今回は、運動で不安感が減るのか精神障害の方を対象にした研究を見てみます。



運動はうつ病や統合失調症の患者さんにも効果アリ…!

2014年のシドニー大学ジョージ国際保健研究所の研究によると、精神疾患の患者さんに身体活動が有効なのか系統的レビューとメタ分析で調べてみたそうです。
まず研究者たちは、MEDLINE、コクラン、PsycINFO、CINAHL、Embase、PEDro(Physiotherapy Evidence Database)というデータベースを用いて、2013年までに発表された先行研究を検索してみたそうな。
次にその中から、ランダム化比較試験(RCT)やDSM-IV-TRICD-10、医師の診断などで気分変調症や摂食障害以外の精神疾患(うつ症状や統合失調症など)と診断された成人の研究をピックアップしていったらしい。また質の低い研究なんかも除外していったみたい。
最終的に選ばれたのは39件の研究でして、これらを用いてメタ分析にかけてみたそうです。
その結果、

  • 身体活動はうつ症状の軽減に大きな効果(SMD=0.80)があった…!
  • 質の高い研究の効果(SMD=0.39)は、質の低い研究の効果(SMD=1.35)よりも小さかった。但し、統計的な有意差はなかった…!
  • 身体活動は統合失調症の症状の軽減に大きな効果(SMD=1.0)があった…!
  • 心肺機能アップ(SMD=0.63)や生活の質の向上(SMD=0.64)にも中程度の効果があった…!

とのこと。
運動はうつ病や統合失調症の患者さんにも効果アリ…!って感じですな。



個人的考察

因みにこのメタ分析で使われた研究の運動方法を見てみると、

  • プログラムによる運動
  • 運動のカウンセリング
  • ライフスタイルへの介入
  • 太極拳
  • ヨガ

だったそうで、有酸素運動なら強度はそんなに気にしなくて良さげな感じ。
これはハードルが低くて大変よろしいですな。



参考文献