生産活動で単価交渉をする際、押さえておきたいテクニック
今回はそれらの問題で使えそうなテクニックについて、科学的根拠から攻めて考えてみたいと思います。
値上げは少し先の未来に設定して提示するべし…!
まずは値上げ交渉のタイミングです。通常はそろそろ上げてもらえませんか…?とか来月から○○円にしてください…!って聞く形が多いと思いますが、これだと成果があまり出ないのは皆さんご存じのはず。そこで、ポイントになるのが値上げは少し先の未来に設定して提示すると良いということです。どういうことかというと、値上げ交渉に行った時、相手に翌々月や半年後、来年など少し先の未来を提示した上で単価を○○円にしてもらうように頼むということです。目先の損に対して人間は過敏に反応しますが、未来のことに対してだと気前がよくなるという心理があるためです。そのため、直近ではなく、少し先の未来での値上げを頼んでみましょう。価格交渉では金額に幅を持たせた方が良い…!
2015年のコロンビアビジネススクールの研究によると価格交渉では金額に幅を持たせた方が良いということです。実験は全部で5つ行ったそうですが、いずれの実験でも幅を持たせた交渉の方が上手くいったとのこと。では、幅を持たせた交渉ってのはどのような方法かと申しますと、例えば1500円で売りたいものがあれば1500円~2500円に設定して提示するみたいな感じです。相手に価格を選ばせるのがポイントで要は自己決定権を与えることが重要になります。因みにお願いする場合なんかも同じでして、BYAFメソッドと同じ原理になります。
またこの効果は反対のことでも起こるそうで、例えば割引をお願いする際も幅を持たせて言うと効果的とのこと。
つまり、金額を上げたい場合も下げたい場合も幅を持たせると良い…!ってことですね。生産活動の単価交渉や時給交渉で使えるテクニックかと思いますのでぜひご活用ください。
ピークテクニックを使おう…!
1994年のカリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究によるとピークテクニックを使うとお金がもらえる可能性が増えたそうです。ピークとは興味をひくという意味でして、ピークテクニックというのは相手に興味をひかせるテクニックのことを指します。
この研究の実験では待ち行く知らない人に、- 小銭を下さい
- 25セント下さい
- 37セント下さい
とお願いしたそうです。
そして、結果は、
- 小銭を下さい→44%もらえた
- 25セント下さい→64%もらえた
- 37セント下さい→75%もらえた
ということでした。
なぜ小銭を下さいと言うより25セント下さいと言う方が多くもらえたかというと具体的な金額だったためもらえる確率がアップしたからということです。
そして、なぜ25セント下さいと言うより37セント下さいと言う方が多くもらえたかというと中途半端で意外な数字だったからということです。相手にえ?と思わせる…。これがピークテクニックになります。実際ピークテクニックを使用した場合とそうでない場合で31%もお金がもらえる可能性が変わるのはすごいですよね~。
因みになぜピークテクニックを使用するとお金がもらえる可能性が上がったかというと、反論を抑えてくれる効果がある為ということです。普通町で知らない人に急にお金を下さいなんて言われたらなんであげなきゃいけないの…?って反論したくなりますよね…?だけど37円下さいって言われたら、なんでそんな中途半端な金額なんだろう…?って渡すことより中途半端な金額が気になりますよね。これが反論を抑えてくれているってことになります。
ピークテクニックはニューヨーク州立大学のメタ分析(信頼度が高い論文)でも効果が認められてます。このメタ分析では世の中にある有名な交渉テクニックを比較してみたんですが、
- ピークテクニック→効果値0.27
- それ以外(フットインザドア等)→効果値0.11
だったそうで、ピークテクニックの効果が他に比べ2倍以上あったそうです…!すばらしい…!
因みにフットインザドアとは最初に小さな頼みごとをしてOKをもらい、次に大きな頼みごとをしてOKをもらうテクニックです。相手は最初にOKしたから断りづらくなるって効果があります。有名ですよね。でも、この有名なフットインザドアより2倍の効果がでるのは本当にすごいです…!BYAFメソッドも使おう…!
以前に紹介したBYAFメソッドも十分効果を発揮するかと思います。BYAFメソッドは頼みごとをした最後に「でも、自分で決めた方が良いよ」というテクニックです。これで相手が頼みごとに応じる可能性が2倍になるのはうれしいですよね。
個人的考察
いかがでしたでしょうか…?
今回紹介したテクニックは単価や時給交渉、販売する際に使えるかと思います。
最後に紹介したテクニックを全て使うと、半年後に単価を23円から39円の間で上げてもらえませんか…?もちろん○○さんに全てお任せしますので…。と言う感じですかね。
是非ご活用ください。