ポケモンGO(位置情報ゲーム)の研究を見てみよう!その43「ポケモンGOの健康効果は純粋な娯楽を超えた目的を果たすのか?」
ポケモンGOの健康効果は純粋な娯楽を超えた目的を果たすのか系統的レビューで調べてみた…!
2021年のノルウェー科学技術大学の系統的レビューによると、ポケモンGOによる健康効果の先行研究結果をまとめてみたそうです。
因みに研究者曰く、
- 本研究の目的は、ポケモンGOなどのARゲームがプレイヤーの生活のいくつかを大幅に改善し、純粋な娯楽を超えた目的を果たすことができるのかを調査した
とのこと。
んで具体的には以下の4つの疑問について見てみたらしい。
- ポケモンGOによる身体的健康への影響:ポケモンGOは身体活動レベルにどのような影響を与えるのか、また短期的と長期的で効果が変わるのか…?
- ポケモンGOによる精神的健康への影響:ポケモンGOはメンタル面にどのような影響を与えるのか…?
- ポケモンGOによる社会的健康への影響:ポケモンGOは社会生活や人間関係にどのような影響を与えるのか、またゲームの社会的要素はなんなのか…?
- ポケモンGOとモチベーションと動機の関係:プレイヤーのモチベーションと動機がポケモンGOにどのような影響を与えるのか…?
では系統的レビューの流れを見ていきましょう。
まず研究者たちは、2018年9月7日~28日、2019年5月29日~6月19日の2回に分けて該当する研究がないか検索してみたそうです。この時使われたデータベースは、
- Google Scholar
- Science Direct
- Wiley InterScience
- Web of Science
- Scopus
の5つだったそうで、これらを順番に検索、その後、ヒットした研究の参考文献なんかもチェックしたとのこと。すると全部で1,534件(ほとんどがGoogle Scholar)も見つかったそうな。
続いてこの中から該当基準を満たしているか、除外基準に該当するかを見て行ったそうで、最終的には59件の研究が選ばれたみたい。因みにこの59件の研究は上記の4つの疑問の1つ以上を調べたものとなっております。
では系統的レビューの結果を見てみましょう…!
- ポケモンGOによる身体的健康への影響:ポケモンGOは、歩数の増加、移動距離の増加、運動時間の増加で、身体的健康に明らかなプラスの効果があった…!但し、この効果は時間の経過とともに減少してしまい、ポケモンGOをやめるとなくなってしまうことも分かった…。
- ポケモンGOによる精神的健康への影響:ポケモンGOは、運動への意欲、認知能力、幸福感、不安の減少、社会不安の減少、開放性(知的好奇心)のアップなど、メンタル面に有意なプラスの効果があった…!この効果はプレイ時間に関係しているが長期的な影響を調べた研究はなかった。ありえそうな悪影響は、長期間プレイによる依存症や運動の意欲低下が挙げられた。
- ポケモンGOによる社会的健康への影響:ポケモンGOは、家族や友達との関係性を強め、社会的交流を増やし、社会不安を軽減し、新しい友達を作るという点で、プラスの効果があった…!
- ポケモンGOとモチベーションと動機の関係:ポケモンGOを始めて続ける理由は、楽しくてのめり込める感じだから、運動になるから、社会的な理由(家族・友達との交流や新たな友達を作る)から、懐かしさやポケモンが好きだからとのこと。また6ヶ月以上続けていた人は協調性やセルフコントロール(忍耐力・計画性)があるという特徴もあった…!ポケモンGOをやる頻度が減る、辞める理由は、進行が遅いこと(やることがなくなること)、時間と労力がかかりすぎること(特に途中からレベル上げが一気にきつくなる)、技術的な問題などがあった。
やはりこれまで見てきた先行研究の内容は大枠として正しそうですね~。
個人的考察
ということで、ポケモンGOの研究をまとめてみると、身体的健康・精神的健康・社会的健康に良さそうな感じです。