を処理していたそうです。つまり、仕事や勉強の合間に休憩に入っても、脳はバックグラウンドで続きを勝手にしてくれているってことですね。
因みに脳にバックグラウンドで続きをしてもらうコツは、バックグラウンドでしてもらいたい作業内容となるべく違った内容をすると良いらしい。
例えば、
- 単語を覚えた→筋トレ
- 計算問題を行った→雑草取り
- 文章の校正→掃き掃除
- 会議に参加→お菓子の食べ比べ
但し、人によってプラスにもマイナスにも働く場合があるみたい
ここまで、読むと、よっしゃ…!無意識になるぜ…!って思いたくなるんですが、一つ注意事項がございまして、無意識に色々脳が勝手に行うってのは人によってプラスにもマイナスにも働く場合があるみたいなんですよ。
例えばプラスに働いているときは全く問題ないのですが、嫌な事とかを脳が無意識に考えていたりする場合もあるんですよね。つまり、自動思考ですね。更にそこをループして考えるとさー大変。いつまでも考え続けてしまいます。いわゆる反芻思考と言われるもので、この流れを認知的反応性と言うんですが、この深みにハマるとなかなか抜け出せなくなってしまうんですよ…。
一方でマインドワンダリングのところで紹介した通り、現実世界で、意識的にマインドワンダリングを起こすとメリットがたくさんあるんで、この当たりを一括りにして行わないようにするのももったいない感じ。
なんで、あらかじめ、時間などを決めて意識的に無意識になる…!ってのが一番良いような気が致します。更に先程のコツも合わせるなら、無意識になるための場所や休憩の仕方なんかはなるべく違ったことをするって感じでしょうか。
無意識をするために意識的に戦略を練って無意識になるっていう、なんだか分かりづらい感じなんですが(笑)、まぁ、しょうがないですね~。
デフォルトモードネットワーク領域を制限すると創造性機能が低下した…!デフォルトモードネットワーク領域以外を制限しても創造性は変化しなかった…!
2022年のテルアビブ大学の研究によると、デフォルトモードネットワークと創造性の関係について調べてみたそうです。意外にもデフォルトモードネットワークと創造性の因果関係はまだ証明されていなかったんだとか。
この実験は、脳の言語領域の近くに脳腫瘍が出来てしまった患者さん22名を対象に行ったもので、この中で13名のデータが最終的に使えたとのこと。
まず研究者たちは脳腫瘍を取り除く手術の前に、全員の脳をfMRIでスキャンし、それぞれのデフォルトモードネットワーク領域をマッピングしたそうです。また合わせて手術前に患者さんの言語機能や認知機能が損なわれていないかもチェックしたそうな。
そして脳腫瘍の切除手術の際、外科医が電気刺激で大脳皮質をマッピングできるよう、患者さんは起きていなければいけなかったそうです。因みに電気刺激により、脳の特定の領域は短時間抑制されるんだとか。
んで、実際の手術中に患者さんには創造性テストを受けてもらったそうです。創造性テストは、ある物について通常の使い方以外の別の使い方を考える(例:レンガの別の使い方を考えるなど)というものでして、拡散的思考をチェックする王道の方法となっております。
その際に外科医がマッピングしていたデフォルトモードネットワーク領域に電気刺激を行い、一時的に機能を抑えてみたそうです。
すると、
- 患者さんの創造的なアイディアを考える能力が一時的に停止した…!
とのこと。
例えば、ある一人の患者さんはタイヤについて多くの別の使い方を思いついたそうです(クッションや庭の噴水、ジュエリーの一部として使えると思いついた)。しかし、デフォルトモードネットワーク領域に電気刺激を行い、一時的に機能を抑えてみると、鉛筆の新しい使い方を全然思いつけなくなってしまったらしい。
また、デフォルトモードネットワーク領域以外を電気刺激で一時的に機能制限しても、創造性は変化しなかったそうです。
この結果から研究者曰く、
- デフォルトモードネットワークと創造性の因果関係を証明した最初の研究だ
としています。
ということでまとめると、
- マインドワンダリングとクリエイティブ性は関係アリ
- デフォルトモードネットワークとマインドワンダリングは関係アリ
- デフォルトモードネットワークとクリエイティブ性は関係アリ
となりました。
おそらく、流れとしては、
- マインドワンダリングが起こる
- デフォルトモードネットワークが起動…!
- クリエイティブ性がアップ…!
って感じなのかな~と思います。
個人的考察
これらをみるに、インターリービング・スリープやポモドーロ・テクニックなどとにかく休憩の大事さは侮れない感じです。仮に休憩が取れない場合でも、複雑な作業から単純作業、又は、単純作業から複雑な作業に切り替える方法とかでも良さそうな感じがします。
因みに私は以前に書いた通り、コピー機で会議資料なんかを大量に印刷したり、ホチキス止めをしまくったり、シュレッダー作業なんかを複雑な作業の間に挟んでいたりします。
それとシングルタスクを上手く利用して考える時間と何も考えない時間を意識的に交互に配置して仕事や勉強など行うと超効率的に進むことができると思います。
ね、明日から何も考えない時間を作りたくなったでしょう…?