【加筆内容】運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その16「恒常性プロセス編」
これまで、
- 運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その10「油断編」
- 運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その11「続油断編」
- 運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その12「期間が短いと運動しても効果がないんじゃないか説編」
- 運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その13「急激な運動後は一時的にカロリー摂取量が増えてしまうんじゃないか説編」
- 運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その14「カロリー摂取量の評価に問題があるんじゃないか説編」
- 運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その15「カロリーのズレの対策編」
と見てきました。
これらを軽く復習しておきますと、
- 運動で痩せない原因は空腹感が増してカロリー摂取量が多くなっていたからの可能性がある
- 運動による減量効果は個人差がかなりある。但し健康効果は誰でも受けられる
- 期間が短いと運動してもダイエット効果がない可能性がある
- 急激な運動後は一時的にカロリー摂取量が増えてしまう可能性がある
- 自己申告によるカロリー報告は20~30%も少なく見積もってしまう
- 但し、これは食べたものを写真に撮る+食事記録を付けると良さそう
って感じです。
つまり、運動増加に伴って、食物摂取量の増加や身体活動量の低下、ルールの不遵守といった様々な適応行動や安静時代謝率の低下が発生する可能性があるみたいです。また2009年のリーズ大学の研究によると、過食は体重増加や肥満の強力な原因であることを示しているとのこと。
以上から、カロリー摂取量の増加・減少と運動介入でみられる適度な体重増加・減少は関連があると言えるでしょう。
では、運動によってカロリー摂取量が増えてしまう、その根本的なメカニズムはどうなっているのかが次の疑問です。
まず結論から申しますと2つのプロセスが関係しているんだとか。
そのプロセスとは、
- 恒常性プロセス:食べるという食欲誘発性の変化(例:空腹など)に関係している
- 快楽的プロセス:報酬と食べる喜びに関係している
とのこと。
運動してもランニングしても痩せない・太る人、つまり、運動によってカロリー摂取量が増えてしまいがちな人は、空腹感の増大のしやすさ(恒常性プロセス)と、食べ物に含まれる快楽成分に対する過敏さ(快楽プロセス)のどちらか、またはその両方が関係しているということですね。
運動は恒常性プロセスと関係があり、空腹感にも満腹感にも作用していた…!
2009年のクイーンズランド工科大学の研究によると、恒常性プロセスについて調べてみたそうです。
この研究は、過体重・肥満の男女58人(平均BMI=31.8±4.5、平均年齢39.6±9.8歳)が参加したもので、12週間ラボ内で監視しつつ運動をしてもらったと言うもの。
運動は1週間で2,500kcal消費するように設計されていたそうで、また、実験開始時と終了時に食欲感覚と固定の朝食の満腹率(食前食後にチェック)を比較してみたらしい。
その結果、12週間で、
- 体重が平均3.2±3.6kgも減っていた…!
- 脂肪量も平均3.2±2.2kgも減っていた…!
- つまり筋肉が減らずに脂肪だけが減っていた…!
- ウエストも平均5.0±3.2cmも減っていた…!
とのこと。
運動で間違いなくダイエットに成功していたみたいですね。
んで、メインである恒常性プロセスとの関係ですが、
- 体重と体組成が減少すると、空腹時の空腹感と1日を通しての平均空腹感がアップしていた…!
- 逆説的にみると、朝食の直後の満腹指数も有意にアップしていた…!
そうです。
つまり、運動は恒常性プロセスと関係があり、空腹感にも満腹感にも作用していたってことですね。運動でどちらの状態にも気づきやすくなるみたいですな。