皆さん一度はこの話聞いたことがありませんか…?

  • 夜食べると太る…。

これ、私も信じていたんですが、どうやら違うみたいなんです…。
今回はそんな内容です。



食べる時間を変えても概日リズムに大幅な変化はなかった…!

1987年のキエーティ大学の研究によると肥満女性に参加をお願いして、食事をとる時間と体重の変化をみたとのこと。結果、概日リズム(体内時計)はそんなに変化しなかったそうです。ご存知、概日リズムの狂いは肥満になる可能性を大幅に高めます。それがそんなに変わらなかったのなら1日のうちどのタイミングで食べようと関係ない可能性がありますよね。



朝食を食べず夕食に多く食べた方が痩せた…!

1992年のヴァンダービルト大学の研究によると肥満の成人女性52人を対象に以下の2グループに分かれて食事を取ってもらったそうです。

  1. 朝食なしグループ:昼夜の1日2食
  2. 朝食ありグループ:朝昼夜の1日3食

更に、両グループの摂取カロリーは同じにしたということ。つまり、必然的に朝食なしグループの昼と夜の食事の摂取カロリーは多くなっております。
期間は12週間で、結果は、

  • 普段朝食を食べる人が朝食をなしにすると8.9kg痩せた…!
  • 普段朝食を食べる人が朝食の治療を行ったら6.2kg痩せた…!
  • 普段朝食を食べない人が朝食をありにすると6.0kg痩せた…!
  • 普段朝食を食べない人が朝食の治療を行ったら7.7kg痩せた…!

ってことで、普段朝食を食べる人が食べなくなったり、逆に普段朝食を食べない人が食べるようになると痩せやすいみたい…。更に朝より夜に多く食べた方が痩せたとのこと。



夕食をたくさん食べた方が朝食をたくさん食べるよりも体脂肪が減った…!

1997年の米国農業省の研究によると10人の女性を対象に朝食をたくさん食べるグループと夕食をたくさん食べるグループに分かれて、体重や体組成、代謝などにどのような影響をもたらすのかを調べたそうです。
具体的には、

  1. 8時から12時までの間に総摂取カロリーの70%を食べる
  2. 16時30分から20時30分までの間に総摂取カロリーの70%を食べる

といった感じ。
どちらのグループも総摂取カロリーを1,911kcalぐらいに調整したそうで、期間は6週間だったとのこと。
結果、

  • 夕食をたくさん食べたグループの方が、朝食をたくさん食べたグループよりも体脂肪が減っていた…!
  • 朝食をたくさん食べたグループの方が、体重が減っていた…!しかし、それは筋肉量が減少しているからだった…。

そうです。
因みに体脂肪は、

  • 朝食をたくさん食べたグループ:2.9kg減った…!
  • 夕食をたくさん食べたグループ:3.7kg減った…!

って感じだったそうですが、これは統計的にはほとんど違いはないとのこと。
理由については、よく分からないみたいですが、成長ホルモンが関係していそうということです。なんでも、普通、成長ホルモンの分泌は入眠から1〜2時間後ぐらいに開始するそうで、その際に夕食をたくさん食べていると、体内のタンパク質量などが多く、結果、筋肉の減少が防げるのではないか…?という考えらしい。これは以前に紹介したホエイプロテインを20g以上飲んでもメリットがあるよ…!って話にも通じますね。
サンプル数が少ない小規模実験ですが、やはり夜食べても特別太ることはなさそうですし、どころか、痩せやすい可能性すらある…!って感じですね。



夜しか食べなくても大幅に痩せたし、活動パターンも変化がなかった…!

2007年のハシミテ大学の研究によると、ハシミテ大学に在籍するイスラム教徒の女性大学生57人を対象に、2004年10月のラマダン中(ラマダン:朝から日没まで何も食べずに過ごすこと。つまり断食のこと)の体組成を調べたそうです。具体的には、体重や脂肪率、筋肉量、水分率、BMI(ボディマス指数)を計算したとのこと。
また、ラマダンに入る前とラマダン中のエネルギーや炭水化物、タンパク質、脂肪、糖の摂取量を評価するために3日間の食事記録を使ったらしい。同じく身体活動パターンもラマダン前とラマダン中の3日間の活動日記から見たそうです。
んで、気になる結果は、

  • ラマダン中に大幅な体重減少があった…!
  • にもかかわらず、エネルギーや炭水化物、タンパク質、脂肪、糖に変化はなく、全体的な活動パターンも同じままだった…!

ってことで、夜しか食事をしていなかったのにもかかわらず、体脂肪は減り、筋肉量は減らなかったそうです。



午後10時までに食事を終わらせ、それ以降は食べないと良い…!

朝食や昼食と同じように夜食べても良いとはいっても、夜中にガンガン食べまくるのはやっぱいけません。
では、夜何時までに食べ終わると良いんでしょうか…?
2015年のペンシルベニア大学の研究によると、睡眠不足のダメージを減らせる良い方法がないか調べてみたそうです。
この研究は21~50歳までの44名の方を対象としておりまして、まずは全員に、日中は好きに食べたり飲んだりしてもらいつつ、1日4時間睡眠をしてもらったそうな。
4日目の夜(睡眠不足)になったところで、以下の2グループに参加者を分けたらしい。

  1. 夜食禁止グループ:午後10時~午前4時は夜食を禁止し、水しか飲めない(24名)
  2. コントロールグループ:自由に食べたり、飲んだりできる(20名)

合わせて毎晩午前2時に、全員の記憶力、認知機能、眠気、ストレスレベル、気分なんかをチェックしたとのこと。
4日目の夜にグループを分けた結果、どうなったかと言いますと、

  • 夜食禁止グループはコントロールグループよりも、反応速度と注意力のパフォーマンス低下が低かった…!
  • コントロールグループは最初の3日間と比較して、4日目は明らかに反応速度と注意力が低下していた…!

そうです。
つまり、午後10時以降に食事をしないと睡眠不足による反応速度と注意力のパフォーマンス低下を防ぐことができる…!逆に午後10時以降も食事をすると睡眠不足による反応速度と注意力の低下が増す…!ってことですね。

因みに同じ研究チームの2013年の研究によると、日ごろから寝る時間が遅く、慢性的な睡眠不足に陥っている人は、夜中に高カロリー食を食べることが多く、結果、太る可能性が高いそうです。1日4時間睡眠だとカロリー摂取量が20%も増えた…!なんて話もありますし、気を付けていきたいですね~。



個人的考察

上記をみると、どうやら朝食や昼食よりも夕食を多く食べると太るってのは間違いみたいです。むしろ夜食べた方が痩せるって感じみたいでこれを知った時はビックリしました…。
結局、朝食べようが昼食べようが夜食べようがあんまり違いはないみたいで、1日の総摂取カロリーが高ければ消費されなかった分は脂肪になりますし、低ければ脂肪が分解され痩せるっていう当たり前な話です。
それよりも脳を暴走させる加工食品(オメガ6脂肪酸トランス脂肪酸とか)や清涼飲料水を避けて、脳のセットポイントを正常化していくことが大事だと個人的には思います。また、カロリーの質を気にするのも効果的かと…。

但し、夜中に食べればやっぱ太りますんで、食事は夜10時までに済ませておいた方が良さそうです。そのため、以前に紹介したキウイフルーツ白米なんかの睡眠の質を上げる効果があるものも午後10時までに食べ終わると良いと思います。
寝る前に食事をするのは睡眠の質が下がるんで、睡眠不足とセットで気を付けていきたいですねー。