先週の続きです
前回はポケモンGOでゲーム依存症になるかも…!っていう、ちょっとビビる研究を見てみました(笑)
今回は逆にポケモンGOのメリットになりそうな研究です。というのも精神障がいの方を対象にした初の研究なんですよ…!
…ってことで早速見ていきましょう…!



精神障害を持つ人がポケモンGOを行うと社会的機能と生活満足度がどう変化するのか調べた最初の研究の話

2022年のマッケンジー長老派大学の研究によると、精神障害を持つ人がポケモンGOを行うと社会的機能と生活満足度がどう変化するのか調べてみたそうです。
なんでも研究者曰く、

  • 私たちの知る限り、現在までに精神障害を持つ人々がポケモンGOをプレイすることによって得られる潜在的なメリットを調べた研究は発表されていない

とのこと。これは是非チェックしておきたいですな。
ということでまず研究者たちは、2019年4月から8月にかけて様々なSNS(Facebook、WhatsApp、Discord、Telegram、redditなど)を使い実験参加を呼び掛けてみたそうな。
すると、503名の方が名乗りを上げたらしい。続いてこの方々にオンラインアンケートに答えてもらったみたい。その後、18歳未満の方のアンケート、生年月日を記載していない又は未来の日付を入力したアンケートを除外したそうです。その結果、サンプル数は434名になったそうな。
因みに参加者の概要はこんな感じ。

  • 平均年齢:31歳
  • 年齢範囲:18歳~69歳
  • 性別:男性285名、女性144名、その他5名
  • アンケート回答時点でのポケモンGOプレイの有無:全員ポケモンGOをプレイしていた
  • ポケモンGOのプレイ期間:ほとんどの参加者は数年間ポケモンGOをプレイしており、日々、積極的にプレイしていた
  • ポケモンGOを始める前の趣味:322名はインドア派の趣味、18名はアウトドア派の趣味、42名は両タイプの趣味を持っていた
  • 精神障害の有無:90名が精神障害の正式な診断を受けていた(自己申告)

更に精神障害の診断名についても見てみると、うつ病、不安症、ADHD(注意欠陥(欠如)多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、強迫性障害(OCD)、双極性障害、境界性パーソナリティ障害、パニック障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、全般性不安障害、社交不安障害(社交不安症・社交恐怖症)、トラウマ、解離性障害、バーンアウト、不眠症、ディスレクシア(失読症)、言語障害、過食症となかなか広範囲にわたっていらっしゃった様子。
んで、参加者が答えたオンラインアンケートなんですが、Googleフォームを利用したとのこと。また質問内容は、基本情報、社会的経済的地位、ポケモンGOのプレイ習慣、ポケモンGOを始める前と後でのライフスタイル・社会的機能・生活満足度の変化や影響についてに関することだったみたい。
最後に集まったアンケートを統計処理し、心理的・社会的影響についてチェックしたそうです。
ではまず、全体的な結果から見てみましょう。

  • ポケモンGOを始める前よりも始めた後の方が生活満足度、社会的能力、社会性がアップしたと答えていた…!
  • また、ポケモンGOを始める前の生活満足度、社会的能力、社会性が普通又はネガティブな評価の人もポケモンGOをプレイすることにより、ポジティブな評価へと変わっていた…!
  • 社会的能力がアップすると社会性・生活満足度もアップし、社会性・生活満足度がアップすると対面でのプレイヤー交流もアップしていた…!
  • また、ポケモンGOにより社会的能力がアップしたと自覚する人ほど、社会的交流のポジティブな評価と量がアップ、結果として生活満足度もアップしているようだった…!
  • 更に、対面でのプレーヤーの遭遇数が多い程、生活満足度への影響が大きくなっていた…!
  • 仲間とプレイ派とソロプレイ派、どちらでも生活満足度、社会的能力、社会性がポケモンGOによりアップしていた…!
  • 仲間とプレイしたいけど、主にソロプレイするという参加者の生活満足度、社会的能力、社会性が最もアップしていた…!

ということで、全体的にはポケモンGOにより社会的機能も生活満足度もアップした…!って感じでした。
では続いて、精神障害を持つ人がポケモンGOを行うと社会的機能と生活満足度がどうなったか結果を見てみましょう。

  • 精神障害と正式な診断を受けている参加者は、診断を受けていない参加者よりも、生活満足度・社会的能力・社会性の評価が低かった…。
  • また、精神障害を持つ参加者のポケモンGOを始める前の生活満足度・社会的能力・社会性の評価はスケールの中央値よりも下回っていた…。
  • しかし、精神障害を持つ参加者のポケモンGOを始めた後の生活満足度・社会的能力・社会性の評価は、スケールの中央値を上回っていた…!
  • 精神障害と正式な診断を受けている参加者は、診断を受けていない参加者よりも、生活満足度と社会性が有意にアップしていた…!
  • また、うつ病レベルと不安レベルが高い参加者程、社会性がよりアップしていた…!

つまり、精神障害を持つ人がポケモンGOを行うと社会的機能と生活満足度がアップし、更にポジティブな状態になっていたってことですね。すごい…!



個人的考察

どうやらポケモンGOは、精神障害を持つ人の心理的・社会的側面にプラスの影響をもたらすみたいですね。
そうなると以前に紹介した
の研究で書かれていた、引きこもりに使えるかも…?ってのも期待できるのかもしれませんね。