【加筆内容】ダイエット効果に性差の違いはあるのか?女性ホルモン編4「エストロゲンが少なすぎる場合はどうなのか?」
本日はエストロゲンが少なすぎる場合のダイエット効果について見ていきます。
ということでダイエットに関わる部分を早速見ていきましょう。
エストロゲンが少なすぎると太る…!
2003年のワシントン大学の研究によると、女性が閉経期に入るとエストロゲンが減少し、それによりお腹周りの脂肪(内臓脂肪)が増加する傾向にあるんだとか。また1976年の動物実験や1973年の動物実験、2001年のトロント大学の動物実験では、卵巣摘出手術を受けたラットは太る傾向にあったらしい。しかし2001年のコーネル大学の動物実験によれば、エストロゲンを増やすことによってこのような肥満を防ぐことが出来るんだとか。
ではなぜこう言った事が起こるのかと言いますと、視床下部でエストロゲンの作用により食欲がコントロールされているから。エストロゲンは身体活動とカロリー消費を促し、体脂肪をコントロールする役割がありますんで、多すぎても少なすぎてもカロリー消費を抑え、摂取を促し、脂肪を蓄えようとしちゃうみたいなんですよね。
エストロゲンはレプチンもコントロールしている可能性がある…!
ダイエットで押さえておきたいホルモンの一つにレプチンってのがあります。
詳しくは「腹が満たされることのないゾンビ状態にならないよう気を付けるべき「レプチン」入門」をご覧いただきたいのですが、レプチンは脳に満腹感を知らせて食欲をコントロールする機能があるんですよ。
そんなレプチンですが、実はエストロゲンによりコントロールされている可能性があるんだとか。例えば、2001年のメルボルン大学の研究や2003年のシンシナティ大学の研究、2006年のシンシナティ大学の研究なんかによると、エストロゲンが高いラットはレプチンの感受性が高かった(=レプチンの効きが良かった)そうな。
また上記で挙げた2006年のシンシナティ大学の研究によると、卵巣摘出手術を受けたメスのラットは、健康なメスのラットに比べ、レプチンの感受性が低下している傾向にあり、それをエストロゲンによって回復することが出来たみたいです。更にオスのラットにエストロゲンを投与したそうなんですが、レプチン感受性がアップしたとのこと。
これらを見ると、エストロゲンがレプチンをコントロールするから太るとも言えそうですねー。
エストロゲンが足りないと男性っぽい太り方になる…!
男性と女性では体脂肪の付き方ってのが違いまして、1993年のラヴァル大学の研究や1986年の研究、1992年のヨーテボリ大学の研究、1992年のヨーテボリ大学の研究、1992年のヨーテボリ大学の研究といったように何度も確認されております。一般的に男性は体脂肪の総量が少なく内臓脂肪が付きやすいという特徴がありまして、女性は男性よりも体脂肪の総量が多く腰やお尻、太ももと皮下脂肪に脂肪が付きやすいという特徴があるんですよね。
んでこの男女の脂肪の付き方の違いってのもエストロゲンが関係しておりまして、例えば、2004年のメルボルン大学の研究や2008年のルイジアナ州立大学ペニントン生物医学研究センターの研究によると、閉経後の女性の脂肪の付き方は男性の脂肪の付き方と似た傾向があったそうです。
んがしかし、1997年のピサ大学の研究や1991年のコペンハーゲン大学の研究、1991年のコペンハーゲン大学の研究をみるとエストロゲン補充療法によって男性に似た脂肪の付き方を防ぐことが出来たんだとか。また1991年のアムステルダム自由大学医療センターの研究では男性から女性へ性転換した人がエストロゲン治療を行うと内臓脂肪よりも皮下脂肪の方が付きやすい傾向にあったらしい。
つまりエストロゲンが少なすぎると、女性らしい脂肪の付き方ではなく男性のような脂肪の付き方になってしまうってことですね。
エストロゲンが少なすぎるとインスリン抵抗性がアップ、その結果、2型糖尿病や肥満、メタボといった健康リスクがアップする…!
同年代の男女を比較した場合、正常な月経歴を持つ閉経前の女性は男性に比べインスリン感受性が高い傾向にあります。そのおかげか2008年のシャリテベルリン医科大学の研究や2003年の成均館大学校の研究なんかを見てみると、閉経前の女性の2型糖尿病の発症率が低いんですよね。つまりエストロゲンはインスリンにも関わっているみたいなんですな。
そして2001年のカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究や2002年のカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究、1998年のパリ第7大学の研究、2009年のテキサス大学オースティン校の研究によると、人間の女性でもメスのラットでもエストロゲンが豊富だと高脂肪食や脂肪性疾患のダメージを防げるみたい。
一方で2003年のワシントン大学の研究や2002年のルール大学ボーフムの研究、2002年のバーモント大学の研究なんかを見てみると、閉経後や卵巣摘出手術後の女性はインスリン感受性が急激に悪化するケースがあるみたいでその結果、体脂肪が増加、と同時に炎症マーカー、LDL、中性脂肪なんかもアップしてしまうらしい。
これはエストロゲンが足りな過ぎると最終的に2型糖尿病や肥満、メタボックシンドロームといった健康リスクがアップしてしまう…!ってことですね。これは嫌だな~。
個人的考察
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3660717/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12788835/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11533278/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11606440/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11753591/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12606509/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16567519/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3788827/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1575956/