前回はエストロゲンの増減がダイエットに影響があるから上手く使った方が良いかも…!みたいな研究をご紹介しました。
そして今回は、女性らしい脂肪の付け方ってのを見て行こうかと。
皆さんご存知の通り、男性と女性では女性の方が脂肪が付きやすく、また、脂肪の付きやすい場所も違いがございます。
ともなれば、ここを抑えておくと単純にダイエットが成功するだけでなく、理想の体型ってやつをゲットするのにも役立つんすよね。
ということで、早速見ていきましょうー。


エストロゲンが脂肪細胞の代謝に直接影響を与えている…!

2004年のオーフス大学病院の研究によると、エストロゲンと体脂肪の関係について調べてみたそうです。
そもそもエストロゲンって女性ホルモンは、皮下脂肪にたくさん貯蔵されるという特徴がございます。そのため男性と比べて女性の脂肪の付き方は全体的で、特に腰回りやお尻、太ももにつきやすいんですよね。
んがしかし、このエストロゲンが脂肪の蓄積をどうコントロールしているのか不明だったんですよ。そこで今回研究者たちはチェックしてみたんだとか。
この研究は生体外実験でして、今回の参加者は以下の方々。

  1. ホルモン治療を受けていない健康な女性6名(平均年齢55.8±1.4歳、BMI=25.5±2.5kg/m2)
  2. ホルモン治療を受けている健康な女性6名(平均年齢53.7±1.3歳、BMI=24.8±1.0kg/m2)
  3. 重度の肥満で手術を受けた女性5名(BMI=48.2±5.4kg/m2)

この方々に脂肪吸引を行い、腹部の皮下脂肪組織をゲットしたそうな。
続いてゲットした脂肪組織を培養しつつ、ヒト脂肪細胞を分離させ、エストロゲンやアドレナリンなんかをチェックしてみたらしい。
最後にデータを統計処理した結果、

  • エストロゲンがヒトの脂肪細胞の代謝に直接影響を与えていることが分かった…!

とのこと。
またその流れについても分かりましてざっくり書くと、

  1. エストロゲンが皮下脂肪の脂肪分解を邪魔するα2Aアドレナリン受容体の数を直接増加させていた…!
  2. α2Aアドレナリン受容体の数が増えた結果、皮下脂肪を分解するアドレナリンが減ってしまった…!

って感じ。
エストロゲンは体脂肪の付く場所をコントロールしており、分泌量が少なくなると男性のような脂肪の付き方、つまり、お腹(内臓脂肪)が付きやすくなるってことですな。
確かに閉経後の女性を対象にした研究では男性と同じような脂肪の付き方が多くなる…!って出ておりますしね…。



個人的考察

アドレナリンは興奮や闘争に関わるホルモンなんで女性ホルモンであるエストロゲンで少なくなるのはなんとなく想像できるかと。そしてそれが女性らしい体型を作るために役立つ一方で足りなくなると男性みたいな体型になるのも想像できますな。
ということでやはりダイエット効果に性差の違いは大きくないにしても、エストロゲンはやっぱり意識していきたいですね。



参考文献