先週の続きです
以前にも書きましたが、ポケモンGOの研究の紹介では、良い結果の物ばかりではなく、悪い結果の物もご紹介しております。んで今回は悪い結果のものです(笑)
ということで、雑学の記事になりまーす。


ポケモンGOとゲーム依存症リスクの関係

2022年のシレジア医科大学の研究によると、ポケモンGOとゲーム依存症リスクの関係について調べてみたそうです。
この研究は、2021年3月~6月にかけてポーランドに住む1,134人のポケモンGOプレイヤーを対象にしたというもの。実験は参加者全員にアンケートを行った感じでして、その後、しっかり答えてくれたアンケートを選んでいったみたい。
その結果、正しく記入されていたアンケートは990人だったそうな。この990人のうち男性が545人(65.1%)で女性が445人(34.9%)だったそうです。また回答者の71.4%は18~30歳(21±2歳)の方だったらしく、残りの28.6%の方は30歳以上(34±1歳)だったらしい。
んで、アンケートでは主に以下の2点について聞いてみたんだとか。

  1. ポケモンGOに関する感情と感覚に関すること。
  2. ポケモンGOへの依存に関すること。

最後に集まったデータを統計処理して傾向をチェックしたみたい。
ということで、まずはどれぐらいポケモンGOをやっているかの結果から見ていきましょう。

  • ポケモンGOを毎日行っている人は84.7%だった。2〜3日おきに行っている人は11.2%だった。それ以下の人はわずか4.1%だった。
  • 70.4%の人は2016年7月のポケモンGOリリース以降ずっとプレイしていた。14.6%の人は約2年間プレイしていた。10.0%の人は約1年間プレイしていた。
  • 1日のプレイ時間が2時間未満の人が52.6%だった。2〜3時間の人が約26.3%だった。3時間以上の人が14.7%だった。
  • 90.0%以上の人が課金していた。平均すると71.3%の人が1か月に50ズウォティ(約2,000円)以上課金していた。28.7%の人が1か月に50ズウォティ(約2,000円)未満課金していた。

アンケートに答えた人の7割はリリースからずっとやり続けているみたいですね。しかも毎日やっている人がほとんどで1日の時間は2時間未満が多いみたい。細く長くって感じですな。それと課金している人が7割ってのは多いのか少ないのかちょっと気になりました。
では次に、身体活動の結果を見てみましょう。

  • 64.3%の人はポケモンGOで身体活動が改善したと感じていた…!
  • 33.7%の人はポケモンGOで身体活動は変わらなかったと感じていた。
  • 2%の人はポケモンGOで身体活動が悪化したと感じていた。
  • 上記の主観的な身体活動の評価は実際の身体活動の状態に反映されていた…!
  • ポケモンGOを始める前の身体活動(ウォーキングやランニング、サイクリングなど)については、1日30~60分が60.1%、60分以上が29.6%だった。
  • ポケモンGOを始めた後の身体活動(ウォーキングやランニング、サイクリングなど)については、1日30~60分が22.3%、60分以上が74.5%だった…!
  • つまり、ポケモンGOによりより長く(60分以上)運動する人が増えていた…!
  • これは、ポケモンGOが運動する重要な動機であったことを示している…!

以前から何度も見られてきたとおり、今回もポケモンGOで身体活動がアップしていたみたいですねー。やっぱ位置情報ゲームは運動を促す効果があるみたい。
今度はメンタル面を見てみましょう。

  • 55.3%の人はポケモンGOでメンタルに変化がなかったと感じていた。
  • 23.7%の人はポケモンGOでメンタルが改善したと感じていた。
  • 21.0%の人はポケモンGOでメンタルが悪化したと感じていた。
  • 約62.2%の人はポケモンGOで対人関係に変化がなかったと感じていた。
  • 36.7%の人はポケモンGOで対人関係が改善したと感じていた。
  • 1.1%の人はポケモンGOで対人関係が悪化したと感じていた。

メンタル面は変化なしって感じですね。
最後にポケモンGOのメリット・デメリットからみるゲーム依存症リスクについてです。

【ポケモンGOのメリット】
  • 楽しい・ストレス解消になる:64.6%
  • 運動のきっかけになる:23.2%
  • 共通の仲間が出来る:12.2%

【ポケモンGOのデメリット】
  • 自由な時間がなくなる(依存症):42.3%
  • 競い合うことの不満:29.6%
  • 対人トラブル:28.1%

【ゲーム依存症リスク】
  • 72.3%の人はポケモンGOで何らかの依存症リスクを抱えていた…!
  • 上記に該当する人の傾向は、男性、年齢が18~30歳、独身、中卒以上、人口10万人以上の大都市に住んでいる、だった…!

メリット・デメリットも先行研究で聞いたことがある感じの物でしたね。
またポケモンGOも他のゲーム同様、依存リスクがある…!って結果だったみたいです。



個人的考察

…っとこんなのを聞くとビビっちゃいますが、

  • インターネットでのアンケートなんでエビデンスは低い
  • そもそもポケモンGOプレイヤーを対象にしているから、それに時間を費やして他のことをする暇がない、依存っぽい傾向の結果が出るのは当たり前
  • コントロールグループを用意せず比較もしていない

って感じでして、これだけをみてポケモンGOでゲーム依存症になるとはならないかと。
むしろ、否定的な感じの研究でも運動効果が認められたり、メンタル面も可もなく不可もなくって結果が出ているんで、こちらの方が注目してしまいましたな(笑)



参考文献