認知行動療法(CBT)の効果を調べた研究を片っ端から見てみる!」シリーズの続きです。今回は、大うつ病の再発予防にマインドフルネス認知療法が効くのか26か月間も追跡調査してみたぞ…!って研究を見てみます。



大うつ病の再発予防にマインドフルネス認知療法が特に有効なのか2年以上かけて調べてみた…!

2018年のニューヨーク大学など単盲検のRCTによると、大うつ病の再発予防にマインドフルネス認知療法が特に有効なのか2年以上かけて調べてみたそうです。
この研究は、大うつ病の既往歴があり、現在寛解期にある参加者を対象にしたもので、まず始めに全員を以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. マインドフルネス認知療法グループ:46人
  2. アクティブコントロールグループ:46人

因みにアクティブコントロールグループは、身体活動やファンクショナルトレーニング、音楽療法、栄養についてなんかを行ったみたい。
これらを8週間行ってもらい、その後、26ヶ月間にわたって追跡調査したんだとか。
また、スタート時、介入後(8週間後)、6ヶ月後、12ヶ月後、26ヶ月後に再発についてチェックしたとのこと。
最後にデータを統計処理したところ、以下のことが分かったそうです。

  • 26ヶ月間におけるマインドフルネス認知療法グループの再発率は47.8%だった。
  • 26ヶ月間におけるアクティブコントロールグループの再発率は50.0%だった。
  • 再発までの時間やうつ症状、生活満足度の違いもなかった。
  • つまり26ヶ月間の追跡調査中、いずれの結果もグループ間の差はなかった。

こうみると特にマインドフルネス認知療法が再発に有効って感じではないみたいですねー。
但し、もうちょい詳しく見てみると、

  • 両グループとも12ヶ月間の追跡期間中にうつ症状が有意に減少していた…!
  • アクティブコントロールグループは、初期にうつ症状が大幅に改善、その後12ヶ月の追跡調査まで徐々にうつ症状が増加していた…!
  • マインドフルネス認知療法グループは、介入後から12ヶ月の追跡調査まで少しずつ着実にうつ症状が改善していた…!
  • 12ヶ月から26ヶ月の追跡調査では、両グループともうつ症状がわずかに増加していた。但し、26ヶ月後の評価では、両グループともスタート時よりもうつ症状が有意に低いままだった…!

って感じ。
両方ともうつ症状に効くけど、効果の出方に違いがあるんですねー。また、1年経つと徐々にうつ症状が出てきちゃうみたいですが、それでも最初より症状が良い…!ってことで、8週間の介入だと思えば、なかなかの効果だと言えるのではないでしょうか…?



個人的考察

個人的には、やっぱ認知行動療法も良いけど、運動もメンタルに良いよなーと思いました。
今回は特に優れているとは出ませんでしたが、どちらも長く効果が続くと分かったのは朗報ではないかと。



参考文献