「認知行動療法の共通基盤マニュアル」のポイントを抑えよう!」シリーズの続きです。
この記事は、当事業所の社内研修で行いたかったが時間の都合上出来なかった内容を載せている物になります。
具体的には認知行動療法マップ(CBTマップ)の「認知行動療法の共通基盤マニュアル」を私なりにまとめたものです。
それでは続きをどうぞー。



基本的なコミュニーション共通要素

認知行動療法に限らず利用者に様々なアプローチをする時のコミュニケーションとして、重要な共通要素が3つある。
その3つとは、

  1. 共感
  2. 誠実さ
  3. 敬意

となる。
これらは、信頼関係(ラポール)を得るための共通した土台(基礎基本)であり、様々なアプローチ法を成功させるためのポイントと言える。
次にこの3つを深掘りしていく。



1. 共感

共感とは、相手が何を思いどう感じているかを理解し、それを相手に伝えることを言う。そこには、相手の悩みや苦しみに同調することや、相手の背景(年齢、性別、価値観など)を踏まえて相手の立場に立って気持ちや考えを理解するように努めることが重要となる。また相手に「共感してもらえた」と感じてもらえるような態度や声かけも意識して行う(共感している姿勢や態度はブログの「交渉のプロ「FBIネゴシエーター」から学ぶ交渉の5段階モデル」の傾聴の基本と応用を見ると良い)
相手との会話の際は共感を意識しつつ、心の中や口には出さないこと、態度、微妙な表現を読み取る、耳を傾けるよう心がけると良い。その後、理解できる部分、理解できない部分を整理し、自分が同じ立場だったらどう思うか、相手と自分は何が同じか違うかなど検討してみる。検討した結果、自分が感じる違和感の正体を突き止めておくと解決への糸口が見つかる可能性が高い。
まとめると、相手を受け入れる温かさと、客観的冷静さが必要だと言える。



2. 誠実さ

誠実さとは、正直で、まじめにコツコツ努力することを言う。誠実さは態度や発言として表されるため、素の態度、振る舞いが重要となる。具体的な誠実さの態度や発言は下記となる。

  • 目線を合わせて話を聴く。
  • 相手にしっかりと注意を向ける
  • 自分が自らお手本となり、成長や改善に向けて努力する態度を見せる。
  • 対等の立場であることを意識し、強調して話す。
  • 言行一致を意識する。
  • 適切なタイミングで反応する(同じ対応を遅れてするより効果が高い)



3. 敬意

敬意とは、相手に対して丁寧な言葉づかいや振る舞いをすることを言う。また相手の気持ちや考えを尊重することも重要となる。敬意を持つことにより、「自分が大切にされている」「自分の話を真剣に聴いてもらえている」という感覚を相手に持ってもらえる可能性が高くなる。敬意がないとそのうち相手は発信(発言)しなくなってしまう。
もし考えに同意できない場合、マイナス感情がある時は、自分を客観的に見直しすると良い。難しければ上司に相談し客観的に見てもらうことも有効となる。
具体的な敬意の態度や発言は下記となる。

  • コミットメント(責任をもって関わること)を意識する。
  • 報連相や雑談に誠実に対応する。
  • 時間や約束を厳守する。
  • 威圧的、批判的な態度をとらない。
  • 利用者の考え、気分や行動を理解する、承認する。批判的な態度を見せない(但し同調する必要はない。客観的な視点も重要なため)
  • 温かさを持つ。
  • 声のトーンを穏やかに。
  • 表情は穏やかに。
  • 姿勢よく(見た目の姿勢も心の姿勢も)
  • 気配り(親切)をする。



個人的考察

以上「基本的なコミュニーション共通要素」でした。



参考文献