前回は知的障がいの方がHIIT系の運動であるSITを行っても効果があったよーって研究を見てました。
今回は、ダウン症の方がSIT(スプリント・インターバル・トレーニング)を行った場合はどうなのか調べた研究を見てみましょう。



ダウン症の方のSIT(スプリント・インターバル・トレーニング)の効果を調べてみた…!

2016年のノース=ウェスト大学RCTによると、ダウン症の方を対象にSIT(スプリント・インターバル・トレーニング)の効果を調べてみたそうです。
この研究は、ダウン症の成人42名(男性25名、女性17名、平均年齢33.8±8.6歳)が参加したもので、以下の3グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. SITグループ:10~30秒全力で運動→90秒低強度で運動(休憩)、これを繰り返した。
  2. 普通の有酸素運動グループ:全力の70~80%の強度で運動した。
  3. コントロールグループ:特に何もしない。

SITグループも普通の有酸素運動グループも運動種目はエアロバイク又はウォーキングだったとのこと。
上記を6週間続けてもらったのち、以下のような形で強度をアップしたみたい。

  1. SITグループ:運動時間を5分間延長した。
  2. 普通の有酸素運動グループ:全力の85%の強度にしつつ、運動時間を5分間延長した。

これで更に6週間続けてもらったそうです。つまり実験期間は12週間ってことですな。
最後にスタート時と終了時に計ったデータを基にグループ間の違いを見てみた結果、このようになったそうです。

  • SITグループは他のグループよりも体重とBMIが大幅に減少していた…!
  • SITグループは体重が71.4±8kg→69.4±8kgと2kg痩せていた…!
  • SITグループはBMIが29.3±4→28.5±4と減少していた…!
  • 普通の有酸素運動グループはコントロールグループよりも脚の強さが有意にアップしていた…!
  • 普通の有酸素運動グループは6分間の歩行距離が499±78m→563±75mにアップしていた…!
  • 普通の有酸素運動グループは脚の筋力が13.1±2→15.2±2にアップしていた…!
  • SITグループと普通の有酸素運動グループはコントロールグループよりもpeak VO2と疲れにくさが大幅にアップしていた…!
  • SITグループは普通の有酸素運動グループよりもpeak VO2がアップしていた…!
  • SITグループはpeak VO2が32±8mL/min/kg→37±8mL/min/kgにアップしていた…!

つまり、何もしないよりも普通の有酸素運動が良くて、それよりもSITが良いと。
この研究を見るに、ダウン症の有無に限らずSITのメリットは受けられる感じですな。



個人的考察

ということで知的障がいの方やダウン症の方にもHIITSITはおすすめです。



参考文献