【加筆内容】日ごろの睡眠不足を週末に取り戻せるのか?寝だめでカバーできるのか?
4日間8時間睡眠→6日間6時間睡眠→3日間10時間睡眠で調べてみた…!
2013年のペンシルベニア州立大学の研究によると、1週間の軽い睡眠不足後に10時間睡眠をしてみると回復できるのか調べてみたそうです。
そもそも2010年の米国国立睡眠財団の世論調査によると、アメリカ国民の約25%は仕事の要求により平日の睡眠が十分に取れておらず、また、約40%は平日の睡眠時間が短いため、週末に長く寝て取り戻す(寝だめをする)行為をしていたんだとか。アメリカでこんなんなんで、日本はもっとでしょうな。
んで、平日の溜まった睡眠不足を週末で取り戻せるってのは、一般的によく使われているけど、実際、睡眠不足の悪影響を完全に消せるのか、上回れるのかは謎だったらしい。一応、脳パフォーマンスに関しては3日間ガッツリ寝だめをしてもダメだったって先行研究が出ておりますが、眠気や覚醒度合い、炎症やストレスホルモン(コルチゾール)の分泌に関しては良く分からなかったんですな。そこで今回チェックしてみることにしたみたい。
この研究は、睡眠問題を抱えていない健康な男女30名が参加したもので、サンプル情報は以下な感じだったそうな。
- 男女比:男性16名、女性14名
- 年齢範囲:18~34歳
- 平均年齢:男性24.4±3.6歳、女性25.1±3.3歳
- 平均BMI:男性23.7±2.5kg/m2、女性23.5±2.0kg/m2
続いて実験の流れなんですが、以下のようになっておりました。
- ベースライン期間:最初の4夜連続は、参加者に8時間睡眠(22:30~06:30)をしてもらった。
- 睡眠制限期間:次の6夜連続は、参加者に6時間睡眠(22:30~04:30)をしてもらった。
- 回復期間:最後の3夜連続は、参加者に10時間睡眠(22:30~08:30)をしてもらった。
つまり、4日間8時間睡眠→6日間6時間睡眠→3日間10時間睡眠って感じの全13日間でチェックしたってことですね。
併せて、4日目(ベースライン期間の最終日)、10日目(睡眠制限期間の最終日)、13日目(回復期間の最終日)の3回、24時間、1時間ごとに採血してとのこと。更に客観的・主観的な日中の眠気や脳パフォーマンスも見てみたんだとか。
最後にデータを統計処理した結果、以下のことが分かったそうです。
- 客観的・主観的な日中の眠気は睡眠制限期間で有意に増加、回復期間でベースライン期間の状態に戻った。つまり客観的・主観的な日中の眠気は寝だめで取り戻せる…!
- 脳パフォーマンスは睡眠制限期間で有意に低下、回復期間でも改善しなかった。つまり脳パフォーマンスは寝だめで取り戻せない…!
- ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌は睡眠制限期間でも変わらず、一方で回復期間で有意に低下した。つまりコルチゾールの分泌は寝だめ(長い睡眠時間)が単純に良くなさそう…!
- IL-6(炎症物質)の分泌は睡眠制限期間で有意に増加、回復期間でベースライン期間の状態に戻った。つまり体内炎症は寝だめで取り戻せる…!
ということで、寝だめで取り戻せるものとそうでないものがあったみたいですね。
特に、先行研究の通り、脳パフォーマンスの完全回復には2日間だけじゃ足りなさそう…。
個人的考察
もちろんこれは短期の研究なんで長期の場合は良く分かりません。また、6時間より睡眠時間が短いってことも普通に考えられるんで、その場合はどうなのかも謎。
ということでざっくりまとめると、
- 睡眠不足になったら多く寝た方が良さそう、但し、完全回復には時間がかかりそうなんで、やっぱり毎日ちゃんと寝た方が良さそう…!
ってことになりましょう。
普通の結論なんですが、やっぱ基礎基本が大事だと言うことで。
