【まとめ】オメガ6脂肪酸が多いと何がヤバいのか?
オメガ6脂肪酸ってなに…?
オメガ3脂肪酸と同じくオメガ6脂肪酸も多価不飽和脂肪酸であり、体内で作れない必須脂肪酸の一種となっております。主に大豆や菜種といった種子類から作られるサラダ油や植物油に多く含まれております。
具体的には、
- キャノーラ油
- 大豆油
- コーンオイル(コーン油)
- ベジタブルオイル
- サフラン油
- サフラワー油(ベニバナ油)
- サンフラワーオイル(ヒマワリ油)
- 菜種油
- パーム油
などに多く含まれている脂肪酸です。
んで、上記に挙げたサラダ油や植物油は製造の過程でかなり熱を加えて加工して作ります。当然その際、熱により酸化が進んでしまうので、出荷され、店頭で売られている時点ですでに、かなり酸化してしまった状態となっているのです。そして、酸化は全身に炎症をもたらします。これは2007年のウーロンゴン大学の研究なんかでも出ていて、オメガ6脂肪酸は非常に酸化に弱いそうで、それが代謝や寿命にも関わっているんじゃないかとまで言われております。
つまり、オメガ6脂肪酸は体内の炎症を促進させてしまう脂肪酸ということになります。更に体内のオメガ3脂肪酸が減るとオメガ6脂肪酸は効果が強まってしまうんですよね。逆にオメガ3脂肪酸が増えるとオメガ6脂肪酸の効果は弱まります。つまり、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は反比例の関係にあると言えますね。
そして現代は、揚げ物を中心とした加工食品が非常に多いため、当然オメガ6脂肪酸の摂取量も非常に多くなっております。もちろん、揚げ物に使って問題ない油もありまして、オリーブオイルやココナッツオイル、バターやギー、牛脂やラードなどは問題ありませんが、巷で売られている物はコスト面から基本的に使われていません。
一方で魚を食べる機会などは少なくなっているためオメガ3脂肪酸の摂取量は少なくなっています。そのため、セットポイントが狂い肥満になってしまうといったことが起こってしまうのです。
では、次にオメガ6脂肪酸が多いとどのような影響があるのかみていきたいと思います。
4世代にわたって影響を調べた…!
2010年のニース・ソフィア・アンティポリス大学の研究によると、オメガ6脂肪酸を多く含んだエサを与えたオスのマウスとメスのマウスをランダムに交配させていったそうです。更に生まれたマウスにも同じようにオメガ6脂肪酸を多く含んだエサを与えたとのこと。これを4世代にわたって行ってみた結果、
そうです。
1グループ当たり、6から11匹のマウスを用意して、総カロリーの60%を上記高脂肪食にして食べさせたみたいです。
- 食べる量は変化しなかったが、子孫のマウスの脂肪量は徐々に増加した…!
- インスリン抵抗性がアップしていた…!
そうです。
早速結果をまとめると、
- オメガ3脂肪酸は2000kcalの食事に対して、3.5g摂取すると良さそう
- オメガ3脂肪酸の摂取量はオメガ6脂肪酸の摂取量を減らすことで、その量の10分の1に減らしてもOK
と言うことです。
体重・脂肪量・インスリン抵抗性アップ…!
2003年のウェイン州立大学の研究によると、ラットにオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸などで作られた高脂肪や低脂肪のエサを与えたり、運動させたり、させなかったりして、代謝に違いが出るのかと調べたとのこと。結果、オメガ6脂肪酸の多いエサを食べたラットはオメガ3脂肪酸の多いエサを食べたラットよりも、
- 体重が増加した…!
- 脂肪量が増加した…!
- インスリン抵抗性が悪化した…!
と言うことです。
オメガ3脂肪酸で痩せるかも…?オメガ6脂肪酸でインスリン抵抗性が悪化する…!
1996年の国立健康・栄養研究所の研究によると、高脂肪食を与えられたマウスは、高血糖と肥満になるけど、脂肪の種類によって違いが出るのか…?を調べたそうです。因みに脂肪の種類は以下の7種類用意したそう。19週間後の結果は、
- オメガ3脂肪酸は体重減少に役立つ可能性がある…!
- オメガ6脂肪酸の摂取量の増加は、インスリン抵抗性を悪化させる可能性がある…!
そうです。
オメガ6脂肪酸で乳腺に腫瘍が出来やすくなるかも…!
1985年の研究によると、ラットに様々な量のオメガ6脂肪酸を含むエサを与えたそうです。結果、オメガ6脂肪酸には乳腺に腫瘍を出来やすくさせる可能性があったそうです。オメガ6脂肪酸で太る…!
1993年のガーヴァン医学研究所の研究によると、オスのラットに、牛脂、オリーブオイル、ベニバナ油(オメガ6脂肪酸)を多く含んだ高脂肪食を食べさせて代謝の違いなどを調べたそうです。因みにこの時、亜麻仁油と同じ量のオメガ3脂肪酸が含まれるようにしたとのこと。つまり、オメガ3脂肪酸の量を同じにして、オメガ6脂肪酸の量だけ違うようにしたってことですね。
結果、ベニバナ油(オメガ6脂肪酸)を摂取したラットは、牛脂だけを摂取したラットに比べて、12.3%も体重が増えてしまったそうです。
脂肪量が増える…!
1966年の研究によると、高齢の男性をランダムに2グループに分けて以下の食事をしてもらったそうです。
- 今までと同じ普通の食事
- 飽和脂肪酸の代わりに不飽和脂肪酸を使用する食事(≒オメガ6脂肪酸を多くする)
期間は5年間で、その間のコレステロール値や体脂肪なんかの変化をチェックしたとのこと。
結果、オメガ6脂肪酸を多く摂ると、実験スタート時、総脂肪酸の量が11%だった人が、5年後、32%になっていたそうな。
オメガ6脂肪酸+高炭水化物(高糖質)を合わせると更に太る…!
2008年の南デンマーク大学の研究によると、マウスにオメガ6脂肪酸と高炭水化物食を組み合わせたエサを与えてみたんだそうな。
結果、2つを合わせて食べると脂肪生成が促進されてしまったそう。オメガ6脂肪酸に高炭水化物(高糖質)を合わせると更にヤバくなる…!ってことですね。
アルコールで肝臓ダメージがある場合、脂肪肝が悪化する…!
2005年のインディアナ大学の研究によると、オスのマウスを4グループの分けたそうです。
- オメガ6脂肪酸(主にコーン油)が多いエサを食べさせる
- エタノール(総カロリーの27.5%がエタノール)+オメガ6脂肪酸が多いエサを食べさせる
- 高飽和脂肪酸食(カロリーの40%が脂肪で主にカカオバター)
- エタノール+高飽和脂肪酸食
結果、アルコール(エタノール)で肝臓にダメージを受けたマウスがオメガ6脂肪酸の多いエサを食べていると、脂肪肝が悪化したとのこと。
つまり、お酒で肝臓が弱っているところにオメガ6脂肪酸を摂取すると、肝臓病の発症率、悪化が一気に高まるみたいですね。
アルコールで肝臓ダメージがある場合、肝臓病の発症率がアップする…!
1995年のニューイングランドディーコネス病院の研究によると、オスのラット15匹を以下の3グループ(1グループ5匹)に分けたそうな。
- フィッシュオイル(オメガ3脂肪酸)+エタノール食を6週間食べさせた
- フィッシュオイル(オメガ3脂肪酸)+エタノール食を6週間食べさせた後、フィッシュオイル+グルコース食を2週間食べさせた
- フィッシュオイル(オメガ3脂肪酸)+エタノール食を6週間食べさせた後、パーム油(オメガ6脂肪酸)+グルコース食で2週間食べさせた
その後、肝臓をチェックしたとのこと。
結果、オメガ6脂肪酸を多く与えられたラットはオメガ3脂肪酸を多く与えられたラットに比べて、肝臓病(脂肪肝、炎症、壊死)を発症する確率が高かったそうです。
アレルギーが悪化する…!
2003年のグリニッジ大学の研究によると、自己免疫にはオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスが大事だそうで、オメガ6脂肪酸が体内に大量に増えると、炎症を起こして、ちょっとしたことでも免疫が過剰反応し、アレルギーが起きやすくなるんだとか。前立腺がんの進行スピードがアップする…!
2013年のダーラムVAメディカルセンターの研究によると96匹のオスの重度の複合免疫不全マウスに、魚油、オリーブオイル、コーン油、動物性脂肪(飽和脂肪酸)の食事をランダムに振り分けて与えたそうです。結果、魚油(オメガ3脂肪酸)以外のマウス、特にオメガ6脂肪酸のマウスは前立腺がんの進行スピードがアップしたそうです(魚油は腫瘍の成長スピードが遅くなった)
ガンの転移スピードがアップする…!
2009年のパデュー大学の研究によると、マウスを使って脂質とガンの転移スピードの関係性を調べてみたんだそうな。
結果、オメガ6脂肪酸(リノール酸)を摂取したマウスは、ガンの転移スピードが約4倍アップしたとのこと。
オメガ6脂肪酸の消費量が多い国ほど殺人事件が多いのかも…。
2004年のアメリカ国立衛生研究所の研究によると、臨床介入試験や動物実験の結果で、オメガ3脂肪酸の摂取量を増やすか、オメガ6脂肪酸の摂取量を減らすと、攻撃性や暴力的な行動が減る可能性があるってことが言われているけど、各国の殺人事件の件数と関係があるのか…?について調べてみたそうです。
具体的には、1961年から2000年までのアルゼンチン、オーストラリア、カナダ、イギリス、アメリカの種子油の消費量と殺人死亡率を比べてみたとのこと。
結果、リノール酸(オメガ6脂肪酸)の消費量が多い国ほど殺人死亡率が高かったそうです。
まだまだある…!オメガ6脂肪酸が多いヤバさ…!
まだまだオメガ6脂肪酸が多い場合のヤバさはあります。
たとえば冒頭の方で書いた通り、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が反比例の関係にありますので、基本的にオメガ3脂肪酸のところに書いた危険性が高まるというのが主なヤバい内容となります。つまり、
- 全身に炎症が起きる(2004年の西オーストラリア大学の研究)
- 血液がドロドロになる(1994年のオールボー大学の研究)
- メンタルが不安定になる(2013年のスペインの研究)
- ストレスが減らない(2014年の書籍)
- 脳の機能がダウンする(2011年の研究)
- 鬱状態になる、悪化する・痴呆のリスクが高まる(1999年の島根大学の研究)
- インスリン抵抗性が高まって、糖尿病へまっしぐら
- 甲状腺ホルモンが減って慢性的な疲労や鬱病の原因に
といったところ。
- オメガ6脂肪酸の摂取量が増える
- オメガ3脂肪酸の効果が弱まる
- 炎症性のサイトカインが分泌される
- 体内で炎症(慢性炎症)が起きる
- セットポイントが狂い太る…!
- 更に炎症が進み脳まで達する
- 脳機能の低下や鬱病発症…!
といった感じです。
他にもオメガ6脂肪酸が増えると全身の炎症により老化が進行しますし、逆にオメガ3脂肪酸の摂取量が増えると全身の炎症が和らぎますんで、老化防止(アンチエイジング)になったりします。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸で大事なのはバランス
冒頭でも書いた通り、実は体内のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は常に勢力争いをしており、例えばオメガ3脂肪酸が減るとオメガ6脂肪酸の効果が強まってしまうんですよねー。逆にオメガ3脂肪酸が増えるとオメガ6脂肪酸の効果は弱まったりします。
そして揚げ物を中心とした加工食品が巷には非常に多いため、当然オメガ6脂肪酸の摂取量も比例して多くなってしまいます。逆に魚を食べる機会は減る一方です。つまり現在の食生活は基本的にオメガ6脂肪酸が優勢になりやすいと言えます。
そのため、当ブログでは魚を食べることを推奨しつつ、それ以上にオメガ6脂肪酸を減らすことに力を入れよう…!とご紹介しております。
これについては2005年の研究にも載っておりまして、オメガ3脂肪酸を多く食べよう…!それ以上にオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスを取るよう考えよう…!とのことです。
上記の通り、オメガ6脂肪酸はどうしても多くなりやすいので、バランスを考えるならオメガ3脂肪酸の摂取量を増やすよりもオメガ6脂肪酸の量を減らすのがポイントと言えましょう。
具体的には、
- 加工食品は食べない
- サラダ油や植物油といった植物油脂は使わない、摂らない
- 青魚(冷水魚)を1週間のうち最低でも200g~300g、できれば500g〜700g食べると良い感じ
となります。
また、他にもオメガ3脂肪酸のサプリを飲んで摂取量を増やしてもオメガ6脂肪酸の摂取量を減らさないと意味がないって話があったり、逆にオメガ6脂肪酸の摂取量さえ減らせればオメガ3脂肪酸はそこまで気にしなくてOKなんて話もあります。
いずれにしても言えることは、
- オメガ3脂肪酸はなるべく多く摂取するよう心がける
- それ以上にオメガ6脂肪酸はなるべく摂取しないよう心がける
ってことになりましょうか。
因みにオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想比率はオメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸=1:1なんですが、現代の食事ではまず不可能な数字らしいです。加工食品やファストフードがはびこっている現在では大体、オメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸=1:10~40らしいんでこの当たりも覚えておきたいところですね~。
植物油脂+果糖はヤバい…!
この研究はマウスたちを以下の4グループにランダムに振り分けて、食事をさせて観察したらしい。
因みに炭水化物とタンパク質の総量は全て同じにしたそうです。
この食事を週2回、16週間又は35週間与え続けたらしい。
最後にデータを統計処理した結果、ココナッツオイル+大豆油をメインとした食事又は大豆油+果糖をメインとした食事を食べたマウスたちはココナッツオイルをメインとした食事を食べたマウスたちに比べて、
- 体重が増加した…!
- 肥満になった…!
- 脂肪肝がついた…!
- 糖尿病リスクがアップした…!
- インスリン抵抗性がアップした…!
とのこと。
また、
- 食事に果糖がプラスされても、大豆油ほど深刻な代謝異常は起こらなかった…!
- 大豆油と果糖が合わさると、相乗効果でさらに悪影響があった…!
そうです。
大豆油は果糖よりも体重や肥満をアップさせ、更に糖尿病や耐糖能異常、インスリン抵抗性、脂肪肝なんかを悪化させるみたい…。これらを見ると、大豆油を多く含む食事は、果糖やココナッツオイルを多く含む食事よりも健康リスクをアップさせる可能性が高そうですね。
大豆油はオメガ6脂肪酸が多く、揚げ物やお菓子などの加工食品に入っていることが多いです。他にもサラダドレッシングとかマヨネーズなんかにも入っていたり…。
とりあえず、植物油脂+果糖の製品は悪い相乗効果があるから注意していきたいですね~。
個人的考察
兎に角、加工食品はオメガ6脂肪酸が多いので、なるべく避けるよう心がけるのがベストってことで、どうかひとつご記憶ください。人によってはこの実践だけで痩せますので。
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16841858
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12876304
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8969289
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3921234
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12876304
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8969289
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3921234
リンク