はじめに結論から申しますと、野菜を食べようって話を今からしようとしていまして、でも注意事項があるよ~っていうのも書きたいと思っております。
ここでもう結論聞いたからお腹いっぱいって方は別のブログをご覧ください(笑)



野菜は食欲を抑え太りにくくしてくれる…!

2000年のローザンヌ大学の研究によると食物繊維は食欲を抑えてくれる効果があるんだとか。また2000年のテキサス大学の研究によると食物繊維を毎日取ると太りにくくなったそうです。やっぱ体型維持、ダイエットには野菜は外せないですね~。他にも葉物野菜や食物繊維が豊富な炭水化物はストレスに効くのでやはり積極的に摂取していきたいところです。



ダイエットを単純化したいなら「アレの消費量を多くする…!」だけ意識しよう…!

2015年のアメリカ内科学会RCTによると、ダイエットで1つだけ食事の方法を変えたプログラムとアメリカ心臓協会(AHA)の食事ガイドラインを比較してみたそうです。参加者はメタボ体型の成人240名で、実験期間は12ヶ月だったとのこと。
アメリカ心臓協会の食事ガイドラインはかなり項目があるらしく、なかなか守るのが大変みたいです(例えば、大量の野菜や果物を食べろとか、食物繊維は1日30g摂取、炭水化物は全体の50〜55%、タンパク質は全体の15〜20%、脂肪は全体の7%以下、砂糖塩アルコールは最小限のみ、コレステロールは1日300mg以下、総摂取カロリーは普段のマイナス500〜1,000kcalみたいな感じ)
んで、アメリカ内科学会がいうダイエットで1つだけ食事の方法を変えたプログラムってのは、

  • 食物繊維の消費量を多くする…!

これ一つのみだったそうな。
これを12ヶ月試して体重変化を見たそうです。
気になる結果は、

  • アメリカ内科学会グループ:-2.1kg痩せた…!
  • アメリカ心臓協会グループ:-2.7kg痩せた…!
  • アメリカ内科学会グループのダイエット脱落者が12人(9.9%)だった…!
  • アメリカ心臓協会グループのダイエット脱落者が15人(12.6%)だった…!
  • アメリカ内科学会グループの試験中に糖尿病を発症した人数は7人…!
  • アメリカ心臓協会グループの試験中に糖尿病を発症した人数は1人…!

という感じだったみたい。
この結果に研究者曰く、アメリカ心臓協会のダイエットは複雑で最大1.7kgの体重減少をもたらす可能性があった。しかし、食物繊維の摂取量の増加のみを強調したアメリカ内科学会ダイエットはダイエット法が単純化された手段であり、複雑な食事法を守るのが難しい人にとっては合理的な代替手段となる可能性があるだろう、とのこと。
なんだかごちゃごちゃしたダイエットルールを続けるのが難しい人にとって、食物繊維の消費量を多くする…!のみ気にした方法で同じぐらいの効果が得られるのは確かに代替案として使えそうですね。
分かりやすい初心者向けダイエットとして、使えそうな方法ですなー。



緑黄色野菜を食べれば認知機能の低下を大幅に減らすことが出来る…!

2015年のラッシュ大学の研究によると、食事と認知機能の関係について調べてみたそうです。今回の研究に参加したのは954人(平均年齢81歳)の高齢者の方々。まず最初に、食事に関する細かい質問を144問答えてもらったそうな。次に研究者たちは、そのデータを基に毎日の食生活を精査、更に、食べられた各食品の栄養素なども計算し、1日の総摂取栄養素を割り出したらしい。その後、参加者を2〜10年間(平均5年間)追跡したそうです。
最後に、毎年チェックした認知機能の評価を基に、認知機能の低下に対する食事の影響度を推定したみたい。因みに年齢や性別、教育、喫煙、アルツハイマー病の遺伝的リスク、運動なんかは調整済みとのこと。
では、結果を見てみましょう…!

  • 緑黄色野菜を大量に食べていた参加者は、認知機能の低下率が大幅に低下していた…!
  • 1日に1〜2サービング(サービング=一食分として食べる量のこと。農水省によれば、1サービング約70gらしい)を食べた人は、何も食べなかった人よりも、11歳も認知機能が高かった…!
  • 認知機能の低下を遅らせることに関係する栄養素は、ビタミンK、ルテイン、葉酸ベータカロテンだった…!

毎日、緑黄色野菜を食べると、認知症予防になりそうですねー。11歳の差はデカいな…。
因みに上記研究を参考にするなら、1日の緑黄色野菜の摂取量の目安は140gになるんですが、もうちょい欲しい所なんで、実際は、150g〜450gは欲しいですねー。
緑黄色野菜については、

  • ホウレン草
  • 青ネギ
  • ケール
  • 小松菜
  • トマト
  • ピーマン
  • カボチャ
  • ニンジン
  • アスパラガス
  • 芽キャベツ
  • スクマイキ(キャベツ)
  • からし菜

などなどです。
まぁ、深く考えず、野菜を喰いまくれば脳に良いぞ…!ってぐらいでOKではないでしょうか。



関節リウマチ(RA)が改善した…!

1997年の研究によると、野菜を中心とした食事が関節リウマチ(RA)に効くのか調べてみたそうです。実験は、関節リウマチに苦しむ43名の患者さんを以下の2グループにランダムに振り分けたとのこと。

  1. ベジタリアングループ:野菜を中心とした食事生活を送ってもらう
  2. 対照グループ:普通の食事を続けてもらう

また、実験開始前、実験中、実験後の評価に基づいて、各患者さんの関節リウマチの改善度をチェックしたそうな。そして患者さんを改善度が高いグループと低いグループに分けたとのこと。更に、実験開始前と1ヶ月後に各患者さんから便サンプルを集め、腸内細菌も分析してみたんだそうな。
結果は、

  • 野菜を中心とした食事生活を送ってもらうと腸内フローラが良くなっていた…!しかし、対照グループは特に変化がなかった…。
  • 実験前の腸内細菌に差はなかったが、1ヶ月後には関節リウマチの改善度が高いグループは低いグループに比べ、明らかに腸内フローラが改善していた…!

とのこと。
この結果に研究者曰く、ベジタリアン食は関節リウマチ(RA)の患者さんの腸内細菌や腸内フローラを変化させる。これは関節リウマチの炎症の改善に関係していると結論付けた、としています。
う~ん。野菜により腸内環境が改善し、結果、関節リウマチも症状が良くなる…!ってのは嬉しいですねー。



約7.6万人を10年以上追いかけてベジタリアンの死亡率を見てみた…!

1999年の王立がん研究基金の研究によると、ベジタリアン(菜食主義者:野菜メインの食事をする人)とそうでない人の研究を集めて、一般的な病気による死亡率を比べてみたそうです。
まず研究者たちは、該当する前向きコホート研究を5つピックアップしたそうで、それぞれこんな感じ。

  1. 地域:カリフォルニア、サンプル数:24,538人、平均追跡期間:5.6年
  2. 地域:イギリス、サンプル数:9,878人、平均追跡期間:18.4年
  3. 地域:カリフォルニア、サンプル数:28,952人、平均追跡期間:11.1年
  4. 地域:ドイツ、サンプル数:1,757人、平均追跡期間:9.9年
  5. 地域:イギリス、サンプル数:11,047人、平均追跡期間:13.7年

いずれも規模が大きく、期間も長めでいい感じですね~。
因みにビーガン(ヴィーガン・完全菜食主義者:肉や魚を一切食べない人)の方はこの中に27,808人いたそうです。
この5つの研究をまとめると、

  • 年齢:16~89歳
  • 総サンプル数:76,172人の男女
  • 平均追跡期間:10.6年

って感じでして、このデータを使ってメタ分析をかけてみたとのこと。
まず大枠の結果はこんな感じ。

  • 追跡期間中に亡くなった方は8,330人だった。
  • 虚血性心疾患の死亡率は、ベジタリアンでない人よりベジタリアンの方が24%も低かった…!
  • ベジタリアンの虚血性心疾患の死亡率の低下は、若い人ほど大きく、ベジタリアンを5年以上続けている人に限られていた…!
  • ベジタリアンと非ベジタリアンの間に脳の血管疾患、胃がん、結腸がん、直腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、全部の原因を合わせた死亡率に有意差はなかった…!

これだけ見ると、やっぱ野菜中心の生活を長く続けると良いんだなーって感じですね。
んで、次に食事を細かく分けてみます。
虚血性心疾患による死亡率は、普通にを食べる人と比較して、

  • たまに肉を食べる人(セミベジタリアン)→20%低かった…!
  • 肉を食べずにを食べる人(ペスクタリアン)→34%低かった…!
  • 乳製品ありベジタリアン(ラクト・オボ・ベジタリアン)→34%低かった…!
  • ビーガン→26%低かった…!

だったそうです。
ここでポイントなのは普通に肉を食べるより確かに野菜メインの食事は良さそうなんですが、野菜のみであるビーガンが一番良い訳ではないことですね。
また、魚メインの食事や乳製品・卵ありベジタリアンが最も心疾患の死亡リスクが低いってのもポイントですね。
つまり、野菜メインにしつつ魚や乳製品、卵ありという地中海式ダイエットが良いと言えますなー。
もちろんこれらの上記結果は全て、年齢や性別、喫煙の有無を調整済みです。
因みにその他の情報としては、

  • 全ての研究でベジタリアンの方が非ベジタリアンよりも喫煙者の割合が低かった
  • 全ての研究でベジタリアンは平均BMIが低かった
  • 全ての研究でベジタリアンは運動頻度が多かった

ってことなんで、ベジタリアンなどの食事だけが大事なのではなく、元々健康に気を遣って様々な事をしているのが大事だって可能性もありそうです。

以上を見るとやっぱり野菜も食べた方が良いけど魚や卵なんかも食べた方が良いよな~と思いました。
また肉に関しても肉の質問題や加工肉かどうかも関係していそうですし、まだまだ分からないポイントがありそうですねー。



12万5千人弱を10~23年追い続けた結果は、やっぱり野菜メインの食事は健康に良いということ…!

2012年の浙江大学メタ分析・系統的レビューによると、ベジタリアンって非ベジタリアンよりも心血管疾患の死亡率やがんの発症率が低いのか…?について調べてみたそうです。
というのも先行研究である前向きコホート研究では、ベジタリアンと死亡率・全体的ながん発症率は調べていたけど決定打には欠けていたんですよね。そのため、今回メタ分析・系統的レビューを用いてガッツリ調べてみたそうなんですよ。
まず研究者たちは、2011年9月までに発表されているベジタリアンのコホート研究をMEDLINEやEmbase、Web of Scienceで検索して見たそうです。結果、検索に引っかかったのは175の研究だったとのこと。次にこの研究から質の高い研究を20ピックアップし、更に精査、最終的に7つのコホート研究が系統的レビューの選択基準を満たしており選ばれたとのこと。
この7つのコホート研究のうち6件はヨーロッパ諸国(イギリス×3、ドイツ、カリフォルニア、オランダ)で行われており、そのうちの1件は日本で行われたものだったらしい(日本のは禅僧を対象にした研究)。全体の追跡期間は10年から23年で、参加者の年齢層は10代から90代と幅広かったそうで、総サンプル数は124,706人だったとのこと。因みに今回のベジタリアンには、ラクト・オボ・ベジタリアンやビーガンも含まれるということです。
1件のみですが日本も入っており期間やサンプル数などなかなか良い感じですね。では結果を見てみましょう…!

  • 全ての死亡率は、非ベジタリアンよりもベジタリアンの方が9%低かった…!
  • 虚血性心疾患の死亡率は、非ベジタリアンよりもベジタリアンの方が29%低かった…!
  • 循環器疾患の死亡率は、非ベジタリアンよりもベジタリアンの方が16%低かった…!
  • 脳血管疾患の死亡率は、非ベジタリアンよりもベジタリアンの方が12%低かった…!
  • ガンの発症率は、非ベジタリアンよりもベジタリアンの方が18%低かった…!

う~ん。やっぱり野菜メインの食事は健康リスクを下げるみたいですねー。



肉なし野菜メインは一見健康そうだが実際は健康状態が悪く不安症やうつ病になりやすい…!

2014年のグラーツ医科大学横断研究によると、様々な食生活の違いによって健康状態が変わるのか調べてみたそうです。
この研究は、2006年3月~2007年2月まで行われたオーストリアの健康調査AT-HIS(2014年時点では8年ごとに実施される標準調査)を用いたそうで、食生活を以下の6グループに分類したとのこと。

  1. ベジタリアン:全体の0.2%だった。男女の割合は男性42.3%、女性57.7%。
  2. ラクト・オボ・ベジタリアン:全体の0.8%だった。男女の割合は男性22.7%、女性77.3%。
  3. ペスクタリアン+ラクト・オボ・ベジタリアン:全体の1.2%だった。男女の割合は男性23.3%、女性76.7%。
  4. 肉食と多くの果物と野菜を組み合わせる:全体の23.6%だった。男女の割合は男性32.8%、女性67.2%。
  5. 肉の少ない肉食を食べる:全体の48.5%だった。男女の割合は男性39.2%、女性60.8%。
  6. 肉が多い肉食を食べる:全体の25.7%だった。男女の割合は男性69.9%、女性30.1%。

んで、この分類だと野菜グループのサンプル数が少なすぎるので、肉なし野菜メイン系3つ(ベジタリアン、ラクト・オボ・ベジタリアン、ペスクタリアン+ラクト・オボ・ベジタリアン)を一つにまとめたんだそうな。肉なし野菜メイン系3つのサンプル数は343人でその中から使えそうなデータ340人をピックアップし、肉系3つと比べてみたらしい。
つまりまとめると、総サンプル数は1,320人で以下の4グループに分けたってことですね。

  1. 肉なし野菜メイン系グループ(330人)
  2. 果物・野菜・肉を食べるグループ(330人)
  3. ちょっと肉を食べるグループ(330人)
  4. ガッツリ肉を食べるグループ(330人)

最後に健康状態と比べてみたら、こんな感じの結果になったそうです。

  • 肉なし野菜メイン系グループの平均BMIは22.9と最も低かった…!
  • ちょっと肉を食べるグループの平均BMIは23.4だった…!
  • 果物・野菜・肉を食べるグループの平均BMIは23.5だった…!
  • ガッツリ肉を食べるグループの平均BMIは24.9と最も高かった…!
  • つまり、ガッツリ肉を食べる人は他の食事よりもBMIが高くなる傾向にあった…!
  • 運動頻度にグループ間の違いはなかった…!
  • 喫煙の有無にグループ間の違いはなかった…!
  • 肉なし野菜メイン系グループの過去28日間の飲酒頻度は2.6日と最も少なかった…!
  • 果物・野菜・肉を食べるグループの過去28日間の飲酒頻度は3.0日だった…!
  • ちょっと肉を食べるグループの過去28日間の飲酒頻度は4.4日だった…!
  • ガッツリ肉を食べるグループの過去28日間の飲酒頻度は4.8日と最も多かった…!
  • つまり、肉なし野菜メイン系グループや果物・野菜・肉を食べる人たちは、ちょっと肉を食べるやガッツリ肉を食べる人たちよりも、飲酒頻度がかなり少ない傾向にあった…!
  • 肉なし野菜メイン系グループは他のグループに比べて、アレルギーやガン、精神疾患・精神障がい(不安症やうつ病)を発症する可能性がかなり高かった…!

う~ん…。
肉なし野菜メインはBMIが低くお酒を飲む頻度も少なくて一見健康そうな感じなんだけど、ふたを開けると健康状態が悪く、更に不安症やうつ病といったメンタルへの悪影響もあるみたいですね。研究者も生活の質の低下が関係していることを示している、とおっしゃっておりますし…。

何事も過ぎるは良くないってのは何度も当ブログで書いている通りですが、肉を食べない…!や、野菜のみ食べる…!ってのも例外ではなさそうですねー。ビーガン(ヴィーガン・完全菜食主義者)の中には過激な行動をとる方がいますが、もしかしたらこの研究にあるようにメンタルが悪化しているのが原因なのかもしれませんね…。



ベジタリアン食と普通の食事における主要な食べ物の栄養素を比較してみた…!

1994年のゲルフ大学レビュー論文によると、ベジタリアン食と普通の食事における主要な食べ物の栄養素を比較してみたそうです。
まずベジタリアン食は普通の食事と比較して、

  • フィチン酸が豊富
  • 食物繊維が豊富
  • 銅が豊富
  • マンガンが豊富

というメリットがございます。
一方で、

  • 鉄が不足
  • 亜鉛が不足
  • カルシウムが不足
  • ビタミンB12が不足
  • セレンが不足

というデメリットもあるみたいです。
ここを補っている食材として穀物と肉があります。
それぞれを見てみますと、

  • 穀物:ベジタリアンにとって銅やマンガン、セレン、亜鉛の供給源
  • 肉:普通の食事にとって亜鉛の供給源、セレンの二次的供給源

となっております。
そのため大人であればベジタリアンでも栄養素的には足りそうな感じとのこと。但し、子どもの場合は別でして、成長には多くの亜鉛を必要としているんでベジタリアンだと亜鉛不足に陥りやすい可能性があるんだとか。
この辺は注意ですねー。



ベジタリアンの足りなくなりやすい微量ミネラルをサポートしているのが牛乳(乳製品)…!

1980年の研究によると、ベジタリアンが食べる食品の亜鉛と銅の含有量を調べてみたそうです。
まず研究者たちはベジタリアンが食すことの多い74品目をピックアップ、続いて亜鉛と銅の含有量をチェックしていったらしい。
結果ベジタリアンにとって、


は亜鉛と銅の優れた供給源であったそうです。
但し、野菜や果物といった食品は例外(種子類・もやし)を除いて、微量ミネラル(鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロム)不足に陥る傾向にあったみたい。そこを補えるのが牛乳(乳製品)とのこと。



ベジタリアンは抗酸化ビタミンが豊富…!だけど亜鉛は吸収率が悪い…!

2000年のヨエンスー大学の研究では、ベジタリアンの食事栄養素についてレビューしております。
ベジタリアンは果物や野菜、シリアル、豆類、ナッツなどの炭水化物が豊富な食べ物を多く食べます。その結果、普通の食事よりも


といった抗酸化ビタミンを多く摂取できます。また銅も多く摂取することができ、亜鉛については普通の食事とほぼ同じ量の摂取が可能とのことです。んがしかし、亜鉛については実際の体内循環量が少ないみたい。



鉄と亜鉛が足りなくなるのはこれらが豊富な肉を食べないのとフィチン酸が多いのが原因…!

2003年の米国農務省の研究によると、ベジタリアンは微量ミネラルが足りているのか調べてみたそうです。
というのもベジタリアンは微量ミネラル、特にその中でも鉄と亜鉛が足りない傾向になりそうなんですよね。
理由は、

  • 鉄と亜鉛が豊富に含まれている肉を食べない
  • 豆類や全粒穀物などフィチン酸を含む食材をメインに食べる(フィチン酸は鉄と亜鉛などのミネラルの吸収をブロックする働きがある)

とのこと。
摂取量も少ないし、吸収を邪魔されちゃうしでなかなか足りる感じになりづらいみたいですね。



他にもベジタリアン食で亜鉛と鉄不足になる…!って研究はある…!

上記以外にも、


って感じでベジタリアン食で亜鉛と鉄不足になるって研究はありますんで、やはり肉なしは足りなくなりそうですねー。
まぁ、色々な事情がありますんで一概には言えませんが、野菜をメインにしつつも、やはり肉も食べた方が良いのかなーと思いました



日本人の高齢者を対象に野菜と果物の摂取量と認知症リスクの関係について調べてみた…!

2022年の九州大学の研究によると、日本人の高齢者を対象に野菜と果物の摂取量と認知症リスクの関係について調べてみたそうです。
これまで見てきたように野菜や果物の摂取は認知症リスクの低下と関係がありそうなんですが、アジア人を対象にした研究はほとんどなかったんですよね。そこで今回、日本の高齢者を対象に前向きコホート研究を行ってみたんだとか。
この研究は、久山町研究っていうデータセットを用いたもので、福岡県の久山町で行われているもの。始まりは1961年でして、脳心血管疾患と認知症の有病率・発症率やそれらの危険因子を調べるのにスタートしたそうな。そして1961年以降、40歳以上の住民の健康状態なんかを1~2年ごとに繰り返しチェックしているそうです。
んで、このデータセットの中でスタート時、認知症でなかった60歳以上の参加者1,071人(男性452人、女性619人)をピックアップし、1988年12月から2012年11月までの24年間にわたって追いかけたみたい。因みに期間中、健康診断は毎年実施されたとのことで、健康診断を受けていない参加者や引っ越してしまった参加者については、手紙や電話で毎年健康情報を確認したらしい。また、野菜や果物、栄養素の摂取量については70項目からなる質問票を使用して評価したそうな。
最後にデータを統計処理した結果、以下の傾向がみられたそうです。

  • 24年間で合計464人(男性151人、女性313人)の方が認知症を発症した。
  • そのうちの286人はアルツハイマー型認知症で、144人は血管性認知症だった。
  • 年齢や性別を調整後、全認知症発症リスクは、野菜の摂取量の増加に伴って有意に減少していた…!
  • 全認知症発症リスクと果物の摂取量に有意な関係性は見つからなかった。
  • 最も野菜を食べていた人たちは、最も野菜を食べていなかった人たちに比べて、全認知症発症リスクが27%(HR0.73)も有意に低かった…!
  • 最も野菜を食べていた人たちは、最も野菜を食べていなかった人たちに比べて、アルツハイマー病リスクが31%(HR0.69)も有意に低かった…!
  • 野菜と果物の合わせた摂取量が多いと全認知症発症リスクと血管性認知症リスクが有意に低かった…!
  • 食物繊維の総摂取量が多いと全認知症発症リスクが低下していた…!
  • 認知症リスクは、ビタミンA、リボフラビン(ビタミンB2)、ビタミンCマグネシウム、カルシウム、カリウムの摂取量が多いほど有意に減少していた…!

やっぱり野菜を積極的に食べている人は認知症リスクが低くなる傾向があったみたいですねー。逆に以外なのが果物が基本関係なさげだったことですかね。
因みに農林水産省などによれば、野菜の推奨摂取量は1日5~6サービング(350g)以上、果物の推奨摂取量は1日2サービング(200g)以上となっております。そのためこの研究では、野菜の摂取量が1日350g以上の人とそうでない人、果物の摂取量が1日200g以上の人とそうでない人をそれぞれ比較もしているんですよね。
結果は、

  • 野菜の場合は、全認知症発症リスクが24%(HR0.76)も有意に低かった…!
  • 果物の場合は、全認知症発症リスクが17%(HR0.83)と有意ではないが低かった…!

そうです。
ということで日本人もやっぱり野菜で認知症リスクが下げられそうな感じ。となると、やっぱり地中海式ダイエットはおすすめとなりましょう。



食物繊維と心血管疾患リスクの関係についてアンブレラレビューを行ってみた…!

2017年のナショナル健康科学大学の研究によると、食物繊維と心血管疾患リスクの関係についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそも先行研究により、食物繊維が心血管疾患(CVD)リスクにプラスの影響をもたらす…!って結果が多数出ておりました。んがしかし、一方でそれらの研究はサンプルサイズが小さい、矛盾した結果が出た研究もあるなど問題もあったんですよね。そこで今回アンブレラレビューを行い、心血管疾患の治療における食物繊維の効果をチェックしてみることにしたらしい。
まず研究者は、1980年1月1日~2017年1月31日までに発表された該当するメタ分析をPubMedとCINAHLで検索してみたそうな。すると516件の研究がヒットしたとのこと。続いて各研究をチェック、最終的に31件のメタ分析を選ぶことが出来たんだとか。
これらを用いてアンブレラレビューをしてみた結果、1日の食物繊維の摂取量が一番多かったグループの人たちは、一番少なかったグループの人たちと比べて、

  • 心血管疾患の発症リスクが9~28%(RR0.72~0.91)も有意に低かった…!
  • 心血管疾患の死亡リスクが17~23%(RR0.77~0.83)も有意に低かった…!
  • 冠状動脈性心疾患の発症リスクが7~24%(RR0.76~0.93)も有意に低かった…!
  • 脳卒中の発症リスクが7~17%(RR0.83~0.93)も有意に低かった…!

とのこと。
やっぱ食物繊維はたくさん摂った方が心臓、血管、脳に良いみたいですな。
他にも分かったことがありまして、

  • コレステロールが有意に低下していた…!
  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が有意に低下していた…!
  • 収縮期血圧が有意でないが低下していた…!
  • 拡張期血圧が有意に低下していた…!

って感じ。
血管をきれいに保つのに食物繊維を積極的に摂取したいですね。



食物繊維の健康効果についてアンブレラレビューを行ってみた…!

2018年のイタリア国立研究評議会の研究によると、食物繊維の健康効果についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
上記の研究を見たとおり、食物繊維と心血管疾患リスクについてはアンブレラレビューがあるものの、健康効果全体を幅広く調べたアンブレラレビューはこの時点でなかったそうな。そこで今回チェックしてみることにしたらしい。
ということでまず研究者たちは、2017年10月21日までに発表された該当する系統的レビューとメタ分析をMEDLINE/PubMed、Scopus、Embaseで検索してみたそうです。すると1,853件の研究が見つかったんだとか。次にこの中で重複している物を除外、その後質の低い研究も除いていったらしい。
最終的に選ばれたメタ分析は18件でして、サンプル数の中央値は342,437人(1,381人~3,662,691人の間)ということでした。それでは結果を見てみましょう。

  • 全体的に見た場合のエビデンスレベルが高めな結果:心血管疾患発症リスク、心血管疾患死亡リスク、全死亡リスク、冠状動脈性心疾患リスク、膵臓がんリスク、胃がんリスクの低下と関係ありそう…!
  • クラス別に見た場合のエビデンスレベルが高めな結果:心血管疾患死亡リスク、全死亡リスク、膵臓がんリスクの低下と非常に関係ありそう…!
  • クラス別に見た場合のエビデンスレベルがまぁまぁな結果:心血管疾患発症リスク、冠状動脈性心疾患リスクの低下と関係ありそう…!
  • クラス別に見た場合のエビデンスレベルが可能性があるかもな結果:胃がんリスク、食道がんリスク、結腸直腸がんリスク、2型糖尿病リスク、脳卒中リスク、子宮体がんリスク、乳がんリスク、腎臓がんリスクの低下と関係あるかも…?

食物繊維の積極的な摂取は心血管疾患リスクだけではなく、いくつかのがんリスク低下にも役立つんですねー。



個人的考察

基本的に野菜はたくさんとった方が良いのは間違いありませんが、肉や炭水化物もとったほうがいいのもまた間違いないのでそこら辺を意識しておくとよろしいかと思います。
まぁ、古代の人たちは食物繊維を大量にとっていたみたいですし、狩猟採集民によっては1日70gも摂っていたって話もあるんでたくさんとっておいていいのは間違いないでしょうね。



参考文献