認知行動療法(CBT)の効果を調べた研究を片っ端から見てみる! その17
「認知行動療法(CBT)の効果を調べた研究を片っ端から見てみる!」シリーズのラストです。最後は2024年の四川師範大学などの研究を見てみます。
マインドフルネスと認知的再評価の関係について調べてみた…!
2024年の四川師範大学などの研究によると、マインドフルネスと認知的再評価の関係について調べてみたそうです。
軽く復習しておきますと、
- マインドフルネス:今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情には囚われないでいる心の持ち方、存在のありようのこと。ざっくり言うなら、過去の後悔に囚われず、未来の不安に囚われず、今この瞬間に目を向けるって感じ
- 認知的再評価:リアプレイジング(リアプレイザル)のこと。認知の見方を変える、別の角度から見てみる、捉え直すって感じ
のようになっております。
そしてマインドフルネスと認知的再評価は、感情のコントロールに役立つと言われているんですな。但し、マインドフルネスが認知的再評価にどのような影響を及ぼすのかは不明とのこと。そこで今回調べてみることにしたんだとか。
この研究は、372名が参加したもので、まずは全員にアンケートに答えてもらったそうな。このアンケートの中では、
- 現在のマインドフルネス度
- 現在の認知的再評価度
- 現在の感情的な気づき度
- 現在の内受容感覚(身体感覚の変化)の気づき度
をチェックしたみたい。
次に集まったデータを統計処理し、関係性を見てみたそうです。
結果、
- マインドフルネスは、認知的再評価、感情的な気づき、内受容感覚的な気づきと負の相関関係にあった…!
- 認知的再評価、感情的な気づき、内受容感覚的な気づきは、互いに正の相関関係にあった…!
- マインドフルネスの増加は、感情的な気づきと内受容感覚的な気づきを個別又は連続的に低下させることで、認知的再評価に有意に負の効果をもたらした…!
とのこと。
どうやらマインドフルネス度がアップすると、リアプレイジング度がダウンし、逆にマインドフルネス度がダウンすると、リアプレイジング度がアップするみたいですね~。
個人的考察
確かにマインドフルネスは今この瞬間に目を向けるんで、リアプレイジングのように捉え直すような思考を使うものとは対極にあるのかもですな。
まぁ、自分に合う方を使うと良いのかな~っと。
