今回はカリスマPTG(PTSG)などで紹介していた感謝について書きたいと思います。
というもの感謝は自分にとってすごく良い事だよ~と言っても、あ~分かる分かるとか知ってるよという声が聞こえてきそうですが、本当の意味で知っている人はどれだけいるのか疑問なのでここでは科学的に証明されている感謝の効果について挙げていこうと思います。



そもそもなぜ感謝しないのか…?感謝軽視バイアスを突破しよう…!

そもそも感謝は良い事だと皆が思っているんですが、なぜしないのでしょうか…?
実は感謝軽視バイアスってのがあるかららしいです。感謝軽視バイアスとは感謝なんかしてもウザいとか重いな~と相手が考えてしまうだろうな~という思い込みのことを言います。ですが、これは思い込みであって実際は違ったというのが結論です。
2018年のシカゴ大学の研究によると、重めの感謝の手紙を書いて相手に渡してもらったところ、

  • マイナスに思う人「0人」
  • うざい・重いと思う人「0人」

だったそうです。
まさにバイアスかかってるな~と思います。それどころか相手は想像以上に喜んだそうです。テレビで感謝の手紙を両親に書いた物を発表するみたいな企画をみたことがあるんですが、あれはエビエンスにのっとった素晴らしい企画だといえるのかもしれないですね~。
因みにこの論文によると、

  • 文章の上手下手は関係なかった
  • 直接言うと効果的だった

そうです。
更に、

  • 文章の温かさ
  • 感謝と伝えたい事

を書くといいそうです。



感謝をするなら三行日記(3行ポジティブ日記)がオススメ…!

早速結論から参りますと、感謝をするなら三行日記(3行ポジティブ日記)がオススメです。
三行日記(3行ポジティブ日記・Three Good Things Exercise・Three Blessings Exercise)はポジティブ心理学で有名なペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン博士の書籍に載っている有名な感謝の方法でして、

  • 毎晩寝る前にその日あった良いことを3つ書く…!

というものです。
因みにセリグマン博士は20世紀の偉大な心理学者トップ100で31位にも選ばれたポジティブ心理学の世界的権威・超大御所だったりします。



三行日記(3行ポジティブ日記)のやり方

続いて三行日記(3行ポジティブ日記)のやり方をもうちょい詳しく見てみましょう。
以下の研究でもご紹介いたしますが、様々な研究により3ステップを踏んで行うと良さそうな感じです。


ステップ1:準備

まずは、毎晩寝る前にペンと紙を用意します。紙はメモ帳でも構いませんが、出来れば振り返りやすい日記帳なんかがオススメです。もちろん電子媒体でも構いませんが出来れば手書きが良さそうな感じです。


ステップ2:1日を振り返り、その日にあった良い出来事(感謝したい事)を3つ挙げる

準備が出来たら、数分かけてその日にあった良い出来事(感謝したい事)を振り返ります。この振り返りの時間は、その日にあった良い出来事を認識し、感謝するための重要なステップです。
次にその中から良い出来事を3つ挙げて書きます。良い出来事とは感謝したい事で、大きな事から日常の些細な事まで様々な事が考えられます。一つの出来事につき1行か2行書ければ十分です。その良い出来事に対して、きづいたこと、感じたこと、なぜその出来事が起こったと思うかなどを書いてみてください。もちろん3行以上書いてもOKです。
そしてここでポイントなのが、良い出来事であれば、規模の大小を問わず何も書いてもOKです。ポジティブな経験というところを強調して書いてください。
もちろん誤字脱字、日本語になっていなくてもOKです(この辺はエクスプレッシブライティングと同じ)。兎に角、ポジティブ・良い・感謝したい、ということを書くことが大事です。
これらを行うことにより、良い出来事があったことを自覚し、その理由も知ります。その結果、感謝の気持ちが深まり、人生のポジティブな面が強調(強化)されます。


ステップ3:ある程度経ったら過去の3行日記を見返す

3行日記を1,2週間継続したら、過去の3行日記を見返してみましょう。
これを繰り返すことによって日々何気なく過ぎる良い出来事をより認識できます。
その結果、更に感謝の気持ちが深まり、人生のポジティブな面が強調(強化)されます。


効果を最大限得るには継続がカギ…!

3行日記の効果を最大限得るには、継続がカギとなります。
例えば、毎晩3行日記を書くことを1週間継続するだけで、その後、半年間効果が継続するみたいです。また、2週間継続すると、半年から1年効果が継続するそうです。
続ければ続けるほど、良さそうなので毎日書く習慣化を身に付けることを意識しましょう。



その他の感謝の心を鍛える方法

三行日記はちょっと難しいな~って方もいるかと思います。
ということで、ここでは三行日記以外の感謝の心を鍛える方法を挙げていきたいと思います。

  • その場で感謝できることを3つ考える。
  • 心の中で感謝を表現する。
  • 心の中で「ありがとう」と言う。

もちろん感謝したい相手がいれば直接言うに越したことはありません。
しかし、言うは易く行うは難し、なんで考えたり心の中で表現したり伝えるとよろしいでしょう。
因みに上記や前にも紹介しましたが感謝の内容は小さなことでいいそうです。自分で感謝する意識を常に持てるよう鍛えていき、最終的に表現できるようになると良いかと思います。



感謝で幸福度が一番上がるのは三行日記…!

続いて3行日記の効果はどの程度あるのかを調べた研究を見てみます。
2005年のセリグマン博士の研究によると、感謝で幸福度が上がるのは間違いないんだけど、どの方法がベストなのか調べてみたそうです。
この研究では三行日記の他にも、例えば自分のキャラクターの強みを活かすなどの方法を使ったりしたそうですが、感謝で幸福度が一番上がるのは三行日記だったとのこと。
なんでも三行日記を1週間継続するだけで、その後6ヶ月間にわたって、

  • 幸福度がアップ…!
  • 抑うつ症状が低下…!

したんだとか。
因みに感謝で幸福度が上がることについては、カリフォルニア大学デービス校のロバート・A.エモンズ教授の「Gの法則 感謝できる人は幸せになれる」にも書かれております。


  • 1日3回の三行日記を週3回つけた場合と、週1回つけた場合の効果を比較したら、週1回のほうが最終的な幸福度がアップした…!

ってお話もございます。
週1回の方が良いというのは驚きですが、日記を書く習慣を身に付けるなら週3回、できれば週4回以上の方がいいので、ここは難しいところです。個人的にはまずは三行日記を週4以上、できれば毎日書いて66日後から週を減らしていき、最終的に週1回にするのが良いのではないかと思います。

因みにこの三行日記(感謝)で幸福度がアップするという現象は追試でも確認されております。例えば、2012年のヨーク大学の研究でも三行日記(感謝)で幸福度がアップする効果が再現できたんだとか。

更に2017年のリムリック大学の研究によると、参加者192人(女性67.2%)を対象に3か月間、三行日記を試してもらったそうなんですが、

  • わずか2週間で6か月から1年続く効果が得られた…!

とのこと。
まずは1週間、できれば2週間続けてみてください…!



感謝で運動量が増える…!

んで上でご紹介したカリフォルニア大学デービス校のロバート・A.エモンズ教授の2003年の研究によると、感謝の気持ちが心理的及び肉体的な幸福度にどのような影響を及ぼすのかを調べたそうです。
実験は全部で3つ行われたそうで、

  • 一つ目の実験では、毎週感謝したいことを5個書く作業を10週間行ったグループは、比較グループよりも1週間の運動量が増えていた…!
  • 二つ目の実験では、毎日感謝したいことを5個書く作業を10週間行ったグループは、比較グループよりも25%も幸福度が上がっていた…!

とのこと。
理由は、感謝で人生をポジティブに捉えられるようになったからだそうです。



感謝で眠れるようになる…!

2011年のマキュアン大学の研究によると、睡眠不足が幸福度をダウンさせるけど、何か良い対策はないのか…?を調べたそうです。
研究は、慢性的な睡眠問題を抱えている大学生41人(男性9人、女性32人)を対象に、3つのグループにランダムに振り分けたとのこと。

  1. 電子メールに悩み事を書いて送る
  2. 電子メールに気晴らしした事を書いて送る
  3. 電子メールに感謝した事を書いて送る

結果、いずれの方法でも心配事や睡眠前の覚醒が減り、睡眠の質が改善したそうです。因みに開始から1週間ほどで全員が眠れるようになったそうで、なかなか良さそうな感じ。理由については、感謝のおかげで気持ちが静まったおかげとのこと。



うつ病の人こそ感謝すべき…!

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学者アレックス・コーブ博士の「上昇スパイラル:神経科学を使って鬱病を反転させる」という書籍には、うつ病を引き起こす脳のメカニズムや症状改善の為の方法なんかをいくつもご紹介しております。
んで、その対策の中には定番のリラックス法や日光を浴びるって話もあるんですが、ここで面白いのが何かに感謝するというテクニック。
なんでも、SSRIやSNRI抗うつ薬としてどうして有効なのかですが、やる気ホルモンドーパミン幸福ホルモンセロトニンがともに増えるからなんですな。まぁ、この辺は基礎となるモノアミン仮説が間違いかも…?って話が近年出てきているんで、あやしいところはあるものの、実際うつ病患者さんのドーパミンやセロトニンが少ないのは事実ですからね。
そしてコーブ博士によれば、薬を使わず自然にドーパミンとセロトニンの分泌を促進できる方法が感謝とのこと。
その仕組みは、

  • 感謝をする→ドーパミンを産み出す脳エリアが活発に…!→結果、他者とのコミュニケーションが楽しくなるしドーパミンも分泌される…!
  • 感謝をしようと考える→自然とポジティブな事を考える→セロトニンを産み出す脳エリアが活発に…!→結果、セロトニンが分泌される…!

って感じ。
感謝をすることを考え実際に行うことは前頭前野の活発化や視床下部の活性化、神経伝達スピードのアップといった効果があるんで、上記のような流れになるみたい。
とはいえ、うつ病で特に沈んでいるときに感謝しよう…!って言われても無理ですよね。しかし必ずしも感謝する事をしなくても良いみたいで、ポイントは感謝する相手(人以外でも物事でも何でも良い)を考えて見つける作業を行うだけでも効果があるんだとか。これならなんとか出来そう。てか、なんかこう考えると慈悲の瞑想に効果があるのも納得ですよね。

その他の方法としては以前ご紹介したラベリングが良いそうです。また意外だったのが決断意思決定目標設定なんかを含む行為ってのも脳が活性化するんで良いそうです。
それと最後にいずれも大事だったのは受動的ではなく能動的であるということ。ACTにもある、価値の明確化とコミットメント、つまり実際に自分でそれをやると決めてやる…!ってのが大事なんだとか。言われてみりゃ至極当然なんですが、他人から言われて不承不承でやるより、自分で決めてやる方がネガティブにならんし、ドーパミンもセロトニンも出ますわな。
ということで、コーピングレパートリーに「感謝する」とか「感謝する相手を考える」ってのを加えてみてはどうでしょうか…?



他にも感謝の効果はある…!

上記以外にも感謝の効果はありまして、

  • カリスマ性が身に付く
  • セルフコントロール(忍耐力)がアップする
  • 衝動買いが減る
  • 貯金が増える
  • 不安・緊張がなくなる
  • 反芻思考がなくなる
  • 余裕が身に付く
  • 器の大きな人間に見える
  • レジリエンス(逆境を乗り越える力)にも使える
  • コミュニケーション能力が上がる(シカゴ大学の研究)
  • 免疫力が上がる
  • 血圧が下がる
  • ポジティブな感情のレベルが上がる
  • 死亡率が下がる
  • 成功率がアップする

といった感じです。すさまじい効果ですよね…!幸福感にあふれ、ネガティブな感じがなくなり、しっかり眠れて運動して、お金はたまるし逆境にも強くなってコミュニケーションが良好で周りからも良く見られる上に、健康状態も良くなる…。まさに人生イージーモードへの足掛かり的な感じ…!
これは感謝しないのはもったいない…!



個人的考察

いかがでしょうか…?
「感謝しよう…!」は決してうすっぺらい話ではないということを感じていただけたかと思います。また、どう感謝すべきかというのも少しはイメージできたのではないでしょうか…?
最後に感謝を相手に伝える際は手紙と上記では紹介していますが、別にLINEやメールでもよろしいかと思います。また、感謝の日記についても、ブログやツイッターなどで書いてもよろしいかと思います。
感謝は相手に伝える必要はないですが、言葉にするのが大事です。もちろん伝えてもOKなのでまずは自分で言葉にしていき、いつか相手に伝えるのがよろしいかと思います。

私も意識して小さなことでも感謝を伝えるようにしているつもりですが、まだまだ足りないので引き続き意識しないとな~。

ということで、ブログをご覧になっている方々、ありがとうございます。
そして、こんな自分の下で働いているスタッフの皆さん、ありがとうございます。
事業所を利用してくださる皆さん、ありがとうございます。
皆様には日々色々と助けてもらい感謝しています。これからもよろしくお願いします。



参考文献