トマト・リコピンの健康効果ってどうなの?をガッツリ調べたアンブレラレビュー(非常に質の高い研究)の話
「アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズその108です。
突然ですが、皆さんはトマトって好きですか…?
私はというと、
- 子どもの時から野菜はめっちゃ好きだったが唯一嫌いだったのがトマト…!
- 大人になって毎日うまくて食べまくっている野菜の一つがトマト…!
って感じ(笑)
また、トマトとは何かしらの縁がありまして、農福連携で携わるシーンの多い野菜の一つともなっております。
トマト・リコピンの健康効果についてアンブレラレビューを行ってみた…!
2020年の四川大学の研究によると、トマト・リコピンの健康効果についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそもトマトがいつ頃から世界に広まったかですが、2014年のパラツキー大学の研究によれば、500年以上前(16世紀)にアンデス地域からヨーロッパに輸入されたのがその始まりなんだとか。そんなトマトは、ビタミンC、カリウム、葉酸、リコピンなどのカロテノイドがめっちゃ豊富に含まれております。
そして皆さんご存知、トマトと言えばリコピンでしょう。リコピンの摂取はほぼトマトといっても過言ではない感じでして、例えば、北アメリカだとリコピンの摂取量の約85%、ヨーロッパ5カ国だと56~97%を占めているそうな。
因みにリコピンは、トマトの他にも、アプリコット、クランベリー、メロン、ブドウ、グアバ、パパイヤ、桃、ピンクグレープフルーツ、赤ニンジン、スイカなどにも含まれております。要は、赤やピンクオレンジ色の果物や野菜に含まれているんですよね。
またリコピンは、肝臓や脂肪、精巣、副腎、前立腺なんかに蓄積されるんだとか。更に血中リコピン濃度は通常0.22~1.06nmol/mlらしく、約2~3日留まるらしい。
そんなリコピンが注目される理由は、非常に高い抗酸化物質であり、抗酸化作用・抗炎症作用を持っているから。なんせ全カロテノイド中、最も効果的なフリーラジカル除去機能を持っていると言われているんですよ…!
そのためリコピンは、
- グルタチオン濃度と抗酸化酵素の活性を高める…!
- DNA、脂質なんかを守る…!
- がんを防ぐ…!
- 心臓を守る…!
って感じで、がんや心血管疾患(CVD)、メタボなどの慢性疾患に良いとされているんですな。ただ、この辺の健康効果ははっきりしていない部分もあったらしい。
そこで今回、初のアンブレラレビューを行ってみることにしたんだとか。単一の野菜に焦点を当ててアンブレラレビューとはなんとも贅沢な話ですね(笑)
ということでまず研究者たちは、2019年5月までに発表された該当する系統的レビュー・メタ分析をEmbase、PubMed、Web of Science、コクランで検索してみたそうな。すると合計174件の研究が見つかったとのこと。次に検索にヒットした研究を適格基準と除外基準に照らし合わせて精査していったみたい。
最終的にピックアップされた系統的レビュー・メタ分析は17件でして、これらの中には合計20個の関連性があったんだとか。
それでは結果を見てみましょう…!
まずトマトの摂取量と逆相関していた関連性は、
- 全死亡率…!
- 冠状動脈性心疾患(CHD)による死亡率…!
- 脳血管疾患による死亡率…!
- 前立腺がんリスク…!
- 胃がんリスク…!
って感じ。
次にリコピンの摂取量又は血中リコピン濃度と逆相関していた関連性は、
- 全死亡率…!
- 前立腺がんリスク…!
- 脳卒中リスク…!
- 心血管疾患(CVD)リスク…!
- メタボリックシンドロームリスク…!
- 男性不妊リスク…!
となっていました。
いや~やっぱ心臓・脳・血管に良いんですね~。また、長寿・がん・メタボ・男性不妊にも良いっぽい感じ。
但し、注意点として、各研究のエビデンスレベルの大部分が、低い又は非常に低いだったらしく、6件のみ中程度だったとのこと。まぁ、この辺は単一の野菜・成分に焦点を当てているんで仕方ないかと…。
それともう一つ注意事項がありまして、
- トマトやリコピンは確かに健康に良いけど、アレルギーと汚染には注意が必要…!
とのこと。
当然ですがアレルギーがある方は健康に良いからといっても摂取しない方がいいのは言うまでもなく、また、トマトの汚染に関しては日本の普通のスーパーに売っている物に関しては気にしなくていいのかな~と思っております。
個人的考察
ということで、トマト&リコピンの摂取は、概ね安全で、健康効果がいっぱいありそうな感じ。最低、週1/2カップ~1カップ以上は食べたいですな。