先週の続きです
今回はコンプレッションウェアの効果を調べた日本の研究を見てみましょう。


RCTのメタ分析・系統的レビューで時間経過によるコンプレッションウェアの効果をチェックしてみた…!

2022年の東北大学RCTのメタ分析・系統的レビューによると、運動中又は運動後にコンプレッションウェアを着ることで筋肉ダメージの回復が促進されるのか調べてみたそうです。
まず研究者たちは、PubMedやSPORTDiscus、Web of Science、Scopus、EBSCOhostといったデータベースを用いて該当する研究を検索したそうな。すると910件もの研究が見つかったとのこと。
続いてこの中から、重複している研究や質の低い研究を除外していったそうで、最終的に19件の研究が選ばれたんだとか。因みにこの19件は全て査読済みであり、ランダム化比較試験となっております(クロスオーバーデザインのものもあった)
19件の研究の運動の種類は柔道やマラソン、ハンドボールなど様々でして、総サンプル数は350人、そのうち男性が251人で女性が99人となっておりました。また平均年齢は24.5±5.5歳で、平均身長は174.4±5.3cm、平均体重は73.1±7.5kgだったみたい。
これらの研究をメタ分析にかけつつ、系統的レビューとしてまとめてみたそうです。
それでは結果を見てみましょう。

  • コンプレッションウェアを着た場合と着なかった場合を比較した結果、どれだけ時間が経とうが筋力に影響はなかった…!

つまりコンプレッションウェアは意味なし…!ってことですね。やっぱりか…。
もうちょいデータを詳しく見てみると、

  • 直後から24時間以内:SMD=- 0.02(-0.22~0.19)
  • 24時間後から48時間以内:SMD=-0.00(-0.22~0.21)
  • 48時間後から72時間以内:SMD=-0.03(-0.43~0.37)
  • 72時間後から96時間以内:SMD=0.14(-0.21~0.49)
  • 96時間以上:SMD=0.26(-0.33~0.85)

って感じ。
この結果に研究者曰く、

  • 仮に運動の種類や体の部位、コンプレッションウェアを着るタイミングを変えつつ、運動中又は運動後にコンプレッションウェアを着ても、運動の筋力回復は促進しないだろう

としています。



個人的考察

ということで質の高い研究の結果、コンプレッションウェアは効果がないかプラセボだったっぽいですね。残念。



参考文献