【まとめ】音楽・BGMはどの場面で聞くと効果的か?
以前書いた通り、音楽にはストレス解消効果があったり、メンタル安定の効果があったり、アイディアが浮かびやすくなったり、性格が推測できたりします。あ、注意をそらすのにも有効なんてのも書きましたね。
でも、この音楽というもの。実は聞いてはいけない場面もありまして…。今回はそんな内容です。
単純作業の効率アップにBGMは使える…!
1972年のバーミンガム大学の研究によると、BGMと生産性の関係について調べてみたそうです。この研究は同じことを繰り返し行う単純作業中にBGMをかけると、作業効率がアップするのか調べたものでして、早速結果を見てみますと、
- 同じことを繰り返し行う単純作業中にBGMをかけると作業効率がアップした…!
- この効果は、機械音などによってうるさい職場環境でも効果的だった…!
とのこと。
簡単な作業を繰り返し行う場合はBGMを使った方が良さそうですねー。
この研究は大学生66人が参加したもので、以下の3パターンの状況でテストを受けてもらったそうな。
- 激しい音楽が流れる中でテストを行う。
- 静かな音楽が流れる中でテストを行う。
- 音楽がない中でテストを行う(対照群)
因みに使われた音楽はクラシックやジャズ、ブルース、カントリー、ロックなどだったらしい。それと併せてテストの前後にテストへの心配や興奮度、集中力、音楽の好き嫌いなんかのアンケートに答えてもらったそうな。
最後にそれらのデータを照らし合わせてみた結果、
- 激しい音楽で心配や興奮といった感情が大幅に増加した…!
- 静かな音楽は対照群よりも不安の影響が少なかった…!
- テストのパフォーマンスは音楽の影響を受けなかった…!
とのこと。
どうやら音楽で気持ちは分かるけどテストには影響がなかったみたいですねー。
クラシックで脳が活性化…!自然音でもっと活性化…!
2013年のスタンフォード大学の研究によると、音楽と脳機能の関係について調べてみたそうです。
この研究は一般の参加者にクラシックと自然音を聴かせつつ、脳内を見てみたというものでして、早速結果を見てみますと、
- クラシックを聴くと、様々な脳領域が活性化していた…!
- 但し、クラシックよりも自然音の方がその効果は大きかった…!
とのこと。
どうやら勉強中にクラシックを聴いても良さげなんだけど、森林とか川の音みたいな自然音を聴いた方が良いみたい。
無音とどっちが効果的なんですかね~?
仕事や勉強、読書の時は無音が良さそう…!
2007年のグラスゴー・カレドニアン大学の研究や2010年のケムニッツ工科大学のメタ分析によると仕事や勉強、読書などの知的作業中のBGMは悪影響しかもたらさなかったそうです。つまり、- 仕事中は無音がベスト…!
- 勉強中は無音がベスト…!
- 読書中は無音がベスト…!
ってことになります。因みにBGMは文章を読むのを妨げる(集中力を妨げる)、記憶力にも少しの悪影響があったそうです。これは実体験からも激しく同意できる話で無音が一番集中できるんですよね~。おそらく少しのBGMでもマルチタスク状態に陥ってしまうんでしょうね…。
但し、研究によれば、感情面やスポーツの能力には良い影響があったみたいなんで運動のときにBGMを聞くのはアリかもしれません。
良いアイディアを思いつきたいならBGMは有効…!
なんだかこのままだとBGM=悪いイメージしか残らなそうなんで(笑)、ここでメリットもご紹介。2012年のJournal of Consumer Researchに掲載された研究によると、カフェやテレビぐらいの音量(70デシベル)のBGM(ノイズ)がある状態が人間のクリエイティブ性を最も高くするんだそうな。つまり、良いアイディアを思いつきたいときにBGMは使えそう…!ってことになりますね。
この研究は、麻酔と手術を受ける予定の18~65歳の患者さん93名を対象にしたもので、以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。
- 音楽グループ:麻酔と手術前に30分間音楽を聴いてもらった(48名)
- コントロールグループ:普通に過ごしてもらった(45名)
因みに音楽はヘッドフォンを用いて聴いてもらったそうです。
最後に集まったデータを見てみた結果、以下のようになったそうです。
- 音楽グループはコントロールグループに比べ、不安レベルが有意に低かった…!
- 音楽グループの参加者の不安レベルは音楽を聴く前と聴いた後で16%も減少していた…!
- コントロールグループの参加者の不安レベルに大きな変化はなかった。
- 音楽を聴いた後も、収縮期血圧や拡張期血圧に有意差はなく、コルチゾール、カテコールアミンも大幅に変化しなかった。
やっぱ音楽はストレスを感じる前に聴くと良さそうですねー。
この研究は24人の学生が参加したもので、最初に全員の唾液に含まれるコルチゾールをチェックしたそうな。続いて以下の2グループに分かれてもらいストレステスト(心理的ストレスのかかる作業)を行ってもらったらしい。
- リラックスできる音楽が流れる場所でストレステストを行う。
- 無音でストレステストを行う。
併せて、テスト中にも定期的にコルチゾールをチェックしたとのこと。
最後にデータを比較してみた結果、
- リラックスできる音楽が流れる場所でストレステストを行うと、ストレス終了後にコルチゾールレベルの増加が止まった…!
- 無音でストレステストを行うと、ストレス終了後の30分間、コルチゾールレベルが増加し続けていた…!
みたい。
つまり、音楽を聴く事によって心理的ストレス後ちゃんとコルチゾールが元に戻っていくってことですな。コルチゾールが高止まりし続けないってのは慢性ストレスを溜めない大事なポイントなんで、ストレス後に音楽を聴くのも良さそうですねー。
ということでストレス(不安・緊張など)がかかる前後に音楽を聴くと良いみたいです。
音楽を聴くと男性はテストステロンが下がる…!女性はテストステロンが上がる…!
2006年の奈良教育大学の研究によると、音楽とテストステロンの関係について調べてみたそうです。
この研究は健康な大学生70名(男性35名、女性35名、年齢範囲19~25歳、平均年齢21歳)を対象にしておりまして、70名のうちの40名は音楽を専攻しており、残りの30名は音楽を専攻していなかったそうな。また、今回音楽と女性のテストステロン値の関係もみたかったので、月経周期が安定している方のみを選んだとのこと。
実験は以下の6グループに分かれて30分間、割り振られた音楽を聴く、又は音楽を聴かないでいてもらったみたい。
- 自分の好きな音楽を聴いてもらう:10名(男性5名、女性5名)
- グレゴリオ聖歌:10名(男性5名、女性5名)
- モーツァルト:10名(男性5名、女性5名)
- ジャズ:10名(男性5名、女性5名)
- ポピュラー音楽:10名(男性5名、女性5名)
- 音楽を聴かない(対照群):20名(男性10名、女性10名)
因みにテストステロンの分泌は1日の中で変動があるため、静かな実験室で決まった時間(14時~17時の間)に行ったらしい。併せて実験開始前後に唾液サンプルを取ってテストステロン値もチェックしたんだとか。
結果、
- 男性の場合、どの音楽を聴いてもテストステロン値が下がっていた…!
- 女性の場合、どの音楽を聴いてもテストステロン値が上がっていた…!
とのこと。
また、好きな音楽と嫌いな音楽、提供された音楽と自分で選んだ音楽との間に顕著な差はなかったらしい。
個人的考察
- 仕事や勉強を行う前に音楽を聴いて、気持ちをリラックスしたり、気分を上げて、仕事中や勉強中は無音で行う(自宅や図書館なんかが良いかも)
- 良いアイディアを思いつきたいときは70デシベルのBGMを聞く(カフェに行く、テレビをつける)。思いついて実際に形にするときは無音で行う
ってのが良さそうな気がします。
因みに当ブログは、
- ブログで何を書くか考える時は、70デシベルのBGMを聞きながら行う
- ブログを実際に書く時は、無音で行う
ようにしています(笑)。70デシベルの良いBGMが欲しい…!という方は過去に別記事で紹介した、こちら(https://hipstersound.com/index.html)をお使いください。インターネットにつながっていればその場で自分で音源を選んで作れますんで便利です。
それと事業所で軽作業を行っているときはBGMをかけると良いかもしれませんねー。また頭を使う作業中は自然音が良いのかもしれませんな(眠くなりそうですが)
参考文献
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0305735607076444
https://www.researchgate.net/publication/221898291_The_impact_of_background_music_on_adult_listener_A_meta-analysis